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アシックス、脱シューズ戦略

本格アスリート向けだけでは規模に限界あり

2008年3月6日(木)

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Kenji Hall (BusinessWeek誌、東京支局テクノロジー担当記者)

米国時間2008年2月26日更新 「Asics Wants More Than Runner's High

 世界の4大スポーツウエアブランドと言えば、米ナイキ(NKE)、独アディダス、独プーマの名はすぐ浮かぶ。だが第4位となると、思いつく人はなかなかいないだろう。答えは日本最大手のアシックスだ。

 世界的な知名度という点で、アシックスが大手競合他社に遠く及ばないのはなぜか。アシックスの会社規模は21億ドルと、ナイキの約10分の1。年間売上はナイキの広告費とスポンサー料を合わせた程度にすぎない。アシックスの広告予算は、わずか約1億5000万ドル。契約選手の中に、サッカーのデビッド・ベッカムや米プロバスケットボール協会(NBA)のレブロン・ジェームズといったスターが見当たらないのも無理はない。

 しかし、アシックスが大手ライバルのはるか先を行くスポーツが1つある。ランニングだ。「ランニングに真剣に取り組んでいる人はアシックスのシューズを履いている」と、米市場調査会社NPDグループ(本社:ニューヨーク州ポートワシントン)のアナリスト、マーシャル・コーエン氏は言う。

 ランナーのレベル別に高度な設計が施されているアシックス製シューズは、ほかのブランドよりも人気が高く、オリンピック選手にも愛用されている。イタリアのマラソン選手ステファノ・バルディニや、スウェーデンの走り高跳びの選手ステファン・ホルム、それに多くのアマチュア選手がアシックスを選んでいる。

 2006年と2007年にアシックスが実施した調査によると、ニューヨークシティマラソンで完走した参加ランナーの半数以上が、アシックスのシューズを履いていたという。

タイミングの悪い経営者交代

 ランニング人口の増加とブランドの人気もあり、アシックスの売り上げはこの5年間で50%増加、営業利益は倍増した。だがアシックスは2月8日の決算報告で、為替差損と広告支出の増大が原因して、第3四半期の収益が予想を下回り、通年の利益の見通しを下方修正すると発表した。

 このことが投資家の怒りを買い、アシックスの株価は1日で最大の下げ幅となる15%の暴落、評価額では3億7400万ドル以上下落し、その数日後、わずかに持ち直した。当初は1億4000万ドルの増益という予想だったが、現時点では純利益は5%増の1億3500万ドル、今年度(3月終了)の売り上げは2ケタの増加を見込んでいる。

 尾山基氏(57歳)にとっては何とも間が悪かった。業績見通しを下方修正したその日に、新社長に指名されたのである(就任は4月)。

 その1週間後、2月17日の「東京マラソン2008」に先立って「東京マラソンEXPO2008」が開催された。アシックスの出展ブースに現れた尾山氏は、いつも通り白髪をきちんと整え、株価暴落による動揺を全く表に出さなかった。スタッフや来場者に交じり、終始リラックスした様子を見せた。

 会場でマラソン用品に囲まれながらも、尾山氏はランニングとは別のことを考えていた。健康志向によるランニング人口の増加で、確かに、アシックスは利益を手にしている。しかも、ランニングシューズは、普通のスニーカーより高めの価格設定になっている。だが同氏が目指すのは、ランニング用品ブランドからの脱却である。

 ナイキ、アディダス、英リーボック・インターナショナル、プーマがいい手本だ。Tシャツやバッグ、ウォームアップスーツ、帽子は、ブランド認知を高めるのにもってこいの商品である。だがその前に、まず取り組みたいことがあるという。“ブランドイメージの一新”だ。「アシックスにはかっこよさがない。お洒落ではないのだ。そこを何とかしていかなければならない」と語る。

カギを握るのは“ファッション性”

 アシックスは既にランニング用品以外にも事業を広げている。スノーボード、レスリング、バレーボール、バスケットボールなど、様々なスポーツの選手のウエアにアシックスのロゴ(シューズ側面のストライプデザイン)が見られる。このロゴは、「オニツカタイガー」ブランドのレトロな雰囲気のカジュアルウエアやシューズにもついている。とはいえ、アシックスの海外での売り上げのほとんどは、ランニングシューズによるものだ。

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