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白川日銀総裁への重大な疑問

国益を担う職の選考に欠けた本質的な議論

  • 山崎 養世

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2008年4月16日(水)

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 戦後初めて日銀総裁が空席になるという異常事態の果てに、日銀出身の白川方明氏が総裁に就任しました。

 言うまでもなく、日銀総裁は日本経済の運命を左右する重大なポジションです。時にその影響は総理大臣を上回ります。ですから、日銀総裁の選考に当たっては、何よりも金融政策の運営の実績と、実際の経済環境の変化にどのように対応するのか、見識と実行力を多角的に検討すべきです。

 とくに、米国発のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題で世界の金融システムが大揺れになる中、日本がどのように対処すべきか、日銀総裁候補に見解を聞いて判断すべきでした。

出身母体と政治力学で生まれた総裁

 かつて、経済が国内の銀行を中心に回っていた頃は、中央銀行の仕事は今よりずっとシンプルでした。銀行の預金金利は規制され、企業にも銀行以外の資金調達手段は乏しかったので、金利などの操作をすれば金融政策が経済に浸透しました。米国で言えば1960年代、日本で言えば70年代までがそんな古い時代でした。

 しかし、経済が市場化し、そして、グローバル化したことで、先進国の中央銀行総裁の役割は大きく変わりました。それまでの預金者が世界の様々な資産への投資家に変身し、企業は証券市場や資産市場、国際市場での資金調達を行い、不動産や石油までもが証券取引の色彩を強めると、金融政策の運営ははるかに複雑になったのです。

 中央銀行の金融政策と世界のさまざまな市場が共鳴し合って世界経済を変動させていくことは、今回の米国発のサブプライムローン問題を見ても明らかです。市場が破裂して米国が金利を急低下させ、日本が金融緩和を行わないでいると為替市場が円高に大きく振れ、日本経済が不況色を見せているのも、市場と金融政策の相互作用の一例です。

 そして、様々なバブルを生むのも、それを崩壊させるのも、最大の要因が金利水準と経済でのマネーの供給量にありますから、バブルを抑制するのも破裂したバブルの影響を最小限にとどめるのも、少なくとも米国では、中央銀行の守備範囲になってきました。

 中央銀行の総裁には、市場との対話能力と国際性、民間とのネットワークなどの新しい能力が求められる理由です。おいそれとはそんな人材は見つかりませんから、米国でさえ、グリーンスパンFRB(米連邦準備理事会)議長が19年間も務めました。とても、順送りで決めるようなポストではありません。

 日本でも、銀行中心の閉鎖された国内の金融政策だけを考えればいい時代は終わり、内外の変化に迅速に対応し、世界経済の中で日本の国益を確保できることが、日銀総裁として必須になったのです。

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