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iPhone、非正規ルートで大量流通

アップル以外で100万台を売るグレーマーケットが活況

2008年2月21日(木)

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Peter Burrows (BusinessWeek誌シニアライター、シリコンバレー)
Olga Kharif (BusinessWeek.com記者、オレゴン州ポートランド)
Chi-Chu Tschang (BusinessWeek誌、北京支局記者)

米国時間2008年2月12日更新 「Inside the iPhone Gray Market

 北京にある広大な電脳ビル「中関村科貿電子城」。大勢の店員が売り場に陣取っていて、北京シンユー・リアンエ通信設備公司のリ・チュウシン氏もそんな一人。リ氏は3階の売り場で商品を広げ、その前のプラスチックの小さな椅子に腰掛け、買い物客の人込みの中に有望な買い手がいないかと鋭い視線をあちこちに送っている。

 棚に掛かった携帯電話や端末用カバー、各種の付属品の山にも、腰ほどの高さのガラスのショーケースの中にも、米アップル(AAPL)の「iPhone」という文字は見当たらない。しかし、リ氏は客に喜んでiPhoneを見せるだろう。前金で払えば「お好きなだけご用意しますよ」と言う。

 そんなセリフは一見奇妙に思えるかもしれない。中国市場でアップルはまだiPhoneを発売していないからだ。正式に販売されているのは、米国、英国、フランス、ドイツだけであり、これらの国でアップルは、米AT&T(T)などの携帯事業者と独占的な契約を結んでいる。

 しかし、リ氏のビジネスは盛況だ。それは、巷で噂の製品(発売元から、販売先と販売手法について厳しい制限が付された製品)に、大変な需要が集中するという状況をそのまま反映している。

 リ氏のビジネスは、iPhoneを巡って拡大しつつある複雑な世界的グレーマーケットの、ほんの一端に過ぎない。このマーケットには、中国の無名の輸出入業者、東欧の半導体メーカー、米中西部とオーストラリアのビジネスマン、そして米国や西欧のアップル直営店や提携店からできるだけたくさんのiPhoneを購入するよう求められた“ランナー(密輸者)”と呼ばれる人々が加担している。それにもちろん、小規模な小売業者がわんさかいる。iPhoneを購入した後、世界中の一般消費者に向けて上乗せ価格で転売しようとするのだ。

震源になったのはプラハの小さな会社

 アナリストの報告によると、80万~100万台(販売済み台数の約4分の1)のiPhoneは、「ロック解除」され、使える状態になっているという。つまり、アップルの独占契約先以外のネットワークでも使えるように改造されているのだ(BusinessWeekチャンネルの記事を参照:2008年2月19日「消えたiフォンの謎」)。

 このiPhoneのアフターマーケットの形成には、あまり時間がかからなかった。iPhoneの発売は2007年6月29日だが、その頃には既にソフトウエアのハッカーやロック解除専門の企業が、アップルと提携していないネットワークでもiPhoneを使える方法を探り始めていた。数週間のうちに、インターネット上のフォーラムにはその答えが飛び交っていた。その答えとは、チェコのプラハに本拠を置くちっぽけな会社が出したものだ。

 大学で数学を学んだパベル・ザボイ氏(36)は、友人と協力して「ターボSIM」という電子機器を開発した。ターボSIMはもともと、携帯電話をモバイル決済システムとして利用するための機器だ。だがこれを使うと、iPhoneがAT&Tのネットワークと接続しているように誤認識させられることが分かったのだ。

 8月半ばになると、ザボイ氏率いる10人ほどの会社、ブラドックスには注文が殺到。注文が目立ったのはカナダとメキシコだ。この2国では、アップル信者は遠くへ行かなくてもiPhoneを入手できる。全く準備ができていなかったブラドックスは、次々と押し寄せる注文に応えることができなかった。「我々はあっけに取られてただ座っていたよ」とザボイ氏は語る。

アップルからはおとがめなし

 ブラドックスが携帯電話の「ロック解除」機器を販売した先は、ざっと100カ国に上る。その中には仏領ポリネシアやアフガニスタンも含まれているとザボイ氏は言う。BusinessWeek誌の読者からの報告によると、iPhoneはブラジル、カナダ、ドミニカ共和国、インドネシア、イスラエル、ナイジェリア、ペルー、ポーランド、ロシア、アラブ首長国連邦などでも手に入るとのことだ。

 グレーマーケットでiPhoneの人気が高まるのは、単に製品の供給が限られているせいだけではない。アップルやその提携企業に、何らかの対策を講じようとする動きがほとんどないからでもある。アップルと独占契約を交わした企業――AT&T、英O2、仏オレンジ、ドイツテレコム(DT)傘下のTモバイル――は、仮に加入者が2年間の契約を嫌ってロック解除という手段を選んだとすると、毎月の料金の数百ドル分を失うことになる。しかし、ロック解除が行われているのは主に、提携事業者が存在しない地域であるようだ。

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