新銀行東京のずさんな実態が明らかになってきました。それにもかかわらず、東京都は新たに400億円の追加出資を決めました。
都民や国民の負担をこれ以上拡大することなく、即刻、業務を停止し、清算すべきです。
戦後これほどまで失敗した銀行はない
それにしても、新銀行東京の経営実態はお粗末そのものです。2003年に石原慎太郎都知事が「東京発金融改革」を高らかに宣言し、2005年4月に開業しました。
会社設立(2004年4月)からわずか4年間の累積損失は、公表されているだけで、なんと1260億円にも上ります。収益を稼ぐはずの貸出金は、昨年9月中間期の決算短信によればわずか2218億円しかありません。つまり、貸し出しの半分に相当する金額が累積損失になっています。異常としか言いようがありません。
一方で、市場平均の3倍もの高金利で集めた預金が4284億円、負債全体では6104億円に上ります。そして、純資産は219億円しかありません。負債のわずか3.6%です。純資産が底を突きそうだから、追加出資が必要というわけです。
戦後、新しい銀行が、これほどまでに失敗した例はありません。
無担保・無保証ビジネスはコストがかかる
新銀行東京のビジネスモデルそのものが成り立たないと思われます。貸し付けて収入を稼ぐ中心は、中小企業への無担保・無保証の融資です。最もリスクの高いタイプの融資です。
ところが、その多くは実質審査なしで書面だけで貸し付けが行われたことが明らかになってきました。また、規模に対してシステム投資や営業経費も過大なために構造的に損失が出ています。
無担保・無保証の事業者への貸し付けというビジネスは、これまで、ノンバンクや消費者金融が担ってきました。民間の業界は、信用審査や回収に様々な努力を払ってきました。もちろん、その中には違法性の高いものや社会的に問題のあるものもあり、批判を受けてきました。
しかし、厳然たる事実は、無担保・無保証というハイリスクのビジネスは審査と回収が最も難しく、コストのかかる融資であるということです。
小さな企業の経営者が利用者の中に多いとされる消費者ローンの業界は、最高裁の判決以来、上限金利の引き下げと過去の過払い分の返還によって、大きな損失を計上し、撤退する企業が続出しました。
借り入れが困難な借り手の中には、ヤミ金融に走る人も多いと推察されます。貸し手にも借り手にも厳しいビジネスです。
しかし、新銀行東京のように、ほとんどまともに審査も回収努力もせずにお金を貸せば、その多くが返ってこないのです。
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