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ヤフーに未来はあるのか

マイクロソフトとの交渉が決裂し、グーグルと提携して得たもの

2008年6月20日(金)

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Robert Hof (BusinessWeek誌、シリコンバレー支局長)
米国時間2008年6月12日更新 「Google's Yahoo Rebound Play

 4カ月以上に及ぶ混乱の末、インターネット業界で今年最大の大型買収交渉が幕を閉じた。結果として明確な勝利を収めたのは、買収交渉の直接の当事者ではない米グーグル(GOOG)だけだった。

 米ソフトウエア最大手マイクロソフト(MSFT)と、米ネット検索市場2位のヤフー(YHOO)は6月12日、完全買収もしくは検索事業の統合を目標に今年2月1日から続けてきた交渉の打ち切りを表明。グーグルは漁夫の利を得て、この数時間後、かねて噂のあったヤフーとの事業提携契約を正式に結び、ヤフーのサイトにグーグルの検索連動型広告を掲載することで合意したと発表した。

 12日のニューヨーク株式市場では、大引け前の時点で、グーグルとヤフーの交渉が最終合意に達することをうかがわせる動きがあった。しかし、マイクロソフトによる好条件での買収に期待していた投資家は、買収の可能性が消えたことで、一気にヤフー株を売りに出た。

 結局、12日のヤフー株は、前日比10%安の23.52ドルで取引を終了。この終値は、マイクロソフトが2月1日に450億ドルでヤフーを完全買収する最初の買収案を提示した直前の株価(19.18ドル)を上回っているものの、マイクロソフトが最後に提示した株式の買収価格(33ドル)に比べれば、はるかに安い。

“物言う投資家”アイカーン氏も勝ち目は薄い

 ヤフーは、今回のグーグルとの非独占契約で、年間8億ドルの増収を見込んでいる。グーグルは今後、この契約の下で、米国とカナダのヤフーのサイトへ検索連動型のテキスト広告を提供する。

 検索広告市場はインターネットで最も収益性の高い市場だ。ヤフーとの提携合意で、この市場でのグーグルの独占的地位はさらに強固なものとなる。グーグルは、米国のネット検索市場で62%のシェアを確保。検索広告の売上高ではシェアはさらに高く、上昇を続けている。

 米市場調査会社フォレスター・リサーチ(FORR)のアナリスト、シャー・バンボスカーク氏は、「グーグルにとって、今回の提携は素晴らしい合意」と評した。

 マイクロソフトとの買収交渉が決裂したことで、“物言う投資家”カール・アイカーン氏も手詰まりの状態に陥っている。アイカーン氏は、マイクロソフトによるヤフー買収の交渉再開を期待して委任状争奪戦(プロキシーファイト)を仕掛けていた(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年5月15日「Ichan Begins Yahoo Board Battle」)。アイカーン氏は既に1株当たり約25ドルでヤフー株を購入。代替案を打ち出せないまま、保有するヤフー株の売却を決断すれば損失が生じる恐れがある。

 米ブランク・ローム法律事務所の株主行動部門責任者バリー・ジェンキン弁護士は、アイカーン氏の行動について、「自分の提案に乗るよう株主に誘いかけたが、乗ってきてはくれなかった」と論評している。

 アイカーン氏が提出した取締役候補人事案についても、8月1日の株主総会までに株価上昇につながりそうな提案を新たに出せない限り、現時点で株主が賛同する可能性は低いと語った。ジェンキン氏は、新規提案がない限り、グーグルとヤフーの業務提携に賛同する考えを示した。

 しかし今のところ、投資家はヤフーのグーグルとの提携も好意的に評価してはいないようだ。

キャッシュフローの増加は好ましいが…

 グーグルがヤフーとの提携を発表したのは、ニューヨーク株式市場が12日の取引を終えた後だった。ヤフーの株価は、提携発表を受けて、時間外取引の開始直後に終値から1%上昇。しかし、以降は下落を続けた。この値動きについては、ヤフーがこの提携はさほどの経費の削減にはつながらないとの見通しを示したことが一因かもしれない。

 ヤフーは現在、独自に開発した検索エンジンと、「パナマ」という検索連動型広告システムを自社のサイトで運用している。事業提携の開始後も、米国・カナダでの検索クエリー(問い合わせ)の大半と、それ以外の国々での検索クエリーについて、自前の検索エンジンと検索広告システムの運営を維持する予定。このため、人員や技術開発費を削減できる余地は限られる。

 ヤフーは今後、グーグルとの提携を基に、自社サイトでの検索結果と一緒にグーグル提供のテキスト検索広告を掲載できる。また、米国・カナダ向けのサイトでは検索ページ以外にも、グーグル提供の広告を載せられる。広告を掲載するタイミング・場所はヤフーが決定権を持つ。ヤフーの経営陣はテレビ会見で、検索結果の一部のみでグーグル提供の広告を表示する予定だと語った。

 長年業績が低迷しているヤフーは、このグーグルとの提携は「年間8億ドルの収益機会になる」としたが、ヤフー、グーグルとも収益保証の有無については明らかにしていない。

 ヤフーは営業キャッシュフローについても、提携1年目で、2億5000万ドルから4億5000万ドル規模の増加を予想している。ジェリー・ヤン共同創業者兼CEO(最高経営責任者)は12日の会見で、「今回の提携は株主価値向上の近道になる」と説明した。

 スーザン・デッカー社長は、この提携による増収で検索広告以外のビジネス機会への投資を増やすことができると述べた。投資対象として、検索サイト上の専用スペースに広告メッセージを表示する、ヤフーが先行する広告分野である「ディスプレー広告」などを挙げた。

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