• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

中国アニメ市場の規模はいまどのくらい?

2008年2月13日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

前回から読む)

中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす

中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』遠藤誉著、日経BP社、1700円(税別) 発売中

 現在の中国において、日本の動漫を中心に動漫産業がどの程度に成長したのか、という点をここでは明らかにしよう。

 中国のアニメ制作関係者やテレビ関係者と話をすると、異口同音に次のように話す。

 「まずアニメそのものを放映してもその儲けは大したことはありません」

 意外である。これだけ需要が大きいのだから当然儲かっているのかと思っていた。

 「いやいや、むしろ足が出ることさえあります」

 では、彼らはまったく儲かっていないのか。と聞くとさにあらず。では何で儲けているのか。

 「キャラクターグッズですよ」
 キャラクターグッズ?

 「そうです。アニメ市場では、儲けのほとんどはアニメそのものではなく、アニメの副産物であるキャラクターグッズが生み出すのです。逆にいえばヒットするアニメを放映し、そこからキャラクターグッズが誕生しない限り、大きな儲けはないのです。だから、業界のみんなは、どんなことをしてでもヒットを出そう、人気のあるものを制作しようと必死なのです。人気がなければ、広告費すら出ませんからね」

 中国語では、「アニメが生み出す副産物」のことを「衍生産品」という。昔からある言葉の「衍生物」(化学誘導体)の「衍生」を現代風に使っているのだ。

 この「衍生産品」とは、いわゆるキャラクターグッズのことである。

 キャラクターのマスコットから、玩具、あらゆる文房具、歯ブラシやコップ、食器あるいは弁当箱や水筒等の生活品、服装、アクセサリー、帽子、靴下、靴、食品、音楽、そして関連の出版物等々、アニメや漫画が生み出すこれらキャラクターグッズがどれほどの市場を形成しているのか。中国の実態を見てみよう。

 中国の大きな投資コンサルティング機構のサイトに「中投網」というのがあるが、そこに2006年度データが電子データの形で総合的にまとめてある報告書が紹介されている。詳細なデータは報告書を購入しなければ知ることができない。しかし報告書に載せているらしいデータの目次は、どれも喉から手が出るほど欲しいものばかりだ。それを餌で釣って10万円以上(7700元だから、12万円ほど)も出して報告書を購入させるのだから、商魂逞しい。買う方も買う方だが、背に腹は換えられない。私はメールで申し込み、代金を中国にいる教え子に立て替えてもらって、データを入手した。ここでは、こうして手に入れた『2007─2008年 中国動漫産業分析及投資諮詢報告』(中国投資諮詢網・文化産業研究部)に書かれているデータを引用する(諮詢はコンサルタントの意味)。

 まず、中国の動漫市場の規模はどの程度だろうか。

番組枠は年間26万分、国産アニメ生産量は8.1万分

 中国の総人口13億人強のうち、動漫市場の消費者は約5億人(ちなみに18歳以下の人口は3.6億人)。年間の市場規模は約1000億元(日本円で1兆5000億円)。こちらはDVDやビデオソフト、コミック、放送料、映画興業実績といった、動漫そのものの売り上げの総計である。

 中国のテレビ局の数は中国全土の省市レベルで2000局(民間を入れると2200)を超え、そのうちアニメ専門チャンネルが4局、少年児童専門チャンネル(中国語では「少児」チャンネル)が25局、少年児童向け番組が289、アニメ番組が200となっている。

 これらのチャンネルの番組枠を満たすための年間必要時間数は26万分という。一方、中国国産アニメの生産量はわずか8.1万分(国家広播電影宅視総局によれば最終的に8.2万分)。年間必要量の31%しか満たしていない。この数字からも、中国のテレビ局の番組枠の大半が日本を筆頭とする海外のアニメに占められていることがはっきりわかる。それでいながら、中国国内のアニメ制作会社の数は2006年度末の統計で5473社もある。

