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怒れる消費者たちの逆襲

痛烈なブログや動画による苦情に企業はどう対応する?

2008年3月3日(月)

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Jena McGregor (BusinessWeek誌、マネジメント担当エディター)

米国時間2008年2月21日更新 「Consumer Vigilantes

 2007年は、業を煮やした消費者がついに文字通り“鉄槌を下した”年として、カスタマーサービスの歴史に残るだろう。

 8月、元看護師で今は米AARP(旧全米退職者協会)の秘書として働くモナ・ショウさん(76歳)が、米ケーブルテレビ(CATV)最大手コムキャスト(CMCSA)のバージニア州マナサス支店で、パソコンのキーボードと電話器をたたき壊した。

 「コムキャストはきちんと設置工事をしなかった」というのがショウさんの言い分だ。最初に支店に行った時は、廊下のベンチに座ったまま2時間、支店長が出てこないので待たされたと言う。ショウさんはハンマーを持って戻って来ると、怒りに任せて叫んだ。「さあ、これで私がいることに気がついた?」。

 逮捕されて345ドルの罰金を科されたものの、ショウさんは一躍メディアの寵児となり、苛立ちを募らせていた全米の消費者は大いに溜飲を下げた(コムキャストからは、「ショウ様には、カスタマーサービスの件でご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます」とのコメントがあった)。

 その3カ月前の5月、システムエンジニアのマイケル・ウィットフォードさん(アリゾナ州チャンドラー在住)は1本の動画をグーグル(GOOG)の動画サイト「YouTube(ユーチューブ)」に投稿した。ゴルフクラブ、斧、剣などの中から大型ハンマーを武器に選び、動かなくなった「MacBook(マックブック)」を粉々に破壊するという内容だ。

 ウィットフォードさんは動画の中で、米アップル(AAPL)は液体をこぼしたのが故障の原因だとして保証修理を断った、と主張している。このモノクロの破壊映像は34万人以上の人が視聴した。BusinessWeek誌へのコメントは得られなかったが、本人は動画の中で「僕は何もこぼしていない」と語っている。

 7月初め、ウィットフォードさんは自身のブログでアップルがパソコンの交換に応じたことを明らかにした。「本当によかった。アップルを好きな気持ちがよみがえってきたよ」と喜びを綴っている。

ブログや動画で、恨みを込めて真相を暴露する

 これらは最近の消費者による“自警活動”の具体例だ。ハンマーを振るわないまでも、ビデオカメラやパソコン、携帯機器を武器に、それぞれのやり方で実力行使に出る者は多い。

 インドのバンガロールまで電話した揚げ句、延々と待たされる、音声自動応答システムに果てしなくつき合わされる――。こうした従来の対応に不満を募らせ、企業が提供する型通りのカスタマーサービスに対して「否」を突きつける消費者が増えている。

 コールセンターでらちが明かなければ、上層部にCC(カーボンコピー)を付けた上で苦情メールを送りつける“電子メールによる、じゅうたん爆撃”を行う。最後の手段として、幹部への直談判に出る勇者もいる。普通なら見つけることのできないカスタマーサービス責任部門の特別な直通番号を探り出してくるのだ。

 そしてもちろん、ブログや動画を通じて、自分が受けた仕打ちを恨みを込めて暴露する。「何としても成果を得ようとするあまり、少々行き過ぎる傾向はある」と指摘するのは、米市場調査会社ニールセンのオンライン・ストラテジック・サービシズ担当上級副社長、ピート・ブラックショウ氏だ。

 同社は消費者発信型メディアの評価を行っている。「企業側はこうした消費者を特殊な客として無視することも可能だ。一方、彼らがどう感じているかを知ることで、非常に重要な洞察が得られると考えることもできる」。

 消費者がこうしたゲリラ戦法に出るには理由がある。企業と消費者の間で、カスタマーサービスに対する意識の差が広がっているのだ。それでなくとも消費者は、ローン担保となる住宅価値の下落、不安定な雇用、物価の高騰で瀬戸際まで追い込まれている。そんな時に保留音を延々と聞かされたり、自動音声応答システムでいつまでたっても目的の相手にたどり着けなかったりすると、思わずカッとなるのだ。

 このことは、BusinessWeek誌が実施した第2回「カスタマーサービスが優れた企業ランキング」の結果によく表れている(データ提供:米調査会社JDパワー・アンド・アソシエイツ(MHP))。調査によると、今年の平均得点はやや低下しており、2年連続でランク入りした企業の約3分の2が昨年よりも得点を落としている(JDパワーはBusinessWeek同様、ザ・マグロウヒル・カンパニーズ(MHP)の事業部門である)。

消費者が社会的な力を獲得

 企業への不信感に拍車をかける、役員への高額報酬、不正経理、業務の海外へのオフショアリングによる雇用喪失――。消費者と企業の溝はかつてないほど深まっている。

 「そうした不信感は、日常においても顧客の購買行動に計り知れない影響を及ぼしている」と、米カスタマーケア・メジャーメント・アンド・コンサルティング(CCMC)(本社:バージニア州アレキサンドリア)社長のスコット・ブロッツマン氏は分析する。企業側も、返品条件の厳格化や詐欺対策の強化を進めており、「これほど反目し合うのは久々のこと」という状況だ。

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