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中国「消費革命」最前線!(1)
上海のメイドカフェに行ってみた【前編】

バイトは名門女子大生「この服と日本のアイドルが好き」

  • 中村 正人

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2008年4月1日(火)

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(前回「レジャー超大国、中国(11)~中国人は、東京ならここに行きたがる!」から読む)

 オリンピック開幕が近づきながら、このところスポーツ以外の話題ばかりが先行し、「世界に歓迎されない五輪開催国」の様相を見せ始めている中国。ところが、当の本人たちはメゲるどころか口をそろえて「そんな問題、たいしたことじゃない」。やる気満々である。

 統治者の思惑はともかく、この国で暮らす人々の日常では何が起こっているのか。大見得を切ってひとことで言うと、それは「消費革命」である。

 誰もが「消費」する“自由”を手にしたことで堰を切って落とされた熱狂と奔走。政治的な制約が常に大きすぎるこの国では、社会が変わる可能性をひたすら旺盛な「消費」のエネルギーに賭けているかのように見える。

 では、どう変えたいのか。そんなことが可能なのか。それは誰もはっきり語らない。人々が「消費」に夢中になるのにまかせること。それは老獪な統治術でもある。しかし、それだけですむのか。

 当連載ではこうした視点をふまえ、新しい中国的「消費」の光景を再び追いかけてみたい。その主人公となるのがこの国の若者たちだ。

 彼らは昔の中国人を知る者の目からすると、突然変異の新人類である。そのぶん、かえってぼくらにはわかりやすくもあるのだが、そこは中国人。意表も突かれ目が離せない。たとえばこんな話題が――。

***

 2007年9月、上海を訪ねたとき、ある噂を耳にした。メイドカフェが上海にできたらしい。

 あやしさ満点。当連載の立ち寄り先としても格好のスポットである。急遽、取材スケジュールに組み入れたのだった。

 いまや日本のユースカルチャーの顔として、外国人向け東京観光マップの表紙にも使われるメイドカフェである。店員がメイドのコスプレをして接客してくれる喫茶店の発祥については諸説あるようだが、一般的には2001年に東京・秋葉原で生まれたとされている。

国営ホテルにメイドカフェ?

 その上海版が2007年7月下旬にできたというのだ。いったいどんなところなのか。ルーズソックスが流行った頃、バンコクやマニラの日本人クラブの女の子が同様の真っ白な靴下を履いていっせいに夜の街に並んでいたのを見たことがある。あれには苦笑させられた。この手の流行は夜の世界に波及しがち。上海のメイドカフェもそういうことなのか?

来店歓迎の手書きのボード。日中2か国語に加えて英語も併記されていた

来店歓迎の手書きのボード。日中2か国語に加えて英語も併記されていた

 このメイドカフェ訪問は、上海は初めてという日本人の友人男性が同行してくれた。店の場所は上海市中心部にある新錦江大酒店の6階。かつて故田中角栄首相も泊まったという由緒ある国営ホテル・錦江飯店の新館だ。その時点で「おやっ」という気もした(党幹部が経営する国営ホテルにメイドカフェ?)。友人と訝しがりながら、エレベーターホール脇の狭い通路を抜けると、なにやら日本語と中国語が併記された貼り紙が目に入った。

 「秋葉系珈琲店@ニャオハイ」と書かれている。

 店内に一歩足を踏み入れると、長いソファがいくつも並ぶラウンジがあった。黒いメイド服を着た女の子4人がソファに座ってヒマそうに談笑していた。ここが本当にそうなのか? 半信半疑のぼくたちにひとりの女の子が気づくと、慌てて立ち上がり、入口の前に全員並んで日本語で声を合わせてこう言った。「お帰りなさい、ご主人様」。

4人のメイド娘に「お帰りなさいませ」のごあいさつを再現してもらった図。プロが撮影した写真をその場で見せられた彼女らは感激して、日本語を忘れ、「アイヤ」と小さな声をあげた(同行した日本の友人は「こういうとき中国人ってホントに『アイヤ』って言うんだ」と妙に感心していた)

4人のメイド娘に「お帰りなさいませ」のごあいさつを再現してもらった図。プロが撮影した写真をその場で見せられた彼女らは感激して、日本語を忘れ、「アイヤ」と小さな声をあげた(同行した日本の友人は「こういうとき中国人ってホントに『アイヤ』って言うんだ」と妙に感心していた)

 思わず吹き出しそうになった。彼女らのいかにも場慣れしていない、たどたどしい様子がおかしかったのだ。一瞬、妙な間が開いて、その場に立ち尽くすぼくたちの戸惑う様子を察したひとりの店員が「こちらへどうぞ」とソファまで案内してくれた。

 さて。ソファに深々と腰かけ、間が持たないのでしばらく天井を見上げたりしていたが、この店内の薄暗さはどうしたものか。まるで上海によくある日本人向けクラブじゃないか。

 数年前に一度、冷やかしで秋葉原のメイドカフェに行ったことがある。高校の学園祭の教室みたいな妙な明るさとメイド店員のそつのない身のこなし、交わされるお約束どおりのこなれた会話に、くすぐったいものを感じた。

 だが、上海では勝手が違う。すべてがぎこちない。そのぶん、何が始まるのだろうかとドギマギする。

コメント3

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