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現代自、対米戦略の野望と現実

米国人トップを相次ぎ解任

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2008年3月25日(火)

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米国市場で急成長を遂げてきた韓国の現代・起亜自動車グループ。
ところが、その米国で、文化や戦略を巡る相違が大きな軋轢を生んでいる。
高級車部門への進出を目指す野望は実現するのか。

 カリフォルニア州アーバインにある韓国・起亜自動車の米国法人。2月4日の朝、凍えるような寒さの中で幹部約20人が玄関前に整列した。彼らが待っていたのは、韓国本社の安秉模(アンビョンモ)社長。到着したのは15分後のことだった。

 いくら寒くても、屋内に戻るのは不作法に当たる。お偉方を並んで出迎えるのは、起亜の親会社、韓国・現代自動車の慣例だからだ。アーバインで1週間過ごした安氏は、これまた恒例行事と化したことをした。米国法人のレン・ハント社長とマーケティング担当のイアン・ビービス副社長を解任したのだ。

 起亜の米国法人では過去3年間で4度目の経営陣刷新だ。現代の米国法人も5年で4人の首をすげ替えている。

 間の悪い解任も多い。ハント、ビービス両氏が解任されたのは、サンフランシスコで開かれるディーラー会合に向かうためにアーバインの空港にいた時だった。ハント氏の前任のピーター・バターフィールド氏は、ラスベガスでのディーラーとの夕食会の最中に解任を知らされたという。

生産台数ありきの過大な計画

 今、事実上1つの企業として経営されている現代・起亜は米国で重要な時期を迎えている。安い小型車ブランドとして米国に進出した両社だが、今では米ゼネラル・モーターズ(GM)の「キャデラック」や独BMWと競うような高級車も売ろうとしているからだ。

 また、両社は米国市場での急成長に大きく賭けている。例えば起亜が来年操業開始するジョージア工場は、米国販売台数が年間37万台になるという楽観的な想定を基に建設された。

 だが、販売は失速しつつある。2007年の起亜の米国販売台数は30万5000台で、目標の35万台に13%足りない。その積極的な成長計画を達成するには「北米市場の専門知識が必要だ」と、コンサルティング会社2953アナリティクスのジェームズ・ホール社長は言う。

 問題は、両社が米国人経営者を更迭し続けることである。残っている米国人幹部も親会社の現代の企業文化に息苦しさを感じている。複数の現役及び元幹部によれば、現代の鄭夢九(チョンモング)会長や安氏ら最高幹部は、大抵の米国人経営者よりずっと独裁的だ。

 よく批判されるのは、彼らが細部まで管理し、現地幹部の助言や異論に耳を貸さない点だ。2005年に現代からコンサルティング会社カーラブに転身した元販売担当役員のボブ・マーティン氏は、「王がいて、統治し、皆が王の機嫌を取る。実に封建的で軍国主義的な経営だ」と言う。

 鄭氏のトップダウン式の経営は一部の米国人に合わなかったかもしれないが、彼が米国で上げてきた実績は目覚ましい。鄭氏の号令の下、現代は2000年から昨年までに米国販売台数を2倍近い46万7000台に伸ばした。起亜もほぼ同様の成長を遂げている。

 昨年横領の罪で執行猶予つきの有罪判決を受けた鄭氏は、非常に統制の取れた企業経営で称賛されてきた。1990年代に現代で品質問題が持ち上がると、鄭氏はエンジニアに問題解決を命令。結果、2004年までに品質調査ランキングで大きく順位を上げた。

 米ビッグ3と違い、現代や起亜には決断を遅らせる経営階層がほとんどない。「米国の経営陣が居心地悪く感じるのは分かるが、現代は称賛に値する」とマサチューセッツ工科大学(MIT)のアリス・アムスデン教授は語る。

 現代と起亜は米国法人広報を通じて、近年退社した米国人幹部は公平に扱われたとコメントした。辞めた幹部の一部からは、その企業文化を褒める声も聞かれる。2006年1月に解任されるまで、現代米国法人のトップを2年間務めたロバート・コスマイ氏は、「野心的であることは悪いことではない」と話している。

“現代”流の強気の企業文化

 大胆さは現代のDNAの一部だ。創業者である故・鄭周永氏の戦略はシンプルなものだった。「まず工場を作り、後で販売を心配する」というものだ。

 1947年に小さな建設会社を始めた鄭氏は自動車や造船などに進出し、韓国屈指の財閥を築く。だが、90年代後半のアジア金融危機で財閥は解体された。昨年の現代・起亜の世界売上高は7%増の635億ドルだった。

 鄭一族が経営を引き継ぐ現代では、今も創業者の経営哲学が息づいている。現代も起亜も、生産能力を基に米国での販売目標を立てる。これが常に現地経営陣との摩擦を生む。

 複数の元幹部によれば、両社とも不健全なまでに強気の販売目標を設定するために、在庫が積み上がる。現代のアラバマ州モンゴメリー工場周辺には、全く注文が入らないセダン「ソナタ」が約3万2000台も並んでいる。

 韓国カトリック大学の自動車経済学教授キム・キチャン氏は、「のべつ幕なしに前進しようとする生産志向の経営はもう立ち行かない」と指摘する。

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