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“職人力”こそ日本の強さ

金融や経営の分野でも活かせ

  • 山崎 養世

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2008年2月20日(水)

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 1980年代後半から90年代初めの日本は、1人当たりGDP(国内総生産)で、世界上位に位置していました。ところが、2006年の順位は、18位にまで落ちてしまいました。日本人の力が落ちているのでしょうか。

 全くそんなことはない、という明の部分と、確かに衰退している、という暗の部分の両方があります。当然ながら、明るい方向にこれから向かうべきです。

職人の伝統が日本の工場を支えてきた

 今も昔も、日本で強い人材は職人です。戦国時代には、刀鍛冶の職人たちが、ポルトガル伝来の鉄砲を世界一の品質にまで高めたといいます。現代の自動車などの工業製品にも、もの作りの強い伝統が生きています。

 日本の工場では、現場の判断と改善が尊ばれます。生産現場こそ、付加価値の源泉です。この強さは今も健在ですから、優秀な日本のもの作り企業は、グローバル化の荒波も乗り越えていきます。

 科学技術を生み出し、新しい特許や発明をすることでも、日本人は今も世界最高の水準にあります。それが、優秀な日本製品を生み出しています。

食の分野では日本人がグローバルに活躍

 工場ばかりではありません。ミシュランは、東京の食の水準が、パリと並んで世界最高であると評価しました。その是非はともかく、世界から高く評価されたことはすばらしいことです。もし、京都、大阪、金沢、福岡、その他全国のおいしいところが加われば、フランスを抜くかもしれません。

 日本の食が、ニューヨークやロンドンと違うのは、どの国の料理でも、作るシェフの多くが日本人であることです。イタリアやフランスの星付きのレストランの多くで、日本人の若きシェフたちが黙々と働いて、本場の料理を自分のものにしています。なんとたくましく、グローバルなことでしょう。

 もちろん、料理だけが食ではありません。支えているのが、世界有数であるはずの日本の食材です。米、野菜、魚、肉、酒、それぞれの分野に素晴らしい作り手がいます。

 焼き物や漆器や着物といった伝統ある分野でも、日本の職人の腕は健在です。アニメ、ゲームといった新しいもの作りの世界でも、職人が育っているのです。

全体よりも部分を重んじる日本人の特質

 職人技と日常生活を精神性と芸術にまで高めることにおいて、日本は他国の追随を許しません。茶、花、盆栽、香、庭。日常が宇宙に変わることが、日本では当たり前でした。歌舞伎、能、文楽、雅楽、といった伝統芸術でも、クラシックやポップスやダンスなどの西洋からの芸術でも、日本人の技が生きています。

 スポーツも職人の世界です。イチローや松坂大輔、中村俊輔などには、道を究める求道者の厳しさがあります。戦う精神はサムライに近い、と言えるでしょう。

 日本の人材が強い分野は、手で触れるもの、目に見えるもの、現場で分かるものです。全体よりも部分を重んじ、大宮殿より3畳の茶室、長歌よりも俳句、盆景よりも盆栽、を発達させてきた、われわれ日本人の深いところにある特質なのでしょう。

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