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百花繚乱のフリーペーパー(上)
「メトロ」ニューヨーク版

2008年7月25日(金)

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 米国だけでなく日本でも百花繚乱のフリーペーパー。多くの有料の新聞雑誌が部数を減らしている中、「R25」「Hot Pepper」「ぱど」など数々の特色あるフリーペーパーが人気を博している。現在、国内では1200のフリーペーパーが刊行され、部数は年間3億部近くにも上っている。

 だが、有料の新聞を買わなくても1日のニュースを国際ニュースからローカルニュースまでひと通り吸収できる日刊のフリーペーパーは、日本にはまだないと言ってよい。そうしたフリーペーパーの代表格である「メトロ」は現在23カ国で84版が発行され、部数は総計で1000万部を超えている。世界各地の「メトロ」の紙面はReadMetro.comと題してPDF版としても公開されている。

「メトロ」ニューヨーク版第1面

「メトロ」ニューヨーク版第1面

 「メトロ」は2004年にはニューヨークにも進出し、土日を除いて毎日発行している。また、その前年の2003年には、有料新聞を発行してきたトリビューンがフリーペーパー「amニューヨーク」をニューヨークでスタートさせ、こちらも土日を除く毎日発行しており、両者はライバルの関係にある。

 ニューヨークのフリーペーパー事情は、日本のメディアのこれからを考えるうえで様々な示唆を与えてくれる。そこで、フリーペーパーについて2回にわたって取り上げてみたい。今回は「メトロ」を中心に扱う。

 私は3年前の8月に「メトロ」ニューヨーク版編集部を訪ね、パー・ミコール・ジェンセン発行人に取材したことがある。現在ジェンセンはロンドンにあるメトロ・インターナショナル本社のプレジデント兼CEO(最高経営責任者)になっており、本稿執筆に当たってはジェンセンにメールで質問を送り、回答を得た。

「メトロ」ニューヨーク版が人々の心をつかんだ理由

 ニューヨークに進出した当初の「メトロ」を振り返ってみると、記事も広告も少なかった。私には「メトロ」の将来は前途多難に思えた。

 それが1年もすると、紙面も充実して広告も入るようになり、地下鉄で「メトロ」を手にしている人を見かけるのも多くなった。

 現在、「メトロ」のニューヨーク版と「amニューヨーク」の部数は共に30万部台である。新聞の配布は、道端に置いてあるラックから取っていってもらう方式と、地下鉄などの駅の出入り口で配布する方式の2つの方式を採用している。

 では何が「メトロ」ニューヨーク版の魅力なのだろうか。

 第1は、コンパクトな紙面である。ニューヨーカーは新聞好きな人が多く、クオリティーペーパーの「ニューヨーク・タイムズ」、経済紙「ウォールストリート・ジャーナル」、タブロイド紙「ニューヨーク・デイリーニューズ」「ニューヨーク・ポスト」ほかの新聞がしのぎを削っている。いずれもページ数が多く、めくるだけでも一苦労する。

 ところが、「メトロ」はタブロイド版の大きさで、ページ数は1日に20~40ページ。これなら時間がなくても最後まで読むことができる。「メトロ」のコンセプトの1つは電車に乗っている20分で読めることで、記事は短く簡潔に書かれている。

 第2は、真面目な新聞作りである。同じタブロイド版でも、「デイリーニューズ」や「ポスト」は派手な見出しで読者の気をひいて財布のひもを開かせようとする。しかし、「メトロ」は無料で配布するため、そのような努力をする必要がない。「メトロ」の第1面にはニューヨーク市政や中東情勢といった硬派なニュースが掲載されることが多く、うさんくさい芸能ゴシップ一色になることはない。

 記事は、国際・国内ニュースはAP電を多用し、ニューヨーク・ローカルのニュースのみ独自の取材記事を掲載している。ニュースはバランスよく掲載されており、これを読むだけでも世の中の動きについていくことができる。また、紙面はカラー印刷で、レイアウトも洗練されている。

 第3は、政治色のなさである。米国の新聞は、記事は事実の報道に徹し、オピニオンは社説や論説面にあたるOp-Edページに限定する客観報道の原則を採用していることが多い。それでも、記事にはその新聞ごとのカラーが出るし、また社説やOp-Edページでは、侃々諤々の議論が繰り広げられている。そして、テレビをつければ山のように時事問題を扱う討論番組を目にすることになり、党派的なトークラジオもかまびすしい。

 こうした米国のメディア状況において、「メトロ」は社説を掲げないという方針を選択している。オピニオンのページはあるが、このページの下の方には「メトロ」はこのページに掲載されるオピニオンを支持しているのではないと但し書きをつけている。事実関係だけをストレートに伝えたい「メトロ」にオピニオンという味つけは邪魔なのである。

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