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中国政府、強硬にインフレ抑制へ

最も心配なのは、食料価格上昇による民衆のデモ

2008年3月14日(金)

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Frederik Balfour (BusinessWeek誌アジア特派員、香港)

米国時間2008年3月5日更新 「Beijing to Keep Focus on Inflation

 世界の大半の国が景気減速を懸念する一方で、中国政府は相変わらずインフレ退治に忙しい。3月5日、第11期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の幕開けに行われた政府活動報告の中で、温家宝首相は最大の懸念事項としてインフレを挙げた。

 数十年ぶりの悪天候の影響もあり、中国の1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で7.1%上昇した(BusinessWeekチャンネルの記事を参照:2008年2月13日「中国、豪雪被害で高まる不満」)。温首相はインフレ対策として「強力な措置」を講じると言明。補助金制度、融資枠規制による投資の抑制、選択的な価格統制などにより、今年のCPI上昇率を4.8%の水準まで抑え込む意向だ。

 全人代は中国の最高立法府ではあるが、年1度の招集で会期も短く、実質的には今後1年間の共産党の優先事項を一切の問題提起なく承認する程度の機能しか持たない。必然的に会議の結果に驚くようなところはなく、今年も例外ではなかった。温首相が全人代に報告した対策は、既に数カ月前に導入済みである。国内総生産(GDP)の成長率8%をはじめとする今年の経済目標も既定路線である。

 全人代の形式的なお墨付きを得るのは簡単だが、中国経済の手綱を締めるのは、はるかに骨の折れる難題だ。

 「中国政府は経済成長率を低めに予想する傾向があり、インフレ目標はありきたりの努力では達成できない」と、英スタンダードチャータード銀行(SCB)の上海支社上級エコノミスト、スティーブン・グリーン氏は指摘する。温首相の演説後に発表した顧客向けリポートの中で、氏はこのインフレ抑制目標を「きわめて実現性がない」と評した。

米国の景気減速が逆風に

 中国指導部がインフレを深刻な問題と見るのも無理はない。食料価格の高騰によって最貧層の人々に重い負担がかかっていることから、政府が公約に掲げる“協調的”社会の実現にインフレ阻止は欠かせない要素だ。経済成長の恩恵をもっと平等に分かち合うことができなければ、何百万人もの人々が街頭でデモ行進するという最悪の事態が起こりかねない。

 中国政府のインフレ抑制に立ちはだかる障害の1つは米国の景気減速である。米連邦準備理事会(FRB)が利下げし、人民元に対するドル安が進行する。そして中国への外資の流入は加速し、インフレ圧力が一段と高まる。このように、米JPモルガン・チェース(JPM)中国市場部主管の李晶(ジン・ウーリッチ)氏は分析する。

 「中国にとって、ただでさえインフレ退治は困難な課題だ。ましてや今は世界一の経済大国である米国が景気後退に突入しようとしている時だ。一筋縄ではいくまい。金利差の拡大により外資の流入が過剰に進めば、人民元はさらなる上昇圧力にさらされる。既にコスト削減圧力や主要市場の需要減退に直面する輸出業者にとって、さらなる痛手となる」。BusinessWeek誌宛の電子メールで、李氏はこんなコメントを寄せた。

為替相場制度の統制緩和を約束

 実際、米中の金利差は今年、一段と拡大するはずだ。FRBは景気後退を阻止するため利下げを続ける可能性が高い。一方の中国人民銀行(中央銀行)も4度の利上げ(各0.27ポイント)で貸出基準金利を今年1.08ポイント引き上げると見られている(SCBの予想)。

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