• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

日本通信、携帯IP電話で攻勢へ

日本初の仮想移動体通信事業者(MVNO)として始動

2008年6月12日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

Kenji Hall (BusinessWeek誌、東京支局テクノロジー担当記者)
米国時間2008年6月3日更新 「Tokyo Telco Bets Big on VoIP

 通信ベンチャー企業、日本通信は、早ければこの7月にも、NTTドコモ(DCM)から通信回線網を借りる形で新種の携帯電話サービスを開始する予定にしている。このサービスでは、日本の通信事業者としては初めて、VoIP技術(インターネットと同じ仕組みのネットワーク上で音声通信を実現する技術)を利用して通話を行う携帯IP電話機が登場することになりそうだ。

 同社が開始する携帯VoIPサービスは、携帯電話の通話料金体系を根底から変える可能性があるサービスだ。アナリストによると、VoIPでは通話料金が下がると考えられ、特に長距離通話でその恩恵が大きい。月々の基本使用料が平均60ドル(約6300円)と、世界でも最も高い水準にある日本の携帯利用者にとっては朗報だ。

 日本通信の経営陣は壮大な目標を掲げている。携帯での音声通話のやり取りに、インターネットの閲覧に使うのと同じデジタル通信を利用することで、通信を簡素化しようというものだ。米マイクロソフト(MSFT)や米シスコ(CSCO)も“ユニファイドコミュニケーション”という呼び名で同様のコンセプトを数年前から推進している。だが、こうしたハイテク大手にとっても、実現への道のりは決して平坦ではない。

音声もデジタルデータに変換

 仕事でネットを利用する人の場合、仕事関係のメールの送受信やスケジュール管理には職場のデスクトップパソコンを使い、インスタントメッセージやネット電話には個人用のノートパソコンを使い、通常の通話は固定電話や携帯電話で行い、複数人の通話には電話会議システムを利用する、などのように通信媒体を使い分けることが多い。こうした様々な媒体を統合して、単一の携帯機器から簡単に利用できるようにするためには、通信内容すべてをデジタルデータに変換する必要がある。ここで問題となるのが、従来は通話とデータの伝送経路が別々だったことだ。

 VoIPでは、通話の伝送にも電子メールと同じ物理回線を使用するため、この問題が解消される。自宅や職場向けには、VoIPを利用した電話が既に登場している。これを電波で実現するとなると、かなりハードルが高くなるが、日本通信が企業向けサービスとして提供しようとしているのはまさにそれだ。いずれは、各利用者に11ケタのVoIP番号を付与して、電話とコンピューターネットワークの両方でその番号を使えるようにする計画だ。

 同社の常務取締役CFO(最高財務責任者)福田尚久氏はこう話す。「携帯電話と固定電話のどちらにメッセージを残しても、テキストファイルや音声ファイルとして同じ場所に送られる。実に効果的だ。しかしそれには、電話通信とコンピューターの完全な統合が必要だ」。

 同社がこの計画を発表した4月中旬以降、同社の株価は約3倍となり、現在はこの1年間の最高値付近で推移している。次の一歩は付加価値のあるサービスを提供することだとアナリストらは話す。日本通信のように、他社の通信回線を借りて携帯サービスを提供する事業者のことをMVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ぶ。「低料金というだけではMVNOとして不十分だ。ほかにはないサービスを打ち出す必要がある」と、野村総合研究所のコンサルタント阿波村聡氏は話す。

複数の技術が並立

 だが、技術面で日本通信が乗り越えるべき課題は多い。電波を使って音声データをスムーズに送信し、光ファイバーやケーブル回線などによるネット接続と携帯網との間でも伝送が滞らないよう、確実に対応しなくてはならない。専門家によると、これは簡単なことではないという。通話の切断や回線障害が発生したら利用者からすぐにそっぽを向かれるという懐疑的な見方もある。

 いずれは、携帯回線、無線LAN、WiMAXのうちのどの技術を使うかを利用者がその場で選べるように携帯事業者が対応してくれたらいいと思う。「今のところ、決定版と呼べる技術はない」と話すのは、スタンフォード大学の教授を務めた後、カリフォルニア州パロアルトで米国無線コミュニケーション・センターというベンチャー企業を立ち上げたウィリー・ルー氏だ。

 日本では、大手携帯事業者も、日本通信と同じ路線を目指そうとしている。今月発売されるNTTドコモの新型携帯電話機には、VoIP機能を備えた機種がある。通常の携帯回線による通話に加えて、家庭の無線LANによるウェブベースの通話を定額制で利用できるというものだ。また、後発事業者の1つであるイー・モバイルも、マイクロソフトの「Windows Mobile(ウィンドウズ・モバイル)」を搭載したスマートフォン向けに、同様のサービスを7月に開始する予定だ。

コメント0

「Bloomberg Businessweek」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

本当の問題は労務費ではありません。 熟練技能を持つ職人さんが 少なくなっていることです。

押味 至一 鹿島社長