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米誌が報じる日銀人事問題

日本は世界にアピールできる絶好の機会を失った

2008年3月25日(火)

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Kenji Hall (BusinessWeek誌、東京支局テクノロジー担当記者)

米国時間2008年3月18日更新 「Bank of Japan: Who's at the Wheel?

 アジア各国で株価が急落し、円高ドル安が急速に進み、経営が行き詰まった米証券大手ベアー・スターンズ(BSC)の“たたき売り”が投資家を不安に陥れている(BusinessWeekチャンネルの記事を参照:2007年3月21日「米金融破綻、まずベアー・スターンズ)。金融危機は世界中に波及しつつあるが、日本銀行にとっては迅速に対応できる能力を世界に示す好機であるはずだ。

 3月16日の日曜日、米連邦準備理事会(FRB)は異例の金融緩和策を打ち出した(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年3月16日「More Bold Moves from the Fed」)。その直後の3月17日、日銀は短期金融市場への4000億円の資金供給を実施した。

 日銀に、信用収縮を防止する姿勢を鮮明に打ち出す意図があったのは間違いない。だが、こうした経済政策を保証する役目を担う福井俊彦日銀総裁は任期満了を3月19日に控えた“死に体”だ。後任人事は政府と野党の間でまだ決着がついていない。

 日本の政治家はこの機会に、世界2位の経済のかじ取り役にふさわしい知性と独立性を兼ね備えた人物を日銀総裁に選出すべきだとアナリストは主張する。有能な人物が後任に決まれば、市場の混乱に対する投資家の不安材料が1つ減ることにもなる。

新候補が拒絶される可能性も

 だがこのロジックは日本の政治家には通用しないようだ。3月18日、政府は田波耕治国際協力銀行総裁(68)の起用を提示した。その前の週、参議院で過半数を占める民主党をはじめとする野党が、武藤敏郎副総裁を昇格させる最初の人事案を否決した後の候補者としては、意外な人選だった。日銀を財務省幹部の天下り先とする慣行を断固阻止する構えの民主党は、元大蔵次官の田波氏の起用にまず同意しないだろう。

 新総裁が決まるまでは、副総裁就任が確定した元日銀理事の白川方明京都大学公共政策大学院教授(58)が総裁代行を務めると見られる。

 市場は日銀総裁が空席となる可能性に不安を抱いている(編集部注:24日時点でも総裁は空席、白川副総裁が20日に総裁代行に就任)。3月18日、日経平均株価は前日比1.5%上昇し、1万1964円16銭で引けた。前日までの3日間で8%以上下落し、2005年8月8日以来の安値をつけた後の割に反発力は弱かった。

 米経済の減速と今週記録した12年ぶりの円高ドル安水準で、トヨタ自動車(TM)、ソニー(SNE)、松下電器産業(MC)など日本の輸出企業の利益が圧迫されることを案じる投資家もいる。

日銀は打つ手がない?

 日銀総裁人事が可決されても、日本の金利が既に低いために新総裁は手の打ちようがないだろうと多くのエコノミストは言う。政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標はわずか0.5%。それを0.25%に引き下げたところで大きな変化は望めない。しかも利下げは、金利をほかの先進国に近い水準まで徐々に上げて“金利の正常化”を目指す日銀の方針に反する(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年10月31日「No Rate Rise In Japan」)。

 FRBが3月18日には、市中銀行同士が準備預金の貸し付けを受ける際の金利、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1%以上引き下げて2%以下にする見込みなのとは対照的だ(編集部注:18日に0.75%引き下げて2.25%に)。主要各国の中央銀行が市場崩壊を食い止めようと懸命に取り組んでいる中、日銀は傍観者に成り下がる恐れがある。「日銀は非常に消極的に見える」と、スイスのUBS証券(UBS)チーフエコノミストの大守隆氏は言う。

コメント4件コメント/レビュー

なぜ日銀総裁の選定が世界経済にインパクトがあると思うのか?前総裁は金利政策変更直前に手持ちのファンドを売却するという、究極のインサイダー取引をしてもそのままその職にとどまることが許された。そのような日本の中央銀行総裁にどれほどの価値を世界は見ているのか疑問に思う。(2008/03/26)

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なぜ日銀総裁の選定が世界経済にインパクトがあると思うのか?前総裁は金利政策変更直前に手持ちのファンドを売却するという、究極のインサイダー取引をしてもそのままその職にとどまることが許された。そのような日本の中央銀行総裁にどれほどの価値を世界は見ているのか疑問に思う。(2008/03/26)

民主党は与党を揺さぶることが目的で、日銀総裁について何らかの見識があるわけではないと思う。理由らしきものがあってもそれは後付の理由。拒否すること自体が目的。参院を握った小沢としては当然の戦略だろう。ただ、戦前、日本で軍部の政治的な台頭が起こったのは、不況の中で政争に明け暮れる政治家に民衆が嫌気を指したからという話がある。その政争がどんなものだったか知らないが、参議院の持つ強力な拒否権が関係して膠着した可能性があるのではないかと思ってしまう。次の日本の政治課題だがこの際「参議院の民営化」なんてどうだろう?貴族が拒否権を握る目的で設置した議会はもう必要ないだろう。(2008/03/26)

日銀の状態について適格に述べられている。しかし、日本の経営者の多くは景気や企業の見通しについてややもすると、厳しい。特に年初の言葉に必ず厳しい・・・と入れる傾向がある。これは組合対策である。自分の取り分を確保するための方策である。こんなうそに惑わされる経済学者ばかりである。人の心を読めないで経済がわかるか疑問である。その点、米国においてはグリンスパンさんのように何を言っているかわからない言葉を紐解く練習をしている。企業の採用を増やしている行動からすると日本経済はいいのである。言葉や古い指標にだまされるな。(2008/03/26)

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三品 和広 神戸大学教授