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第11回 結婚も離婚も稲妻のように~一人っ子政策が生み出した「閃婚族」と「閃離族」

2008年6月27日(金)

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 いま中国には「閃婚族」とか「閃離族」という言葉がある。

 「閃光のごとく、すぐに結婚し」、「閃光のごとく、すぐに離婚する」という一群のことを指す。両方を含めて「閃光族」と総称するが、その中には「閃孕族」というものもある。

 「孕」はもちろん懐妊のことで、日本語では「はらむ」と読むから、これに関しては説明はいらないだろう。そこでここではまず、「閃婚族」と「閃離族」に絞って話をしよう。

 拙著『中国動漫新人類』でも何度も出てきたように、1980年以降に生まれた若者たちを「80后(バーリン・ホウ)」(后は後)と称するが、閃光現象は、ともに、この80后に顕著に現われる現象だ。

 一見、<A女>とは反対の方向にある現象に思われるだろうが、<A女>現象を知った20代初期の女性たちが、「ああは、なりたくない」という心理から、サッサと結婚し、閃光族になるという要素が強いので、まんざら無関係ではない。

卒業後、即結婚。そしてすばやく…

 というより、本連載の第8回第9回で見たように、1970年以降に生まれた「70后(チーリン・ホウ)」の中の<A女>たちが結婚を怖がって婚期を逸してしまっているのとは対象的に、80后のうちの20代前半は、大卒後の就職難も手伝って、卒業と同時に結婚するというのが流行っている。「閃婚族」の中でも、卒業と同時にすばやく結婚するカップルを「畢婚族」と称する。中国語で「卒業」は「畢業」というので、日本語流に訳せば、「卒婚族」ということになる。

 2007年4月7日付の中国発展門戸網(網はネット)は、「北京晩報」(晩報は夕刊)(記者:杜新達)の記事を転載している。

 それによれば、2006年の北京市における離婚届けを提出した夫婦の数は、24,952組。そのうち5分の1の夫婦が結婚後3年以内に離婚し、3分の1の夫婦が5年以内に離婚し、970組の夫婦は結婚後一年未満で離婚している。1カ月にも満たないで離婚している夫婦は52組。

 2006年6月6日という、百年に一度の大吉日に結婚の夢を果たした夫婦でさえ、その中の11組がすでに離婚しており、おまけに、その中の一組は、なんと23日目で離婚届を出しているとのこと。問題なのは、これら「閃婚・閃離」の閃光族のうち、離婚した夫婦の圧倒的多数が「80后」によって占められているということである。これは家庭にも自分自身にも、そして生まれてきた子供にも影響を与え、大きな社会問題となりつつある。

 その記事に載っているエピソードを、多少の解説を加えながらご紹介しよう。

「80后」同士の悲劇が起こる

 1984年生まれの筱竹(シャオズー)(女)は大学の学部を卒業すると同時にクラスメートの志強(ズーチャン)(男)と結婚した。

 女子学生たちは「高齢になると嫁ぎにくくなる」ということをとても恐れている。しかも自分たちは一応、高学歴の中に入る。だから「結婚できない<できる女>」になるのだけは避けよようと、大卒と同時にサッサと結婚するという道を選ぶ一群が増えてきたのだ。

 結婚後のふたりは、就職先における仕事に関しては、個々別々にこなせるのに、家庭生活の中の仕事となると、そうはいかなかった。

 まず一人っ子として、小さいころからぜいたくに育ってきたズーチャン(男)は、金遣いが荒く、ひと月の給料を、半月も経たないうちに使い切ってしまい、足りない分は父親からもらうという始末だった。

 ちなみに、中国には「月光族」という言葉がある。
 何のことか、ご想像がつくだろうか。

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「第11回 結婚も離婚も稲妻のように~一人っ子政策が生み出した「閃婚族」と「閃離族」」の著者

遠藤 誉

遠藤 誉(えんどう・ほまれ)

筑波大学名誉教授

1941年、中国長春市生まれ、1953年帰国。理学博士。中国で国務院西部開発弁工室人材開発法規組人材開発顧問、日本では内閣府総合科学技術会議専門委員などを歴任。2児の母、孫2人。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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