Peter Coy (BusinessWeek誌、経済担当エディター)
米国時間2008年3月24日更新 「A Sweeter Bear Bid May Sour the Fed」
米銀大手JPモルガン・チェース(JPM)が米証券大手ベアー・スターンズ(BSC)の買収提示額を1株当たり2ドルから10ドルに引き上げることを決めた。これにより、米連邦準備理事会(FRB)は微妙な立場に立たされている。
3月24日に発表されたこの買収提示額の引き上げで、ベアー株はある程度、実質的な価値を持つことになる。一方、FRBは不確実な資産を担保に低金利で融資することで、この買収を後押しする。
この提案見直しで、FRBが部分的な救済をなし崩し的に支援しているとの非難の声が上がるのは必至だ。
当初、ベアー株主は反対票を投じてJPモルガンによる買収を阻止する構えだった。そのため、JPモルガンは買収提示額を引き上げることでベアー株主の賛同を得ようとしている。なお、買収は株式交換によって行われる。
新しい買収提案は、FRBにやや有利な条件が1つ盛り込まれている。融資の担保となるベアーの資産価値が申請額より低い場合には、最初の10億ドルの損失をJPモルガンが負担しFRBは残りの290億ドルを引き受ける。当初案では300億ドル全額をFRBが負担することになっていた。
FRBが実際に損失を被る可能性はかなり低いだろう。ベアーの資産は控えめに見積もられているうえ、住宅危機が去れば価値は上がると見られる。FRBはベアー資産を10年またはそれ以上塩漬けし、価値が上がるのを待つこともできる。
提示額を引き上げてもベアー株主が買収に同意しない場合に備え、新しい提案にはアメだけでなくムチも盛り込まれた。JPモルガンはベアーが新規に発行する株式を引き受けるが、これによりJPモルガンの議決権比率が高まり、反対派を押し切ることが可能になる。発行される新株は発行済み株式数の39.5%に相当する。修正案を支持するベアーの経営側は、時価総額の40%以内であれば、株主の承認なしに新株を発行できる。
「当初案の支援に合意したFRBは立場がない」
貸し手からの追加担保請求に応じられなくなったベアーの破綻を回避するため、ニューヨーク連邦準備銀行は支援に乗り出したわけだが、その時は、ウォール街の金融機関のドミノ倒し的な倒産を防ぐために必要な措置とされた。
JPモルガンによるベアー買収を支援するため、FRBはニューヨーク連銀を通じて、ベアー資産300億ドルを保証した。300億ドルは理論的な評価額で、叩き売りされた場合に比べてはるかに高い。その代わりにベアーの買収額は1株当たり2ドルとし、株主は資産のほとんどを失うことになるはずだった。ベアー株価の最高値は2007年1月の約171ドルだ。
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