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「ブッシュは任期が終わる前にイランを攻撃する」~無視できないワシントンの噂

2008年5月29日(木)

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 「今ワシントンで流れている噂は、ブッシュ大統領が政権の任期が終わる前にイランを軍事的に叩くのではないか、ということです」

 全国イラン系米国人評議会の会長で米・イラン・イスラエル関係に関する優れた研究者でもあるトリタ・パーシー氏は深刻そうな表情でこう語った。ワシントンの大手ロビイング会社や法律事務所が並ぶKストリートにあるオフィスで、パーシー氏はひっきりなしに入ってくるEメールを横目で気にしつつ、現在の米・イラン関係に関する分析を披露してくれた。

 「現在の米・イラン関係が緊張してしまう根本的な原因は、タリバン政権とフセイン政権の崩壊によって失われてしまった中東地域の地政戦略上のバランスを、米国とイランがどちらにどれだけ有利な形で築き直すかという競争をしていることにあります。ですから核開発やイラクの治安問題という個別の問題で対立しているだけでなく、結局のところ、どちらがこの地域をコントロールするのかという根本的な問題を決着させない限り、両国の対立が収まることはないでしょう」

 パーシー氏は、ブッシュ政権とアフマディネジャド政権の双方ともに、交渉によって勢力バランスの調整を行うことを避け、力によって相手をねじ伏せようという強硬姿勢を取っていることから、このままいけば両国が衝突してしまうのは避けられないと懸念する。

 「それは噂などではなくて、この政権の計画だろう」とあきらめ顔で述べたのは、クリントン政権時代に中東地域を管轄する米中央軍の司令官を務めたアンソニー・ジニ元大将だ。「これだけテンションの高い状態が、これだけ長期間にわたって続くと、どこでどのような突発的な事故が起きても不思議ではない。非常に危険な状況だ」。軍事問題のプロ中のプロであるジニ元大将から見ても、現在の状況はレッドゾーンに近い危険水域まで達しているのだという。

衝撃波起こしたマレン発言

 米国は昨年来、イランがイラク・シーア派の民兵グループに対して武器支援や軍事訓練などを行い、イラクの治安を著しく不安定化させているとして激しく非難してきた。例えばイラク駐留米軍は、イランがイラクのシーア派民兵に爆発成形弾(EFP)と呼ばれる装甲を貫通する強力な砲弾を供給しているとしてイランを非難し、またイランがレバノンのヒズボラを使ってイラクの民兵たちに高度な軍事訓練を行っていると主張してきた。

 米国は既に1年以上にわたってイラクにおけるイランの活動を批判し続け、過去に何度も「イラン空爆近し」の噂が飛び交ってきた。しかしここに来てまたにわかに空爆論が再燃しているのは、4月25日の記者会見で、米統合参謀本部議長のマイケル・マレン海軍提督が以下のように述べたからである。

 「私が『いかなる軍事オプションをも排除することはない』と言う時は、当然ながら軍事オプションを持っているということを示唆する以上の意味を持っています。この種の計画は長い間行われてきておりますし、今後も継続して行われるでしょう」「われわれは特に海軍と空軍に余力が残っています。われわれに戦闘能力がないなどと考えるのは誤りです」

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「「ブッシュは任期が終わる前にイランを攻撃する」~無視できないワシントンの噂」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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