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FRB、バーナンキ議長の革命

劇的な決断で金融市場の崩壊を阻む

2008年3月31日(月)

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Michael Mandel (BusinessWeek誌、主席エコノミスト)
Peter Coy (BusinessWeek誌、経済担当エディター)

米国時間2008年3月20日更新 「The Fed's Revolution

 改革者になる気はなかった――。大恐慌以来最大となりそうな金融危機に直面する米連邦準備理事会(FRB)のベン・バーナンキ議長の本心だ。寡黙な元大学教授のバーナンキ氏は、FRB議長の影響力を低下させたいと考えていた。それが今や、先頭に立ってFRBの役割を大幅に強化している。その過程で、次の好景気あるいはバブルの種を撒いている。

 当面、バーナンキ議長が采配を振るうのは金融市場の崩壊を阻止する戦いである。3月16日に発表された策が、これまでのところFRBの最大の作戦行動だ。まず、経営難の米証券大手ベアー・スターンズ(BSC)を米銀大手JPモルガン・チェース(JPM)に格安で売却する話をまとめた。そして従来はFRBからの直接融資の道が閉ざされていたウォール街の主要証券会社に門戸の開放を知らしめた。

積極的な介入を通じて、金融システムに莫大な資金を注入

 これら2つの行動から、今まで以上に金融市場に直接介入するFRBの姿勢が読み取れる。万難を排して金融恐慌を阻止するというバーナンキ議長の明確な意思も伝わってくる。

 英調査会社キャピタル・エコノミクス(本社:ロンドン)の主任国際エコノミスト、ジュリアン・ジェソップ氏は、FRBの取り組みが成功すると予測する。「最終的にFRBは大きな支えとなり得る。急激な下降局面は回避できなくとも、負債デフレの悪循環を食い止められるはずだ」。

 バーナンキ議長は積極的な介入を通じて、金融システムに莫大な資金を注入している。確かに、その効果を今すぐ十分に実感することはないだろう。銀行は貸し付けを渋り、消費者も借金を怖がっているからだ。個人消費は低迷し続ける危険性が高く、今後失業者が増え、景気後退は深刻化するだろう。

 だが、FRBの刺激策はいずれ効果をもたらす。経済は力強く成長し、資産価格も上昇する。その一方でインフレも過熱する可能性がある。ドルの価値の低下を招き、世界の基軸通貨が投げ売りされるリスクが高まるのだ。

 国内的な危機がすぐに世界的に飛び火する危険があるとなると、国際協調がいかに重要かが浮き彫りになってくる。1980年代初期の高インフレを沈静化させたポール・A・ボルカー元FRB議長は、3月19日のBusinessWeek誌の取材でこう語った。「世界経済が統合化へと向かい、貿易と資本移動が自由になれば、その当然の副産物として“グローバル通貨”が誕生するだろう」。

 米国を景気後退から救い出す牽引役となるのは、個人消費ではなく企業投資である可能性が高い。健全なバランスシートと世界中に販路を持つ大手グローバル企業にとってはプラス要因だ。既に潤沢な手元資金を抱えているグローバル企業のさらなる発展に、投資家は熱心に手を貸してくれるだろう。

 しかし、FRBの取り組みが有益な好景気に結びつくのか、無益なバブルとなって終わるのかはまだ分からない。

 1990年代の好景気はFRBが加速させたものだ。最先端技術への投資が活発化し、生産性の向上と成長に結びつくなど、米経済に大きな利益をもたらした。逆に2000年代の好景気はマイナス面が多い。主に住宅着工件数が大きく伸び、住宅価格の上昇につながったが、長期的な成長には結びつかなかった。きわめて高学歴な一部の層を除き、多くの労働者は実質賃金が低下した。

グリーンスパン前FRB議長がお手本

 誰もがバーナンキ議長の手法に賛意を唱えているわけではない。「FRBが行っているのは世界をドルで汚染することだ。インフレとそれに続く資産バブルの種を撒いている」と、独アリアンツ・グループ(AZ)傘下の仏取引信用保険ユーラーヘルメスで米国担当主任エコノミストを務めるダン・ノース氏は批判する。

 ある意味、バーナンキ議長はアラン・グリーンスパン前FRB議長の路線を踏襲している。前議長はFRBがバブルを事前に破裂させようとするのはやめるべきだと論じた。むしろ、好景気が終わった際の衝撃を和らげるのがFRBの果たすべき役割だというのだ。

 「絶頂期にバブルを抑えつけるのは非常に困難だ。投機熱が自然に冷めるまでバブルが崩壊することはない」。前議長は英フィナンシャル・タイムズ紙の3月17日付の記事の取材でこんな意見を述べた。

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