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米ウォルマート、王座君臨への難題

弱点の「衣料品」分野でマーケティング力が必要に

2008年2月29日(金)

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Pallavi Gogoi (BusinessWeek.com特約記者)

米国時間2008年2月19日更新 「Wal-Mart: Fashioning a New Growth Track

 小売業界の世界最大手、米ウォルマート・ストアーズ(WMT)は2月19日、2007年度(2008年1月31日決算)の総売上高を3745億ドルと発表した。だが、業績見通しをよく見ると、ウォルマートは今後の事業展開に大きな問題を抱えていることが分かる。2008年度、この安売り大手は、創業以来初めて売り上げがマイナスに転じる瀬戸際に立たされているのだ。

 昨年度の決算報告を見れば、同社の伸び悩みは既に明白だ。開店から1年以上経つ米国内の既存店ベースでは、売上高1%増を辛うじて達成した。伸び率は過去最低で、前年度の1.9%増に比べ鈍化している(2007年度第4四半期決算では、総売上高は前年同期比8.4%増の1074億ドル。純利益は同4%増の41億ドルで、1株当たり1.02ドルだった)。このペースでいくと、今年度は既存店の売上高が昨年並みか、もしくは減少するのは避けられそうもない。

小売部門では同業他社を圧倒

 米小売りコンサルタント会社、ストラテジック・リソース・グループ(本社:ニューヨーク)取締役のバート・フリッキンジャー3世氏は、30年前からウォルマートの株主になっている。同氏によると、ウォルマートの売上高成長率は小売業における3つの指標――物価上昇率(現在3%弱)、国内人口増加率(1%)、売場総面積の拡大率(昨年8.4%)――を下回っている。「痛ましいほどの業績ですね」と、同氏は嘆く。

 このところウォルマートは、顧客からも厳しい評価を下されている。ミシガン大学が毎年実施している顧客満足度調査の結果によれば(2月19日発表)、ウォルマートの評価は大手ディスカウント及び百貨店チェーン10社のうち最下位だった。今年の顧客満足度は100点満点で68点と、前年から5.6ポイント下げている。

 とはいえ、売り上げは今年1月に0.5%増、昨年12月に2.4%増とわずかながら上昇しており、総じて大不振の小売部門においては、一見、一人勝ちのように見える。小売りチェーンは総崩れで、米高級百貨店のノードストローム(JWN)から米ディスカウントストアのコールズ(KSS)まで、軒並み売り上げを落としている。そんな中、ウォルマートの第4四半期の既存店舗売上高は1.7%上昇し、米大手スーパーのターゲット(TGT)を上回った。ウォルマートの株価が年初から6%上昇して50ドルを超えたのも納得できる。

 ウォール街は、ウォルマートが小売業界で抜きんでた業績を達成すると見ている。高額なクレジットカードの支払いや住宅ローンの返済、光熱費やガソリン価格の高騰に喘ぐ米消費者にとって、ウォルマートの低価格は安心感を与えるからだ。

 一方、ウォルマートも、低価格の食品や薬品、手頃な価格の電化製品や生活必需品を揃えて、顧客の取り込みに懸命だ。「ウォルマートは一貫して、大量販売と高画質テレビなどの高額商品の販売で利幅を増やす戦略を採ってきた」と、米小売りコンサルタント会社ローブ・アソシエーツ(本社:ニューヨーク)社長のウォルター・ローブ氏は指摘する。

 問題は、ウォルマートの売り上げを牽引しているのが、食品や4ドル程度の低価格の薬品など、利幅の薄い生活必需品だという点だ。実際、ウォルマートの役員たちはこれまで、「こうした商品の利益を削ってでも来客数を増やし、衣料品などの利幅の大きな商品を買い込んでもらいたい」と話してきた。だが、その期待は裏切られた。通常なら自分のほしいものを買うのに使われるギフト券すら、今年1月は食品などの必需品の購入に向けられるありさまだった。

 それでも、米ペンシルベニア大学ウォートン校のマーケティング学部教授、スティーブン・ホック氏は、「ウォルマートは食品小売り最大手だ。生活に欠かせない食品は景気に左右されないので、安定した業績が見込める」と指摘している。

成長戦略はいまだに不鮮明

 家計にゆとりがない時でも、消費者は食料品だけは買ってくれるので、景気後退の今、ウォルマートは問題を先延ばしにできる。だが景気が上向いてきた時、新たな成長の道を見つけることができるだろうか。

 これまでも同社は鮮明な成長戦略を打ち出せてこなかった。国内外を問わず、ほとんどどの事業も行き詰まっている。米国内の市場が飽和状態にある今、ウォルマートは海外に活路を見いだすしかないと考えている。そこで今後2年間に36億ドルもの巨費を投じ、海外への新規出店を計画している。一方、国内での新規出店は抑制し、投資額を70億ドルから50億ドルへ削減する。

 海外の新規店舗の80%はカナダ、メキシコ、中国での出店が占める。数カ月前のアナリスト向け説明会で、ウォルマート国際部門担当副会長のマイケル・デューク氏は、「今後、採算が取れない市場からは撤退する」と語った。目下、ウォルマートの店舗は全世界で約7000店舗に及んでおり、そのうち3000店舗は米国以外の13カ国で展開している。

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