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底知れぬ住宅不況

出口は見えず、銀行破綻が今後増える可能性も

2008年7月7日(月)

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Peter Coy (BusinessWeek誌、経済担当エディター)
Mara Der Hovanesian (BusinessWeek誌、金融担当エディター)
2008年7月7日発行号カバーストーリー 「The Housing Abyss

 米国の住宅危機は新たな恐怖の段階に入りつつある。6月24日、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が発表した4月の全米20都市を対象とするS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で15%余り下落した。米エール大学経済学部のロバート・シラー教授が集めたデータによれば、これはインフレ調整後の下げ幅としては1940~42年以来最大である。

 金融システムと経済にとって脅威なのは、ただでさえ影響の大きい住宅価格の下落が悪循環を引き起こすことだ。住宅価格が一定程度にまで下落すると、困窮する住宅所有者は住宅ローンを返済できなくなるか、返済する意欲をなくす。そうなれば貸し手は住宅を差し押さえて市場で投げ売りせざるを得なくなり、住宅価格はますます下落し、差し押さえ件数はさらに増加する――。

 こうした悪循環はアリゾナ州、カリフォルニア州、フロリダ州、ネバダ州の一部で既に始まっている。これらの地域では住宅価格の下落が「加速的に進んでいる」と、米金融決済サービス大手ファイサーブ(FISV、本社:ウィスコンシン州ブルックフィールド)のポートフォリオサービス担当執行副社長、ジェームズ・L・スミス氏は言う。同氏の部署では、返済が滞っている借り手の住宅ローンの組み換えを取り扱っている。適正な価格水準に落ち着くのではなく、「気づく間もなくあっという間に適正水準を下回ってしまう」事態を同氏は懸念する。

住宅価格が急落するとは思っていなかった

 官民ともに、手がつけられない事態に陥る前に住宅価格の暴落を阻止しようと対応を試みているが、現状では功を奏していない。住宅ローン担保証券は金融商品としての仕組みがずさんで、多くの関係者の利害が錯綜し、債権者間で債権の優先順位を争う訴訟も起きている。その結果、不必要に差し押さえになる住宅が増え、市場の下落が加速している。

 こうした事態を米議会は放置しているわけではなく、不必要な差し押さえを抑制し、初めての住宅購入を促進する大規模な法案を近く可決する見込みである。だが、多くのアナリストや市民団体は既に、今後さらに抜本的な対策が必要になると警告している。

 「ワシントンは住宅市場の深刻な状況を認識していない」と、住宅ローンカウンセリングを行う米非営利団体エーコーンハウジング(シカゴ)のマイク・シェイ事務局長は言う。

 当然ながら、皆が住宅市場にてこ入れする必要があると考えているわけではない。エコノミストや政治家の中には、食品や燃料価格の高騰に直面している今は、インフレ抑制に焦点を当てた政策を打ち出すべきだという声もある。住宅バブル崩壊の影響は軽微で、価格が下落したことで新しい買い手が出てくるだろうとの見方だ。

 「今まで住宅購入に興味のなかった人々が市場に参加してきている」と、米ニューヨーク連邦住宅貸付銀行のアルフレッド・A・デリボビ頭取は言う。

 米連邦準備理事会(FRB)はこれまでにフェデラルファンド(FF)金利を2%まで下げたが、住宅市場は回復しなかった。6月25日、FRBは景気の下振れリスクが「いくぶん緩和」した一方で、インフレ懸念が高まっていると警告し、これ以上の利下げの予定はないことを示唆した。

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