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原油価格が“一寸先は闇”なのはなぜ?

情報不足に翻弄される原油市場

2008年5月22日(木)

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Peter Coy (BusinessWeek誌、経済担当エディター)
米国時間2008年5月13日更新 「Oil's Murky Math

 原油価格は1バレル=125ドル前後と、2006年末時点の価格の倍以上に高騰している。しかし、原油市場の動向を追っているにもかかわらず、政府の予測担当者、株式アナリスト、エコノミスト、トレーダー、ジャーナリストといった専門家の大半がこの事態を予見できなかったのはなぜだろうか。現在でも原油市場の強気筋と弱気筋の見方はかけ離れており、先行きだけでなく現況についてさえ意見がまちまちなのはなぜなのか。

 その答えは単純だ。原油の需給要因を十分に把握しなければ、短中期的に原油価格動向を予測することすら不可能なのに、把握に必要とされる詳細で信頼できるデータが存在しないのだ。

 残念ながら、国際的原油市場の“透明度”は、南米ベネズエラのオリノコ川流域から産出される超重質油(オリノコタール)と同程度でしかない。この傾向に拍車をかけているのは、石油消費の伸びだけでなく、情報開示の不徹底という点でも世界のトップクラスにある中国だ。

正反対の予想を展開する強気筋と弱気筋

 有用な世界的データの不足――これが原油価格の方向性が見えない主因である。今後3~4年間で相場が200ドルにまで暴騰するのか、80ドルにまで暴落するのかは、誰にも分からないのだ。正確性に欠ける統計データでも、それ以外に頼る情報がないと、必然的に市場に大きな影響力を持つ。

 5月13日の原油相場が好例だ。3月の先進国の蒸留油(ディーゼル油や暖房油等)の在庫が前年比で6.7%減少した模様という国際エネルギー機関(IEA)の発表に市場が反応。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油価格は125.80ドルと終値ベースで史上最高値を更新した。

 「在庫が現実に縮小しているのなら、それは生産が消費に追いついていない証拠。だから原油は“買い”」。これが強気筋の典型的な見方だ。その1人、エネルギー分野を専門とする米投資銀行シモンズ・アンド・カンパニー・インターナショナル(本社:テキサス州ヒューストン)のマット・シモンズCEO兼会長は、「手元のデータは不確実だが、相場の見通しはある意味で末恐ろしい」と言う。同氏は今後半年~4年の原油価格を200~500ドルと予測する。

 その一方で、石油在庫は少なくとも適切な水準にあると主張する専門家もいる。米リーマン・ブラザーズ(LEH)のアナリスト、エドワード・モース氏は、原油市場が「データ欠乏症」にかかっているという点で、シモンズ氏と同意見だ。しかし、原油価格のオーバーシュート(行き過ぎ)は「根本的に誤った見方」が原因で、翌年には現行価格の3分の1安の83ドルまで下がる可能性があると5月9日付リポートで述べている。

問題なのは“透明感”の欠如

 基礎データの不足は、各国政府の情報操作やお粗末な処理能力に起因している。

 経済協力開発機構(OECD)に加盟する富裕国の石油統計は、米国のような情報の豊富な国のデータでも説明のつかない食い違いが見られるが、おおむね満足できるレベルにある。だが、石油の生産・消費の両面で量がほぼ変わらない状態のこうした富裕国の統計データの重要度は低下する一方だ。

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