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邦銀のサブプライム損失は小さすぎる?

3000億ドルもの巨額損失が世界のどこかに消えた謎

2008年2月28日(木)

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Ian Rowley (BusinessWeek誌、東京支局特派員)

米国時間2008年2月21日更新 「Japan's Banks: Immune to Subprime Pain?

 米銀や欧州銀がサブプライムローン(米国の信用力の低い個人向け住宅融資)に関連して100億ドル規模の損失を計上する一方で、邦銀には意外なほど影響が出ていない。

 日本の銀行は1990年代初期、国内の不動産バブル崩壊で痛手を被った。今回、2000年代半ばの米国版不動産バブル崩壊では、巨額損失のニュースは聞こえてこない。これが一部のアナリストの疑念を呼んでいる。

 “サブプライム津波”はスイスのUBS(UBS)や米メリルリンチ(MER)、米シティグループ(C)などを襲い、100億ドル規模の利益を飲み込んだ。邦銀はこの津波の影響をそれほど心配する必要はないというが、信じてよいのだろうか。

 懐疑派の急先鋒は仏BNPパリバ(BNPP.PA)の国際為替ストラテジスト、ハンス・レデカー氏だ。2月1日付顧客向け調査リポートで、「日本勢は巨額のサブプライム損失を隠蔽している可能性がある。損失が出ていることを公表していないだけではないのか」と疑問を呈した。

 レデカー氏の理論は単純だ。日本は世界最大の債権国であり、国際市場において主要な資金の供給源となっている。国内の超低金利もその動きを助長している。にもかかわらず、大手銀行の公表したサブプライム関連損失は、わずか50億ドル程度だ。この数字には三菱UFJフィナンシャル・グループ(MTU)、みずほフィナンシャルグループ(MFG)、三井住友フィナンシャルグループ(8316.T)の3大メガバンクの損失も含まれている。米欧銀が現在までに1300億ドルを超える損失を発表していることを考えると、少なすぎるというのだ。

 さらに一部の試算によると、サブプライム危機という底なし沼に消えていく損失は合計で4000億~5000億ドルに達するという。3000億ドルの損失をどこかで誰かが隠している可能性があるのだ。レデカー氏は日本勢が怪しいとにらむ。英デイリー・テレグラフ紙に対し、「次に大問題が発覚する場所は日本だろう」と語り、前述のリポートと同様の見解を示した。

これまでの公表値で見ると健全だが…

 邦銀は、日本政府のデータを盾にレデカー氏に反論する。金融庁の2月13日の発表によると、国内金融機関のサブプライム関連商品の保有残高は2007年12月末時点で138億ドル。9月末時点の129億ドルより増加した。12月末におけるサブプライム関連商品での損失は56億ドルで、9月末の2倍以上に膨らんだものの、国際的水準からするとわずかな金額と言える。

 実際、3大メガバンクから出ている数字は特段に悪いものではないようだ。総資産世界トップの三菱UFJの予想では、当期(2008年3月期、以下同じ)通年でのサブプライム関連損失は第3四半期までの5億1000万ドルから8億8000万ドルに増加する程度。同行の広報担当者はBusinessWeek誌に対し「何も隠してなどいない。なぜ3000億ドルというサブプライム関連損失と邦銀が結び付けられるのか全く分からない」と電子メールでコメントを寄せた。

 邦銀第2位のみずほは、証券部門の米国での損失が膨らみ、当期のサブプライム関連損失は通年ベースで37億ドルに増える見込みだと発表。さらに純利益は24%減少し、44億ドルになると予想している。

 3位の三井住友は、当期第3四半期までのサブプライム関連損失を9億2000万ドルと発表しているが、第4四半期での追加損失は見込んでいない。

報告義務は厳格になっているはず

 これら邦銀の損失額に対し、UBSは184億ドル、シティグループは180億ドル、メリルリンチは140億ドルの評価損を計上している。日本が突然、サブプライム問題の次の火種となるとしたら、状況が大きく変わることは明らかだろう。

 米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)東京オフィスの金融サービス格付担当マネジングディレクターを務める根本直子氏は、「邦銀のサブプライム関連商品との関わり合いは小さいだろう」と述べている(S&PはBusinessWeek同様、ザ・マグロウヒル・カンパニーズMHPの事業部門である)。

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