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欧州では海洋エネルギーが次の“波”

次世代の波力発電に、電力会社や投資家が熱い視線

2008年3月28日(金)

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Mark Scott (BusinessWeek誌、ロンドン支局記者)

米国時間2008年3月14日更新 「Ocean Power: Europe's Next Green Thing

 原油価格が毎日のように最高値を更新し、地球温暖化対策が重要性を増す中、代替エネルギー資源の開発はこれまでにないほど急務となっている。再生可能エネルギー事業ではこれまで風力と太陽光に投資が集中してきたが、次に脚光を浴びるのは海洋エネルギーと見られている。

 波力や潮力を利用する海洋エネルギー発電は技術開発が急速に進み、環境に優しい資源として十分実用可能なレベルに達している。温室効果ガスの削減や化石燃料への依存軽減といった世界規模の大きな目標の達成に役立つ可能性も出てきた。

 カナダのエメラ(EMA.TO)や独RWE(RWEG.DE)など欧米の電力会社は風力・潮力発電事業に多額の投資をしている。潤沢な資金のおかげで高効率の新技術が次々と開発され、多くの試作設備が今後5年以内に商業展開を開始する見込みだ。

 「波力発電、潮力発電のどちらにも大きな関心が寄せられている」と、英市場調査会社マーケットクラスターズ(本社:ロンドン)が提供する情報サービス「ストラテジーアイ」の低公害技術アナリスト、トーマス・ベックマン氏は解説する。「エネルギー供給会社が大いに注目している。エネルギー供給会社なら資金面・技術面の双方で新興の海洋エネルギー企業を支援できる」

ベンチャー投資家も海洋エネルギーに注目

 電力会社が海洋エネルギー利用に熱心なのは当然だ。英国政府の資金で設立された研究・諮問機関、カーボン・トラストによると、世界の海洋全体で年間4000テラワット時(テラは1兆)もの電力を発電できるという。これは英国の電力供給量の10倍に相当する。

 もちろん実現までの道のりは遠い。アナリストらの予測では、欧州は2020年までに2000~5000メガワット(メガは100万)の発電量を波力・潮力発電で賄うようになる。この発電量は石炭火力発電所4~10カ所分に当たる。

 新エネルギー産業の成長を見越した投資は既に始まっている。例えばアイルランドのオープンハイドロ・グループ(本社:ダブリン)は2005年以降にエネルギー供給会社やベンチャー投資家から8000万ドル以上の出資を受け、潮位差により発電する新型海底タービンを開発した。カナダのエメラも出資し、同社株の7%を保有している。

電力会社と手を組めば道は開ける?

 オープンハイドロは既に出力250キロワットの試作機をスコットランド沖の海中に設置している。また2009年までに1メガワットの発電所をカナダに建設する予定だ。同社のジェームズ・アイブズCEO(最高経営責任者)によれば、海洋エネルギー開発の最大の難関は、絶え間なく発電できることを投資家に理解してもらうことだという。「最悪の条件でも稼動する技術だということを立証しなければならない」

 その難関は、海洋エネルギー開発企業が電力会社と手を組めば乗り越えられるはず、とアナリストらは考えている。既存の電力会社は、送電用の海底ケーブルやガスのパイプライン敷設の経験が豊富だ。資金力を生かして、海洋発電技術の研究・開発から商業化までの期間を短縮することもできるだろう。

 「(電力会社との)提携には大きな意味がある。電力会社は資金援助によって、再生可能エネルギー開発に真剣に取り組んでいる姿勢を示せるからだ」と、カーボン・トラストの技術促進部長スティーブン・ワイアット氏は力説する。

 英ウェーブジェン(独フォイト・シーメンス・ハイドロの子会社)はまさにその資金援助を当てにしている。同社は2000年に世界で初めて商業波力発電所を建設した。従来の技術とは異なり、波力で気流を生み出し、海岸の発電施設内のタービンを回転させるというものだ。

コメント2件コメント/レビュー

この手の代替エネルギーの議論で、必ず置き去りにされがちなのが、電力の質。確かに量の辻褄合わせであれば、(理論)発電量は幾ら幾らなので、火力、ないし原子力発電所何基分とカウントことが出来るが、設置コスト差を抜きにしても実は既存の発電設備とは同列に論じることは出来ない。それは何故かというと、電力というものは、ほぼ例外なく交流で送電、配電され、その周波数、電圧というものが、契約した配電会社毎に厳格に定められている。既存の火力、原子力、そして水力では電圧は言わずもがな、この周波数変動がミニマムになるよう、電力の質に細心の注意を払っているのだ。一例を挙げればば、同一電力会社内の火力発電所のタービン発電機は常に本社の集中運転管理部門で同調するよう監視しているし、新規運転開始の場合も、既存の運転中の発電機と同調を取っている。ところが、翻って、この海水の潮汐差発電にしても、今流行りの風量にしても、発電機を回すのが、「気まぐれな」自然の力であるから、送電網内で一定量以下であれば、周波数変動も制御し得ようが、一定以上になってくると、交流での送配電という前提を見直さなければならなくなってくるかも知れない。要はクリーンなイメージ先行で、代替エネルギーが無条件に既存の完熟した発電体系に取って変わり、全ての環境問題の切り札になるなどという短絡的な思考に陥らないことが大事であると考える。代替エネルギー導入はあくまで補助手段であり、省エネルギーで電力全体の消費の伸びを押えることが先決なのだ。(2008/03/28)

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この手の代替エネルギーの議論で、必ず置き去りにされがちなのが、電力の質。確かに量の辻褄合わせであれば、(理論)発電量は幾ら幾らなので、火力、ないし原子力発電所何基分とカウントことが出来るが、設置コスト差を抜きにしても実は既存の発電設備とは同列に論じることは出来ない。それは何故かというと、電力というものは、ほぼ例外なく交流で送電、配電され、その周波数、電圧というものが、契約した配電会社毎に厳格に定められている。既存の火力、原子力、そして水力では電圧は言わずもがな、この周波数変動がミニマムになるよう、電力の質に細心の注意を払っているのだ。一例を挙げればば、同一電力会社内の火力発電所のタービン発電機は常に本社の集中運転管理部門で同調するよう監視しているし、新規運転開始の場合も、既存の運転中の発電機と同調を取っている。ところが、翻って、この海水の潮汐差発電にしても、今流行りの風量にしても、発電機を回すのが、「気まぐれな」自然の力であるから、送電網内で一定量以下であれば、周波数変動も制御し得ようが、一定以上になってくると、交流での送配電という前提を見直さなければならなくなってくるかも知れない。要はクリーンなイメージ先行で、代替エネルギーが無条件に既存の完熟した発電体系に取って変わり、全ての環境問題の切り札になるなどという短絡的な思考に陥らないことが大事であると考える。代替エネルギー導入はあくまで補助手段であり、省エネルギーで電力全体の消費の伸びを押えることが先決なのだ。(2008/03/28)

ついでに日本の現状も教えてほしかった。気になるのは 現在の日本の状況ではないでしょうか。(2008/03/28)

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