「暴利業界ランキング」とは耳慣れない言葉だが、中国では2002年から毎年「暴利業界ランキングトップ10」が発表されている。暴利業界であると名指しされて不名誉なトップ10入りしたからといって、何かが起こる訳ではない。しかし、ランキングの発表は毎年の恒例行事となっており、ランキングは新聞、雑誌、インターネットに転載されて大きな話題として取り上げられる。ランキングの順位を見た庶民はそれで憂さが晴れるということではないのだが、自分の体験を基に“やっぱり”と納得するという仕組みである。
2002年に最初のランキングが掲載されたのは広州市政治協商会議が創刊した雑誌「共鳴」であり、著名な経済評論家の魏雅華が独自の分析によって暴利をむさぼっている業界を順位付けしたものであった。当時この記事は画期的なものとして評判を呼び、トップ10入りした業界が暴利をむさぼっているか否かで大いに議論が盛り上がったという。その後も魏雅華は「共鳴」誌上で毎年ランキングを発表していたが、中国語インターネットで検索した限りでは2006年までで、2007年のランキングが魏雅華によるものかどうかは定かではない。
2008年3月14日、上海の新聞「東方早報」は「2008年暴利業界ランキングトップ10」を発表した。これは従来の魏雅華による「共鳴」版ランキングとは異なり、中国の大手ポータルサイト「捜狐(SOHU)」の“コミュニティ”の協力を得て、インターネットユーザー4000人に予め選定した26の業界から“暴利をむさぼっている”と思われる業界を選んでもらった結果を集計して発表したものであった。従い、選定基準は従来のものと異なるが、発表されたランキングの結果は従来の内容とさほどの差異はなかった。
「東方早報」が発表した「2008年暴利業界ランキングトップ10」は、1位:不動産、2位:メガネ、3位:葬儀、4位:通信、5位:薬品、6位:高速道路、7位:化粧品、8位:教育、9位:結婚写真、10位:ネットゲームの各業界となっている。これを過去のランキングと比べるとどうなのか。下表は筆者がまとめた2005〜2008年のトップ10の推移である。

トップ10の常連としてランキングに名を連ねるのは、不動産、葬儀、医療・薬品、教育、高速道路、美容(美容整形、化粧品)、ネットゲームといった業界であり、これらから見えてくるのは、都市部に住む平均的なホワイトカラーの生活振りであり、彼らが直面している諸問題である。中国の経済的躍進にともなって所得が増大し、多少なりとも生活にゆとりが生まれたことで、今まで我慢していた欲求を満たそうとする。そこに待ち構えているのが暴利業界である。例えて言うと、美容には今まで注意を払わなかったが、美しくなろうとすると美容整形やら高級化粧品やらで消費は膨らむばかり、大儲けでウハウハなのは美容業界という図式である。
さて、「東方早報」が発表した「2008年暴利業界ランキングトップ10」の記事に沿ってトップ10業界の実態を概観してみることにしよう。
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