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チベット騒乱は氷山の一角

中国国内の東西格差が大きな問題に

2008年3月27日(木)

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Dexter Roberts (BusinessWeek誌中国支局長、アジアニュース担当エディター)

米国時間2008年3月17日更新 「China: It's Not Just Tibet

 中国は今年、8月の北京五輪開催国の名に恥じない安定団結ぶりを示すことを国家の最優先課題にしてきた。この課題には13億人の国民全員が一丸となって取り組むはずだった。漢民族が圧倒的多数を占め裕福な中国東部の沿岸省の住民だけでなく、広大な中国西部に数多く居住するチベット民族やイスラム教徒も含めてだ。

 その一致団結の夢は破れた。中国政府は先週、中国西端の新疆ウイグル自治区のイスラム教徒による北京五輪の妨害を目論む計画を阻止したと発表した。また、国内線航空機内でテロ行為を企てようとした19歳のウイグル人女性を拘束したことも明らかにした。

 そして、チベット自治区ラサで漢民族の支配に憤慨したチベット民族が抗議行動を起こし、治安部隊が鎮圧した。世界中から観光客の集まるラサには、制圧下の重苦しい空気が漂っている。「本当にひどい状況だ」と、39歳の漢民族のラサ住民は語る。「それ以上は言えない」。

 鎮圧される前、漢族やイスラム教徒である回族の住民を標的にしたチベット族による暴動や放火が相次いだ。事態収束後も武装兵士や警官隊が通りに並び、市全体に事実上、夜間外出禁止令が出されたままだ。ラサに残るある欧米人は、「弾丸が頭をかすめて飛んでいた」と語った。通りは武装部隊に占拠され、「今、外に出るのは物理的に不可能だ」と話す。

西部の所得は低いまま、東西間格差が広がる

 経済発展から取り残され、少数民族が人口の多数を占める中国西部にも、2000年には明るい展望が開けていた。中国政府が「西部大開発」と銘打った政策を打ち出した頃だ。

 中国政府は、政策や財政支援により経済低迷に歯止めをかけ、豊富な資源の開拓事業などで西部地域の経済にてこ入れすることを目指した。最終的な目標は、豊かな沿海部の省と貧しい内陸部の省・自治区との間で広がる所得格差を縮めることだった。

 さらに、一定の民族自治権限を認めている中国西部が潤えば、古くからある民族間の緊張の緩和にもつながっただろう(BusinessWeek.comの記事を参照:2006年12月20日「China Mobile Is Growing Rural」)。

 中国政府が努力してきたことは否定できない。過去5年間だけでも、西部12の行政区でインフラ整備や社会保障事業に400億ドル以上を費やしてきた。

 昨年、中国西部への固定資産投資は28%増え、3970億ドルに達した。中国全土の平均伸び率の25%を上回る勢いだ。3月5日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の政府活動報告で温家宝首相は「西部地域での大規模開発は引き続き進展している」と発表した。

 だが、経済統計の値はそんな楽観的な評価を裏づけるものではない。例えば、国内総生産(GDP)を中国西部全体で見ると、昨年は14.5%成長し、成長率は全国平均より数ポイント高いが、GDP総額はまだ6670億ドルで、中国全体のGDPの5分の1にも満たない。

 17.5%の成長を遂げたチベット自治区でもGDPは45億6000万ドルに過ぎず、中国全土で最下位だ。経済規模で下位10位の行政区のうち9つは西部地域にある。「西部大開発は効果的な政策を欠いた計画だ」と、陝西省社会科学院経済研究所(西安市)の張宝通所長は評している。

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