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巨大化する多国籍企業への期待と不安

なぜグローバル企業が米国経済の救世主になれないのか

2008年3月10日(月)

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Michael Mandel (BusinessWeek誌、主席エコノミスト)
Steve Hamm (ニューヨーク)
Christopher Farrell (ミネソタ州セントポール)
米国時間2008年2月28日更新 「Multinationals: Are They Good for America?

 米ニューヨーク州スチューベン郡コーニングの町を見下ろす丘の上で、研究施設の拡張が最近始まった。この拡張に3億ドルを注ぎ込むのは、町の名を社名とした特殊ガラス大手の米コーニングだ。好調な海外事業で稼いだ潤沢なキャッシュを元に、国内の製品開発部門の増強を図っている。

 「私たちの技術革新体制を機能させるには、研究開発の拠点を1カ所にまとめることが重要だ」と同社のピーター・F・ボラナキス社長は説明する。

 コーニングが最大の雇用主であるスチューベン郡の住民にとって、この拡張のニュースは歓迎すべきものだ。2005年以降、同郡の失業率が近隣の郡を上回るペースで改善できているのは、この地域に根差しながら世界中で収益を稼ぎ出す同社によるところが大きい。

 米国民はコーニングのような“国内投資意欲のあるグローバル企業”を数多く必要としている。こうした企業は景気減速という痛みを和らげてくれるからだ。キャッシュは潤沢、海外事業での利益はうなぎ登り、国内企業をはるかに上回る生産性や革新性。しかも米消費者や銀行、中小企業のように信用収縮で企業活動に二の足を踏むでもない。今頼りになるのは、巨大な多国籍企業なのだ。

多国籍企業は米国経済の足を引っ張っている?

 事実、米国を本拠とする多国籍企業(金融を除く)上位150社は、合わせて5000億ドル以上の流動性資金を保有している(2007年末データ)。ヒューレット・パッカード(HPQ)、ファイザー(PFE)、イーベイ(EBAY)、サラ・リー(SLE)などが米国を本拠とする代表的な多国籍企業である。米国で大規模に事業展開をしている外国企業のトヨタ自動車(TM)や独シーメンスなども、同様に手元資金には事欠かない。

 それと対照的なのが、規模で劣る国内志向の強い企業だ。利益見通しはパッとせず、バランスシート上に多額の短期債務などの負債を抱えているので、資金の調達に苦労している。

 では、グローバルに展開している巨大企業は米国経済の救世主となるのだろうか。近年の状況から見ると、そう期待はできない。米商務省経済分析局(BEA)の2000年以降の統計によると、多国籍企業はある意味で、米国経済の足を引っ張っているのかもしれない。

 2000~2005年(完全な統計値が出ている直近年)にかけて、米系多国籍企業は国内で200万人余りの雇用を削減した。ほかの民間企業での雇用は逆に伸びている。この傾向が大きく逆転したという兆候は見られない。

 米系だけではない。外資系多国籍企業も同時期に米国事業で50万人の雇用を削減している。経費削減や米国子会社の売却によるものだ。外資系企業で一番の優等生とも言える米国トヨタでさえ、2000~2007年にかけて新規に採用したのはたった9000人だ。

 グローバル化が野放図に加速しているような時代にあって、米経済でその流れに取り残されている部門がある。輸出だ。ここ数年は増加傾向にあるものの、2007年の国内総生産(GDP)に占める輸出の割合は11.8%と、1997年の水準を辛うじて上回る程度だ。この間に、米系多国籍企業の海外子会社の売り上げは急増している。

 明るい材料もある。ドル安と海外でのコスト上昇が重なったため、生産性の高い多国籍企業が一部の生産活動や雇用を再び米国に移そうとしているのだ。この動きは、既に輸出増や外資系企業の対米投資意欲の高まりとして表れている。2007年第3四半期における対米直接投資は、2000年以来最高を記録した。

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