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米国の好景気は本物だったのか?

繁栄それとも狂乱、過去10年間を5つの側面から検証する

2008年2月4日(月)

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Michael Mandel (BusinessWeek誌、主席エコノミスト)

米国時間2008年1月23日更新 「How Real Was the Prosperity?

 巨額の評価損を計上し、不良債権を処理する。大手米銀は今、過去のつけを清算し、前進しようと必死だ。

 米シティグループ(C)、米メリルリンチ(MER)などの大手金融機関は、巨額の損失を計上して膿を一気に出し切りたい考えで、合計で約1000億ドルに上る投資損失を計上している。

 だが、世界各国の投資家は目立って弱気のままで、1月21日はアジアと欧州市場が急落した。翌朝、米連邦準備理事会(FRB)は0.75%の緊急利下げに踏み切るとともに、今後も金融緩和を続けると表明。一時的にせよ株価は下げ止まった。

 FRBの利下げと政府の景気刺激対策の2段構えで、米国は景気後退を避けられるかもしれない。元々FRBはこういった金融危機に対処するために発足したもので、必要に応じて金融システムに莫大な資金を供給できる。

 「FRBを基本的に信頼している。過去のような過ちは繰り返さない」と米カリフォルニア大学バークレー校のクリスティーナ・D・ローマー経済学部教授は言う。

 だが、FRBの“魔法”をもってしても、市場や経済を低迷させている根本的な問題を取り除くことはできない。

 米国は、ITバブル崩壊後、好景気が続いた。どこまでが真の“繁栄”で、どこまでが借金に誘発された“狂乱”に過ぎないのか。現実にはようやくこの問いの解明が始まったばかりだ。答えを出すのは容易ではないが、米国の未来が見えてくるだろう。

価値の下落は住宅だけではない

 住宅市場の過熱を招いたのは、余裕のないサブプライムローン(信用度の低い個人向け住宅融資)を組む住宅購入者があまりに多かったためだ。今後、住宅価格は下落するだろう。既に値下がりしている地域もある。

 経済的価値が下落するのは、住宅だけではなさそうだ。家計支出、消費者ローン、そして金融部門の利益は、急激にあるいは段階を追って、持続可能な水準に戻るまで縮小していく。米消費に大きく依存して成長してきた世界経済や投資家にとっては、耳の痛い話だ。

 最近の生産性向上でさえ疑わしい。過大な借金により水増しされている可能性があるからだ。生産性の伸びが鈍れば、経済は停滞し、実質賃金も上がらない。企業は収益目標の達成がより困難になり、インフレリスクも増大する。

注目するポイントは5つ

 ここ数年の値上がり益に対して評価損を計上し、将来に対する期待度は下方修正しなければならないが、どの程度必要なのか今は見当がつかない。取りあえず、留意すべき重要な点を挙げておこう。

(1)個人消費
 賢明な消費者にとってのルールは単純、「稼いだ以上のカネは使わない」ことだ。長い間、米国民もこのルールに従っていた。1960年代までさかのぼると、個人消費支出の伸び(インフレ調整済み)は国内総生産(GDP)を指標とする経済成長率とほぼ歩調を合わせていた。短期間上下にぶれることはあっても、長く乖離することはなかった。

 1990年代、こうした傾向に変化が生じた。過去10年間で個人消費支出が3.6%伸びたのに対し、GDP成長率は2.9%にとどまっている(2007年第3四半期現在)。非常に大きな差である。それ以前のように両者の歩調が合っていたと仮定すれば、米国民の年間支出は今より約6000億ドル少なくなる。こうした家計の過大支出額は、2001年以降累計で約3兆ドルに上る。

 この支出は主に、住宅や医療・健康管理に当てられた。だが、衣服、家具、娯楽機器、自動車、家電製品にもかなりの額が回っている。いずれも、値下がりや輸入品の急増が起こっている商品だ。

 そこで問題なのは、この3兆ドルの支出超過をどれだけ切り詰める必要があるかということだ。今後数年、米国の実質消費支出は、経済全体以上に落ち込むかもしれない。その場合、まずは輸入が減少するだろう。食料や医療・健康管理といった生活必需分野への支出は底堅さを維持するはずだ。

 あるいは、グローバル化や海外製の安い商品の氾濫が、実質支出を増加させた張本人である可能性もある。その場合、消費支出は減少しないかもしれないが、ほかの経済分野を上回る伸びは起こらないだろう。

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