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人気絶大の“ビル・クリントン”ブランドは正念場

オバマ支援に貢献すればヒラリー選挙戦での汚名を返上も

2008年6月18日(水)

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David Kiley (BusinessWeek誌、デトロイト支局上級記者)
米国時間2008年6月10日更新 「How Will Bill Clinton Manage His Brand?

 米国の前大統領ビル・クリントン氏の講演人気は絶大だった。昨年1年間の講演料収入は約5000万ドル(約54億円)に達し、その8割を自らが運営する慈善団体に寄付した。週末に3回の講演(うち1回はテレビ会議での出演)をしただけで70万ドル(約7500万円)を稼いだこともある。

 “ビル・クリントン講演会”は昨年、米国ラスベガスからアラブ首長国連邦(UAE)ドバイに至る様々な場所で開催され、世界中の財界人、政治家、投資家の前では、ロックバンド「U2」のボノ氏顔負けのカリスマ的人気を誇った。

 しかし今では、それも過去の話。妻のヒラリー・クリントン上院議員(民主党、ニューヨーク州選出)が次期米大統領になる望みが絶たれ、その予備選挙中、ビル・クリントン前大統領は自らの言動で自身の評判とイメージを損なってしまった。

 クリントン前大統領は、対立候補のバラク・オバマ上院議員(民主党、イリノイ州選出)の大統領候補としての資質を疑問視する中傷攻撃を行ってきた。それに対し、多くの識者や評論家から行き過ぎとの声が上がっている。

 今年1月のサウスカロライナ州での予備選の後、同州でのオバマ候補の勝利をけなす発言で顰蹙を買った。1984年と1988年の大統領選で泡沫候補のジェシー・ジャクソン師が同州の予備選に勝利したことになぞらえ、オバマ候補の勝利を取るに足らないとあざ笑ったのだ。

 現在、クリントン前大統領に突きつけられた問題は、自身の名声を守るためのブランド再構築と、基盤としてきた資金の集金力の回復にどう対処するかである。

“集金マシン”ぶりが仇となって、ヒラリー夫人は副大統領になれない?

 第42代大統領を務めたクリントン氏が、政治の世界におけるブランドの力を知らないはずはない。1年前にニューヨークで開催されたメディアマーケティング・プロモーション分野の国際会議「プロマックス・BDA」で講演を行った際には、大統領在任中に共和党との「ブランド構築の戦い」に敗れたと語っている。

 「共和党のブランド戦略は見事だった。共和党は価値観を大事にするとうたった。価値観に賛同して投票するのはどの有権者も同じだが、共和党はブランド戦略で優位に立った。相続税(死亡税)廃止を主張したのだ。これは全くすごいブランド戦略だった」。さらに「私が米国民に済まないと思うのは、政策が悪かったことではなく、ブランド戦略を十分に練られなかったことだ。もっと上手に説明できていたらと思う」と語った。

 クリントン夫妻の長年の友人・助言者で、企業のブランド戦略も手がけるある人物は、「“ビル・クリントン”が優れたブランドであることは、本人がちゃんと分かっている」と語る。「ヒラリー夫人の選挙戦では、大統領経験者としてはあまりに言動がえげつなく見えたこともあった。ヒラリー夫人がよもや民主党指名を獲得できないなど思ってもいなかったから、ああした発言をしたのだ。勝ってしまえば、イメージの問題など何とかなると考えていたのだろう」。現在、このイメージ問題について、クリントン陣営の選挙関係者やクリントン夫妻に近い人物たちはなかなか取材に応じてくれない。

 ビル・クリントン氏はただの大統領経験者ではない。巨大な“集金マシン”として、過去のどの大統領とも一線を画している。その資金調達能力で2001年以降、クリントン家に1億ドル(約110億円)以上の収入をもたらし、ウィリアム・J・クリントン財団も数十億ドル(数千億円)もの寄付金を確保している(企業や銀行が将来の寄付を約束した分も含む)。その源泉は、クリントン前大統領の人気の高さと、講演料が高くても膨大な数の聴衆を引きつけることができる能力だ。

 しかしクリントン前大統領のこうした“集金マシン”ぶりが仇となって、ヒラリー夫人が副大統領候補に選ばれることはないという見方が民主党の選挙参謀にはある。

 もしヒラリー夫人が民主党の大統領候補になっていたら、情報開示を拒み、クリントン前大統領に関する保存資料を集めたクリントン博物館の記録や個人所得を隠し通せたかもしれない。

 だが、オバマ氏は自身の選挙陣営や政権でロビイストの関与を排除することや完全な透明性を確保することを公約している。大統領選で一緒に戦う副大統領候補にヒラリー夫人を選んで、情報開示に難色を示されては困る――。それがオバマ候補周辺の意見だ。

 クリントン前大統領やクリントン博物館には、講演料や寄付として海外の投資ファンドや外国政府から巨額の資金が集まっている。そのことが障害となり、ヒラリー夫人が副大統領候補になるのは困難と見られているのだ。

“国民を退屈させない男”

 とはいえ、クリントン前大統領はこの難局を切り抜け、ヒラリー夫人の予備選敗退からそう遠くないうちに元通りの人気を取り戻す――。ワシントンの多くのベテラン政治コンサルタントはそう読んでいる。

 ワシントンにある米危機管理コンサルティング会社デゼンホール・リソーシズのエリック・デゼンホールCEO(最高経営責任者)は、「今年、ビル・クリントン氏は民主党指導者としての株をだいぶ下げたが、それでもまだ、“国民を退屈させる”という、現代米国の政治文化で唯一許されない大罪を犯してはいない」と指摘する。同氏はレーガン政権時のホワイトハウスで広報担当官を務めた経験もある。

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