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日銀よ、金融緩和せよ

総裁ポストを政争の具にするという大愚

  • 山崎 養世

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2008年3月11日(火)

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 主要国やEU(欧州連合)の中央銀行総裁は、世界経済に最も大きな影響を与える人たちです。

 21世紀になって中央銀行の重要性はさらに増しています。株式や債券などの証券はもちろん、不動産や石油やトウモロコシといった実物資産までが市場商品となり、世界中で売り買いがされるようになっているからです。

 さらに、そうした市場経済への参加者自体が増えています。中国、インド、ロシア、ブラジルなどの大国が世界の資本主義経済のメンバーになり、中東やベネズエラ、ナイジェリア、カザフスタンなどの国も資源のパワーをさらに発揮するようになりました。

日銀総裁の任務を厄介にする2つの要因

 市場経済は借金で動きます。金融機関はもちろん、ファンドや企業も自己資本以上に借り入れることによってポジションを膨らませます。当然、金利が安く為替が下落しそうな通貨での借り入れに人気があります。

 一番の人気通貨は、金利が低い円でした。このことが、日銀総裁の任務をとても厄介なものにしています。世界の市場投資への貸し手の立場に立っているからです。

 金利水準が一定であっても、円高が急激に進むと円で借りて世界の市場に投資している人たちの投資採算が急激に悪化し、それがポジションの投げを誘発してマーケットのメルトダウンを誘発しかねないからです。

 日銀総裁のもう1つの難しさは、為替への対応です。日本経済は為替経済と言っていいでしょう。これは、米国経済が消費経済だと言うのと同じ意味合いです。つまり、経済の動向に大きな影響を与えるのは、日本では為替水準であり米国では国内消費だということです。

円高、そして市場の下落を招いた日米金融政策の変化

 昨年の夏ごろに1ドルは120円を超えていました。それが昨週末には100円割れ寸前まで円高が進みました。いつ100円を切る円高になってもおかしくありません。輸出企業にしてみれば、売り上げをドルで受け取っても半年前より2割近くも収入が減ることを意味します。

 もちろん、これまでに多くの日本企業は様々な為替対策を進めていますから、ここまで極端な影響は出ませんが、それでも円高で日本の企業収益全体には悪影響が出ます。

 それを素直に表しているのが株式市場です。昨年8月からの円高とほぼ同じペースで株安が進行しています。1月22日を上回る二番底が、いつ来てもおかしくないところまで来ました。

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