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中東マネーがアジアに流入

政府系ファンドの投資先として欧米よりも魅力的だが対中投資は…

2008年4月30日(水)

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Bruce Einhorn (BusinesWeek誌アジア地域担当エディター、香港)
米国時間2008年4月16日更新 「Middle East Money Starts Flowing to Asia

 英スタンダードチャータード銀行(SCB)シンガポール支店の企業融資及びプライベートバンキング部門の責任者V・シャンカール氏は、最近、勤務時間の大半を中東関連の業務に充てている。だが3年前、同行には中東関連のM&A(企業の合併・買収)業務の担当者が1人もいなかったという。

 今や50人の担当者が中東地域での案件を求めて飛び回っている。しかもシャンカール氏の予想では、さらに忙しくなるという。原油や天然ガス資源を豊富に持つ中東諸国の投資家が、今後、台頭著しいアジアの巨大経済に目を向けるからだ。「これはまだ序の口です。中東地域との取引はどんどん増えるでしょう」。

 既に取引は動き始めている。例えば4月8日にはスタンダードチャータード銀行の助言により、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイの財閥、アルフタイムがシンガポールの小売り大手ロビンソンを買収し、株式の95%を4億3600万ドルで取得することに合意した。

 さらにスタンダードチャータード銀行は昨年、サウジアラビアの国営通信会社サウジテレコムがマレーシアとインドネシアの電話会社に30億ドル投資した際に顧問も務めた。そして現在は、UAEのイスティスマールと組んで、中国、インド、東南アジアの不動産に投資する10億ドル規模のファンドの設立を進めている。イスティスマールはドバイ政府の持ち株会社、ドバイ・ワールド傘下のファンドで、プライベートエクイティ(非公開株)投資を専門とする。

 さらに4月14日にも中東とアジアの共同投資のニュースが届いた。ドバイ政府系投資会社ドバイ・インターナショナル・キャピタルが、香港の投資会社ファースト・イースタン・インベストメント・グループとの連携を発表。対中投資を中心業務とする10億ドルのファンドを設立するという。中国企業に出資し、ドバイ市場での上場を目指す。

欧米に対して、中東の投資家の反発

 これまで中東の投資家は西側の欧州や米国に目を向け、東側の中国やインドには注目してこなかった。だがそうした状況は変わりつつあると、ドバイのムハンマド・ビンラーシド・アルマクトゥーム財団の特別プロジェクトを率いるアシュラフ・ゼイトゥーン氏は語る。ゼイトゥーン氏もシャンカール氏同様、4月15日と16日にドバイで開催されたBusinessWeek主催の会議に中東・アジアから出席した数百人の財界人の1人だ。

 ゼイトゥーン氏によれば、「中東全域で中国への関心がきわめて高くなっている」という。同財団は中東諸国のMBA(経営学修士)課程の学生を中国の大学に送る交換留学制度を計画している。「中東地域とアジアの連携による相乗効果は非常に大きい」。

 UAEのドバイ政治大学院のナビル・アリ・アルユースフ事務局長は、中東諸国からの投資に否定的な欧米に対する反発も、アジアへの注目が高まる理由の1つだと指摘する。「中東の投資家の欧米への投資には困難がつきまとうし、テロ組織とのつながりも疑われる」。

 今のところ、中東から中国やインドに対する投資はそれほど多くない。中国に対する海外からの直接投資700億ドルの大半は近隣のアジア諸国か欧米諸国からのものだ。インドは昨年、海外から250億ドルの直接投資を受けたが、そのうち中東からの投資は50億ドルに満たなかったと、米メリーランド大学ロバート・H・スミス経営大学院のアニル・グプタ教授は分析している。

 しかし、原油価格が「1バレル=100ドル」を超えた今、投資額は急増するとグプタ教授は予測する。米マッキンゼー・アンド・カンパニーの試算によると、中東諸国が保有する投資資金は2020年には9兆ドルに膨らむという。同教授は、「中東域内だけではそのような投資資金の受け皿には到底なり得ない。恐らく相当な額がインドへの投資に回るだろう」と語る。

資金に余裕がある中国

 インド政府は今後5年間で、立ち遅れた社会資本の整備に5000億ドルを投じる意向で、中東からの投資を必要としている。これに対し、既に海外投資のための自前の政府系ファンド(SWF)を持つ中国は、潤沢な資金を保有しており、インドに比べて中東資金に対する需要は小さい。

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