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マケイン氏とオバマ氏の税制改革

アダム・スミス『国富論』に忠実で、複雑怪奇でないのはどちら?

2008年7月3日(木)

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Chris Farrell (BusinessWeek誌、経済エディター)
米国時間2008年6月23日更新 「McCain and Obama on Tax Reform

 米国の税制は複雑怪奇だ――。この意見に反対する者はほとんどいないだろう。税法の仕組みを理解しようにも、所得控除、税額控除、課税免除、非課税対象、段階的適用、段階的適用除外といった規定があまりにも多くて訳が分からない。

 税法が頻繁に改正されると、家計も企業も長期的な展望を描きにくくなる。この点についてはノーベル経済学賞受賞者のミルトン・フリードマン教授が半世紀も前に指摘している。その通りなのだが、1913年の所得税導入以来、民主党も共和党も税制をいじくり回すことをやめようとしない。

 政治や経済の将来予測は困難だが、こと税法に関しては“歴史は繰り返す”と断言できるかもしれない。来年、税法は一段と複雑になりそうだ。米大統領候補のジョン・マケイン氏もバラク・オバマ氏も大規模な税制改正を提唱しているからだ。

 マケイン氏の改正案から数例を挙げると、2001年と2003年の減税措置の恒久化(遺産税の停止を除く)、扶養控除を最高3分の2まで拡大、納税者が2つの税率を任意に選択できる代替税、基礎控除額や課税免除の拡充などがある。

両大統領候補の改革案の基本的な違い

 改正案の数ではオバマ氏の方が勝っている。改正の内容も所得額に応じた医療保険補助の創設から「就労者控除」(勤労者1人当たり500ドル、世帯当たり1000ドルの税額控除)や「包括的住宅ローン減税」(低中所得者層の住宅所有者向け控除)など多岐にわたる。キャピタルゲイン課税の最高税率は25%に引き上げるが、児童扶養控除の拡充や10%、15%、25%、28%の所得税率など2001年と2003年の改正項目の一部は現行のままとする。

 シンクタンクの米都市問題研究所と米ブルッキングス研究所が共同で設立した米税制政策センターは、両大統領候補の租税政策の分析を行っており、最近も税制への取り組み姿勢の基本的な違いを次のように分析している。

 「マケイン上院議員の減税案は主に高所得層に有利で、ほとんどの高所得者にとって大幅な減税となる。平均して、税引き後所得のかさ上げ分は、全所得層と比較して2倍以上になる。最低所得層で減税の恩恵を受ける世帯数はずっと少なく、減税となる世帯でも税引き後所得の増額幅は高所得層と比べはるかに小さい」

 「これとは対照的に、オバマ上院議員の改正案は低中所得層向けの減税措置が充実しており、高所得層は逆に増税となる。所得比で減税幅が最も大きいのは最低所得層。最高所得層は税負担が増える」

税の簡素化ではマケイン氏に軍配

 多くの有権者にとって、両候補者の税制案に関して知りたい情報はこれくらいだろう。しかしどちらの案がよいかを考えるにはほかにも判断材料がある。

 例えば、課税対象者が多岐にわたる代替ミニマム税(AMT)の取り扱いに関しては、両陣営のプランのどちらも満足のいくものではない。AMTは高額所得層からの税の取りはぐれをなくす目的で1960年代末に導入された。だが、仕組みがお粗末で、現在AMTを払っている300万人程の納税者は、2010年には3000万人に膨らむ可能性があるとブルッキングス研究所のエコノミスト、ウィリアム・ゲイル氏は言う。

 長年、米国の議会と政府はAMT改革を棚上げにしてきた。AMTの廃止により10年間で少なくとも8000億ドルの税収が失われると見られ、税収減を埋め合わせる財源確保の手段が見いだせないためだ。代わりに政府が選んだのは、悪役“AMT”の適用対象が中所得層にまで拡大しないよう、その場しのぎの弥縫策を繰り返すことだった。マケイン氏もオバマ氏も、こういったワシントンの流れを受け継ぎ、“無視”を決め込んでいる。

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