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景気後退が止まらない

住宅危機で救うべきは誰か、経済全体にとって最善策とは

2008年3月24日(月)

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Peter Coy (BusinessWeek誌、経済担当エディター)
Jane Sasseen (ワシントン支局長)

2008年3月24日発行号カバーストーリー 「Recession Time

 3月11日、ウォール街に希望が出てきた。米連邦準備理事会(FRB)が発表した信用収縮の歯止め策が好感されたのだ。ダウ工業株30種平均は400ポイント以上も反発し、この5年間で最大の上げ幅を記録した。

 だが、喜ぶのはまだ早い。この政策が主要銀行の流動性収縮だけに対応するものだということは、FRBの当局者が一番よく分かっている。米国経済が抱える最大のリスクに対しては何も手を打っていない。家計から財産と信用を奪い、銀行制度に多大な負担を強いている“空前の住宅価格暴落”には無策なのだ。

 現在の景気減速がどこまで悪化するのか誰にも分からない。これほどの住宅価格の急落は経験したことがないからだ。しかも、住宅の時価20兆ドルが家庭の保有資産の大部分を占めている状況での暴落なのだ。

 今のところ、今年は短期的で緩やかな景気後退を予測する専門家が多い。だが、急激に景気が後退する可能性もある。そうなると、利下げや赤字公債発行といった財政出動という従来の不況対策では手に負えない。

3つの選択肢を組み合わせて対応するのが賢明

 では、どんな対策を取るべきだろうか。“確率は低くても最悪の事態に備える”ことが、ベン・S・バーナンキFRB議長、ヘンリー・ポールソン米財務長官や大物議員などワシントンの政策立案者にとって賢明な道である。費用はかかっても景気後退が緩やかなものにとどまるよう“保険”をかけるのだ。

 国際通貨基金(IMF)も、この方向性を支持している。3月12日、ジョン・リプスキーIMF筆頭副専務理事は各国の政策立案者に対し、「不測の事態を想定し、信用下落の悪循環に備える」ことを促した。

 経済のセーフティーネット(安全網)としては3つの選択肢が考えられる。どの選択肢にも利点と欠点があるが、欠点はその政策を極端に推し進めた時に最も強く表れる。そのため、3つを適度に組み合わせた方法が最善だろう。

 第1の選択肢は、FRBが積極的に動くことで経済に対して潤沢に流動性が供給されるよう期待することだ。

 これは既に実行されている。3月11日、FRBは、2000億ドルの高格付けの米国債を主要な商業銀行及び投資銀行に貸し出すという革新的な政策を発表した。トリプルA格付けの住宅ローン担保証券(MBS)など、価値はあっても売買しにくい資産を担保として利用できる。この政策により、銀行は貸し付けや借り入れを再開できるだろう。だが、ローンの借り換えができずに苦しむ住宅所有者を直接救済するわけではない。

 第2の選択肢は、政府主導での住宅所有者救済策だ。重くのしかかる負債と高い金利負担を減らし、担保になっている住宅の差し押さえを制限する。

 第3の選択肢は、貸し手とMBSの保有者に対する支援を行い、冷え切った金融市場を活性化させることだ。

 どちらの選択肢も、問題なのは支援を必要としない人が不公平だと感じる点だ。さらに、住宅関連の損失に関して、住宅所有者、投資家、納税者のうち誰が最も大きな責任を負うべきかまだ結論が出ていない。

 政策を変えても、明らかにどうにもならない問題もある。住宅価格の下落を止める手段がないことだ。今の価格は高すぎる。市場が持ちこたえられると考える水準まで下がらなければ、現在の危機は終わらない。

 景気後退を回避しようとするのも合理的ではない。住宅のように巨大な部門が大きく落ち込めば、ほかの部門も影響を受けるのは避けられないからだ。「住宅価格は100年に1度の急騰をした。今後100年に1度の暴落が待っている。対策を立てるのは非常に難しい」と、ハーバード大学の経済学者ケネス・S・ロゴフ氏は言う。

「ギャンブラー、嘘つき、いい加減な貸し手」

 世間では、“政府の救済策など必要ない”という声が大きい。借金が作り出した余剰資産はいずれ整理される。今、政府が介入しても、その時期を先送りするだけだというのだ。人気の住宅情報ブログ「Patrick.net(パトリック・ドット・ネット)」には、「提案されている救済策では、責任感のある人が損をする。ギャンブラーや嘘つき、いい加減な貸し手にカネをくれてやることになる」と書かれている。

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