 沢山のアニメ制作会社が生き残っていけるのは、アニメそのものではなく、そのキャラクターグッズの売り上げである、ということが推測できるデータだ。

 動漫のキャラクタービジネス市場の規模は、児童食品関係が約350億元(5250億円)/年、玩具200億元(3000億円)/年、児童の服装が900億元(1兆3500億円)/年、文具が600億元(9000億円)/年、児童向け音楽と児童出版物が100億元(1500億円)/年等々である。その他、音楽会や演劇あるいは関連ゲーム(オンラインゲームを含める)や携帯ゲームなどの売り上げもあわせると、動漫関連のキャラクタービジネス市場の規模は数千億元と、動漫そのものの市場をはるかに超える規模になるだろうと、中投網は試算している。

 以上の数字を見ていただければおわかりだろう。中国でも動漫は確固たる「産業」となっているのだ。しかも中国の貧富の差の大きさなどを考えると、まだまだ成長の余地を残していることになる。

 となれば中国政府も手をこまぬいてはいない。これだけ大きな市場なのに、肝心の動漫は圧倒的に日本製が占めているからだ。中国もたくさんの動漫を独自につくっているものの、消費者たる中国国内の若者や子ども、それに親たちの評価は低い。

 そこで大学も顔を出し、総出で国産動漫の創出を応援している。

コメント4件コメント/レビュー

 民放での収益の得方を考えれば、アニメーションの場合、玩具会社が付き、キャラクターグッズで収益を得るのは、経済としては至極全うでしょう。 これが制作現場にどう受け止められているか、ですが、監督によってはグッズが売れる=人気があると受け止める方も居て全くの全否定という訳では無いようです。 問題は、キャラクターグッズを売らんかなのために、制作現場に干渉し、作品を混乱させる本末転倒が有ることです。挙げ句打ち切りで良質な作品が切られたことも多々あり、一ファンとして涙することもあります。 あくまで作品があって、その上でキャラクターグッズが動く事を特にスポンサー側は忘れないようにして欲しいです。 人気有る作品は必ず何かを生みだします。(金銭だけでなく、継続的に視聴し、コアなファンになっていく事もあるでしょう)(2008/02/14)

「中国"動漫"新人類」のバックナンバー

一覧

「中国アニメ市場の規模はいまどのくらい?」の著者

遠藤 誉

遠藤 誉(えんどう・ほまれ)

筑波大学名誉教授

1941年、中国長春市生まれ、1953年帰国。理学博士。中国で国務院西部開発弁工室人材開発法規組人材開発顧問、日本では内閣府総合科学技術会議専門委員などを歴任。2児の母、孫2人。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

 民放での収益の得方を考えれば、アニメーションの場合、玩具会社が付き、キャラクターグッズで収益を得るのは、経済としては至極全うでしょう。 これが制作現場にどう受け止められているか、ですが、監督によってはグッズが売れる=人気があると受け止める方も居て全くの全否定という訳では無いようです。 問題は、キャラクターグッズを売らんかなのために、制作現場に干渉し、作品を混乱させる本末転倒が有ることです。挙げ句打ち切りで良質な作品が切られたことも多々あり、一ファンとして涙することもあります。 あくまで作品があって、その上でキャラクターグッズが動く事を特にスポンサー側は忘れないようにして欲しいです。 人気有る作品は必ず何かを生みだします。(金銭だけでなく、継続的に視聴し、コアなファンになっていく事もあるでしょう)(2008/02/14)

日本国内でも、セーラームーンや仮面ライダー等は、最初からグッズ販売を目的に作成されています。グッズの為に新たに漫画にアイテムを新しく導入するぐらいです。漫画家にしてみれば、頭にくる様な問題でしょうが、これが全てなのです。キャラクターが一人歩きしないように見張り、お金を生むように育てるのが産業なのでしょう。(2008/02/14)

日本ではアニメに付随してのキャラクターグッズが多いですが、サンリオのような例もあります。韓国などでは、サンリオのようなキャラクターグッズビジネス自体に力を入れ始めています。中国ではどっちに主力を注ぐにせよ要は手段ではなく、結果として売れるものを作れるかどうか楽しみです。但し指摘しておきたいのは、日本のアニメーターの労働基準問題の話題の枠では、日本製アニメの、中国側下請けアニメータがかなりの高収入を得ていると伝えられていることです。中国のアニメ製作体制は、オリジナルと日本の下請けで大分事情が異なるようです。(2008/02/13)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リクルートは企業文化そのものが競争力です。企業文化はシステムではないため、模倣困難性も著しく高い。

峰岸 真澄 リクルートホールディングス社長