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原油高、“投機筋悪玉説”に異論

いったい原油価格高騰の犯人は誰なのか?

2008年7月17日(木)

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Peter Coy (BusinessWeek誌、経済担当エディター)
米国時間2008年7月8日更新 「In Praise of Oil Speculation

親愛なるエドへ、

 原油価格と投機について、BusinessWeek.comに寄せた君のコラムを拝見した(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年6月27日「Oil Prices Are All Speculation」)。よいコラムだった。読者からも好意的な意見がたくさん寄せられている。「エド・ウォレスを尊敬する」と絶賛する読者もいた。

 私もガソリンを買うから、突如ガソリン1ガロンに4ドル以上も払わなきゃならない“ご時世”になった真相を究明したい気持ちはよく分かる。原油価格を暴騰させているのは恐らく投機筋で、エネルギー市場には有効な規制が必要という君の意見にも賛成だ。

 とはいえ、今の苦境を招いた責任を君ほど猛烈に投機筋や仕手筋のせいにする気にはなれない。もともと私は人間の本性などあまり信頼していない。エネルギー市場のトレーダーなどはその最たるものだ。

 だが私は、“市場の重力作用”には揺るぎない信頼を置いている。投機筋や仕手筋が原油価格を人為的に暴騰させることができたところで、いずれ元の水準まで下落する。それはリンゴが木から落ちたり、隕石がアリゾナ州に落ちてきたりするのと同じくらい確かなことだ。投機筋には価格下落で数十億ドルもの損失というツケが回ってくることになる。因果応報と言うしかない。

 一方、逆に投機筋や仕手筋が正しいとしたら、原油価格は需給バランスに基づき一段と上昇する可能性もある。そして、投機筋は我々に警鐘を鳴らしてくれていることになる。原油の高騰で生産者には増産意欲が、消費者には倹約意識が高まり、将来のエネルギー高コスト時代への移行は円滑に進むことになる。

 7月1日の国際エネルギー機関(IEA、事務局:パリ)の予想によると、発展途上国の石油消費量は2015年までに先進国並みになるという。田中伸男IEA事務局長は、“投機筋悪玉説”を単なる雑音として取り合わず、「OPEC(石油輸出国機構)加盟国の石油生産量は過去最高水準にあり、非加盟国も稼働能力いっぱいの生産を続けているが、在庫が目立って積み上がった形跡はない。こうしたことから、原油価格の上昇はおおむねファンダメンタルズ(基礎的条件)に基づいているということが分かる」と報道発表で述べた。

 いずれにせよ、何が重大な問題であるかを見極めるのは難しい。トレーダーは読み違いで大損する羽目に陥るのか、それとも読みが的中して大金を儲け、一方で経済に適切な危険信号を送る役目も果たしているのかは定かではない。

市場の重力作用と有効な規制

 私が“市場の重力作用”に信頼を置く理由を説明しよう。

 価格が過度に上昇しても、すぐには気づかない場合もある。需給は短期間では反応しないからだ。だが長期的には必ず市場の調整機能が働く。コストの高さがネックとなっていた油田開発に突然採算性が見えてくる。米ゼネラル・モーターズ(GM)の大型SUV(多目的スポーツ車)「シボレー・タホ」から燃費の良いホンダ「シビック」への乗り換えが進む。自然的に石油の供給量は需要を上回り始める。

 この時点で価格下落を避けようとすれば、公開市場で原油を買い、在庫を抱え込むしかない。だが、それは高くつくし、在庫の保管場所にも限りがある。タンカー、紅茶カップ、カウボーイブーツなどあらゆる入れ物を原油で満たして在庫を抱え込んでも、必ず価格下落の時が来る。下落はもはや避けようがない。

 投機筋や仕手筋の中でも一番の抜け目のない者は暴落前に売り抜けて大金を稼げるかもしれない。だが、同じくらい貪欲でも才覚に劣る者は、大損を被る。2006年の米ヘッジファンド、アマランス・アドバイザーズのように、規制を受けず巨額の取引を行う投機筋が相場の読み違えで破綻し、巻き添えが出る恐れもある。

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