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侮れない湾岸産油国の民間成長力

  • 田中 保春

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2008年4月8日(火)

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 湾岸産油国と言えば、原油。そう連想される読者がほとんどだと思う。確かに、これまで湾岸産油国の経済成長の原動力は石油やガス収入だった。しかし実は、今後は民間セクターが成長の原動力になると期待されている。世界経済の持続的な成長にとっても、中東の企業部門の成長は大きな要素になってきている。

経済成長を支える民間セクター

 例えば、サウジアラビアの2007年のGDP(国内総生産)成長率(名目:7.1%、実質:3.5%)は、前年より鈍化したが、今年からは民間部門が経済成長の原動力となる公算が大きい。サウジアラビアを代表するジャドワ・インベストメントのエコノミスト、ブラッド・ブールランド氏は、今年1月の経済リポート「Feature: Saudi Arabia's economic outlook for 2008」の中で、サウジアラビアの製造業、運輸、建設など非石油部門は、1980年初頭以来の最高の実質成長率(7.6%)を達成するだろう、と大胆に予測している。

 筆者は職業柄、サウジアラビアの民間企業経営者と面談する機会が多いが、確かに彼らの景況感は強気で、持続的成長を確信している場合が多い。湾岸産油国をはじめとする中東域内の経済成長は依然好調で、今後は中国をはじめとするアジア諸国への輸出拡大を期待する声が大きい。
 また豊富な資金を、経済発展が見込まれるインド、トルコ、ベトナムなど新興国に投資をしていきたいという声も多く聞かれる。今や湾岸産油国の企業経営者は、自国や他の湾岸産油国のみならず、北アフリカ諸国、中央アジアからアジア諸国といったグローバルな市場でのビジネス拡大に、熱い視線を向けているのだ。 

実は強い消費・通信・建設分野

 サウジアラビアの民間企業というとSABIC(サウジ基礎産業公社)など石油化学企業を思い浮かべがちだが、民間セクターを引っ張っているのは石油化学やその関連分野だけではなく、消費、通信、建設分野なども大きな原動力になっている。
 ジャドワ・インベストメントによると、2006年度のサウジアラビアの卸売り・小売り分野の市場規模は181億ドル、GDPの5.2%に相当する。また、10年間の平均成長率は6.1%と推測している。そのため、サウジ株式市場には優れた経営戦略で成長を続けている消費関連企業があるので、紹介したい。

 例えば、牧場での搾乳から乳製品の製造・販売までのCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)を確立し、圧倒的な市場占有率を誇るアル・マライ(上場企業)や、アル・サフィ(非上場)が該当する。両社に共通するのは、経営戦略が非常に欧米的で、かつ圧倒的な自社ブランドを市場で確立していることだ。
 中東の消費者市場では昔から欧米ブランドが人気があるが、こうした企業は自社ブランドの構築を経営戦略の重点項目の1つにしている。消費者重視の経営方針を取り、信頼性も絶大だ。

「世界鑑測 田中保春の「サウジ・新潮流」」のバックナンバー

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