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五輪スポンサー各社、中国選手団に肩入れ

北京五輪ビジネス(2)

2008年6月5日(木)

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Chi-Chu Tschang (BusinessWeek誌、北京支局記者)
米国時間2008年5月28日更新 「Olympic Sponsors Cheer the Home Team

 北京五輪のスポンサー企業である米ファストフード大手マクドナルド(MCD)は、世界展開する販促活動で、“世界の人々がスポーツの祭典で1つになる”というコンセプトを中心に据えている。広告では「マクドナルドと共にオリンピックを祝おう」と呼びかけている。

 だが、五輪開催国として愛国心が高まり、またチベット問題や四川大地震で国民感情が揺さぶられている中国国内では、全く違う広告戦略を採用している。一致団結や国際的友好を呼びかける代わりに、中国選手団の応援に力を入れている。「中国が勝ったらすごくうれしい(I'm loving it when China wins)」というのが中国での広告スローガンだ。

 ナショナリズムに訴える販促キャンペーンは、「中国国民や中国政府、北京五輪を大いに支援している」という企業姿勢を示すもの、とマクドナルド中国のジェフ・シュワルツCEO(最高経営責任者)は言う。「そうすることで、中国の消費者の強い共感を呼べるだろう」と期待する。

 五輪の恩恵を期待するマクドナルドのような多国籍企業が好んで用いているのが、初の五輪主催という中国の自尊心を巧みに利用したマーケティング戦術だ。人口約13億人の中国市場で自社ブランドの認知向上を図ろうとする企業のおかげで、北京五輪組織委員会(BOCOG)は、五輪のスポンサー収入の記録を塗り替えた。一方の企業側は、中国消費者の関心事は何と言っても中国が五輪で勝つことだと考えている。

中国人の自尊心を満たす広告

 「北京五輪は、過去のどの大会よりも国の祝典という側面が強くなりそうだ」と予想するのは、英広告大手WPPグループ(WPPGY)傘下の米オグルヴィ・パブリック・リレーションズ・ワールドワイド北京支社で五輪スポーツマーケティング活動を展開するオグルヴィ・スポーツ部門を統括するアレクサンドリア・オイコノミドゥー氏だ。同氏は2004年アテネ五輪組織委員会(ATHOC)でも働いた経験を持つ。

 米スポーツマーケティング会社ヘリオス・パートナーズ(本社:アトランタ)の中国子会社ヘリオス・パートナーズ・チャイナでマネジングディレクターを務めるリーリー・リャン氏も、国家の威信こそ「中国国民が五輪開催で最も重視する価値観だ」と指摘する。ヘリオス・パートナーズは中国パソコン最大手レノボグループ(聯想集団)、世界最大の総合資源会社英豪BHPビリトン(BHP)、チョコレート菓子「スニッカーズ」などを広告顧客とするスポーツマーケティング企業である。

 こうした中国の状況を受けて、数々の多国籍企業が中国人の自尊心をくすぐるような中国国内限定の広告キャンペーンを打ち出している。

 マクドナルドは4月23日、国家五輪スポーツセンターで1200人が5分間にわたって「中国が勝ったらすごくうれしい」とのスローガンを繰り返すキャンペーンを実施。米清涼飲料大手ペプシコ(PEP)は公式スポンサーではないが、「中国大好き(Love China)」と題したネットを利用したバイラル(口コミ)広告キャンペーンを開始した。独スポーツ用品大手アディダス(ADDDY)がテレビ広告や屋外広告で展開するキャンペーン「2008年、1つになれば不可能はない(Together in 2008, Impossible Is Nothing)」は、全国民が一丸となって中国選手を応援するイメージを表している。

 「国民の感情に共鳴する広告を作りたかった」と言うのは、アディダスの2008年北京五輪対策責任者のエリカ・カーナー氏だ。国家主義的なキャンペーンは、「消費者や選手たちからの意見を基に」生まれたものだ。

露骨な現地化戦略を欧米諸国はどう受け止める?

 企業のこうした売り込み方に中国以外の国々で反発は起こらないのだろうか。多国籍企業の幹部は、北京五輪でナショナリズムを刺激するマーケティング手法を用いても反発を招くリスクはほとんどないと見ている。中国国内・中国語でのみそうした広告を展開することで、中国に「こびを売っている」と欧米諸国で受け取られる危険を最小限に食い止めている。

 多国籍企業にとっては、中国の国民的自尊心を理解することは現地化戦略の一環でもある。「中国人は“海外の友人”を作りたがるが、それは個人だけでなく国についても言える。国を誇りに思う気持ちがきわめて強いので、個人であれ国家であれ“中国の友人”になろうという努力を高く評価する」と、米マサチューセッツ工科大学(MIT)教授で『Brand New China: Advertising, Media, and Commercial Culture』(仮訳:中国の広告・メディア・商業文化の最新事情)の著者でもあるジン・ワン氏は、電子メールでのインタビューで答えている。

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