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アップル、法人市場への本格参入はあるか?

iPodとiPhone人気に乗じて、Macintoshが職場に浸透中

2008年5月12日(月)

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Peter Burrows(BusinessWeek誌シニアライター、シリコンバレー)
2008年5月12日発行号カバーストーリー 「The Mac in the Gray Flannel Suit

 今年2月、米ネットワーク機器メーカー、ジュニパーネットワークス(JNPR、本社:カリフォルニア州サニーベール)のミッシェル・ゴインズ氏はCIO(最高情報責任者)に就任すると、さっそく英断を下した。一部の社員のパソコンに、米アップル(AAPL、本社:カリフォルニア州クパチーノ)の「Macintosh(Mac)」を試験採用したのだ。

 同社では通常、米マイクロソフト(MSFT)のオペレーティングシステム「Windows」が動くパソコンを使用する。だが、社員6100人の中には、家庭でMacを長年愛用している者も少なくない。そんな社員たちから、会社でもMacを使いたいとの声が高まっていた。そこでゴインズ氏は、600人の社員を対象にMacを導入してみることにした。サポート費用がかさまないようなら、Macを正式に解禁する予定だ。「仮に現時点で解禁したら、社員の4人に1人はMacに乗り換えると思う」と同氏は話している。

 面白いのは、ゴインズ氏がアップルからの売り込みを一切受けていない点だ。コンピューターメーカー各社は、法人市場に何とか食い込もうと悪戦苦闘を続けている。しかしアップルは、この巨大市場には見向きもしない。1980~90年代の攻勢が軒並み不発に終わった同社。スティーブ・ジョブズ氏が1997年にCEO(最高経営責任者)に復帰してからは、一般消費者と学生向け市場に専念してきた。このため同社には、法人向けの営業部隊もなければ、ハードディスク障害の一報に駆けつけるサポート部隊もない。現在の体制や戦略はすべて、同社の持ち味を生かすこと、つまり世界中の一般消費者向けに斬新で洗練された製品を作り上げることに重点を絞り込んでいる。

Mac導入に対する抵抗感が薄れてきた

 実際、その方針は功を奏している。同社の1~3月期決算によると、Mac販売台数は予想を上回り、前年同期比51%増となった。パソコン業界全体の伸び率の3倍以上だ。携帯音楽プレーヤー「iPod」や携帯電話「iPhone」を含めた同社の昨年度の総売上高は240億ドル。2002年度の52億ドルから大きく躍進した。株価はこの5年間で2300%増。同社の時価総額1540億ドルは、米ヒューレット・パッカード(HPQ)、米デル(DELL)、米インテル(INTC)などのハイテク大手を上回る。

 消費者がMacを見る目も変わってきた。かつては学生やアーティストたちの憧れの的だったMacだが、今や多くの人が最初の選択肢として選ぶようになった。Macの人気上昇を受けて、同社は4~6月期の予想売上高を72億ドルとした。景気減速にもかかわらず、33%増との予想だ。

 表立って取り沙汰されることは少ないが、Mac熱は法人市場にも広まりつつある。これは言わば“民衆主導”の変革だ。会社でもMacを使いたいという社員の声の高まりがきっかけで導入が進む。米市場調査会社ヤンキーグループが各種企業250社を対象に実施した未発表の調査によると、アップル製コンピューターを職場で利用している企業は87%。2年前の48%に比べて大きく伸びている。

 米ターナー・ブロードキャスティング・システム(TWX)のCIO、スコット・テイスラー氏は言う。「これまでも、グラフィックデザイナーや広告宣伝担当者などの中に一定数のMacユーザーがいた。Macの利用がさらに増えることについて、各社のCIOたちは、これまでほど抵抗を感じずにすんなり受け入れるのではないだろうか」。

 熱狂的なMac信者が長年アップルを盛んに持ち上げてきたことは言うまでもない。しかし、今やそうした声が一般ユーザーからも聞かれる。iPod購入がきっかけで、やがて自宅用マシンとしてMacを買い、しまいには“昼間はWindows、夜はMac”という生活に耐えられなくなったユーザーだ。

 ジュニパーのCEOのスコット・クレンズ氏も、アップル製ノートパソコン「MacBook」を使い始めた1人だ。同氏はこう話す。「Macはいいぞと皆から勧められた。マイクロソフトに対する反感ではない。Macはカッコいいの一言だ」。

 米IBM(IBM)や米シスコシステムズ(CSCO)でも、職場でのMac利用について同様の試みを進めている。米グーグル(GOOG)では何年も前から、使いたい機種を社員が選ぶことができる。

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