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安価なHIV治療薬に大きな期待

エイズに苦しむウガンダ共和国の光明となるか

2008年7月25日(金)

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David Rocks (BusinessWeek誌、グローバルビジネス担当シニアエディター)
米国時間2008年7月14更新 「Cheap AIDS Drugs Bring Uganda Hope

 ウガンダ共和国のジェーン・ナンダウラさん(31歳)は月に1回、家から約11キロ歩いてウガンダ南西部の町、カササのエイズ診療所に通う。カササは、壊れかけたおんぼろの店舗と掘っ建て小屋が道路際に並んで密集している町だ。幹線道路から離れた場所に立つコンクリートの小さな建物の中の診療所で、ナンダウラさんは友人たちと会い、衛生管理に関するアドバイスをもらい、健康的な食事について学ぶ。そしてHIVの進行を抑える1カ月分の抗レトロウイルス(ARV)薬を受け取る。

 「何度も体調を崩して、発熱や咳、風邪で苦しんでいたけれど、ここで治療を受けるようになってからはずっと調子がいいわ」と、5人の母親であるナンダウラさんは言う。

 治療費は無料。彼女は最も恵まれている部類に入る。ウガンダではHIV感染者が240万人を超え、ほぼ全世帯がエイズで家族の誰かしらを失っている。25万人以上がARV薬を服用しているが、薬を必要としていながら入手できない患者はさらに最低で10万人はいる。HIV感染者で薬が無料で手に入る人や、ナンダウラさんが享受している水準の治療が受けられる人はウガンダではごく一部に過ぎない。

 だが少なくとも薬の入手はじきにずっと簡単になる可能性がある。インド医薬品大手のシプラと、ウガンダの医薬品販売会社クオリティー・ケミカル・インダストリーズ(シプラ製品の国内販売者)が、3200万ドルを投じて新工場を共同で設立。8月下旬から、ARV薬と、サハラ以南のアフリカ全体でもう1つの主要な死亡原因となっているマラリアの治療薬の大量生産を開始する(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年1月2日「Charity vs. Capitalism in Africa」)。工場の生産能力はフル操業で1日当たり600万錠、約300万人分の治療薬を供給できる計算だ(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年5月15日「India Plays Catch-Up in Africa」)。

 「必要とする人すべてに薬を供給するという目標の実現に大きく役立つだろう」。ウガンダ南西部のラカイ県で17の診療所を運営する、ラカイ健康科学プログラム(ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院の運営する医療プログラム)の主任を務めるフレッド・ナルゴダ氏はそう語る。

特例でジェネリック薬生産の特許使用料を免除

 工場設立は、世界の貿易関連規制の変化の表れだ。世界貿易機関(WTO)の下で発効したTRIPS協定(知的財産権の貿易関連の側面に関する協定)により、医薬品に関する特許保護は強化された(BusinessWeek.comの記事を参照:2005年4月18日「India: Bigger Pharma」)。

 そのためインドや中国の企業は、発展途上国で広く使われているジェネリック薬(後発医薬品)の大量生産ができなくなった。しかし規定が変わり、「後発発展途上国」と認定される国々(ウガンダも含む)は、2016年まではTRIPS協定の遵守義務を免除されることになった。

 「この工場があるのもTRIPS新規定のおかげだ」と、クオリティー・ケミカル・インダストリーズの財務部長フレデリック・ムテビ・キタカ氏は言う。

 ジェネリック薬製造大手のシプラは、現地生産でジェネリック薬の販売を続けていけるよう、後発途上国内に新たな工場建設に適した場所を必要としていた。ウガンダのヨウェリ・ムセベニ大統領をはじめ政府関係者と話し合った結果、カンパラ市に白羽の矢が立った。ウガンダはHIVやマラリアの罹患率が高いこと、企業活動に有利な環境であることが決め手となった。

 カンパラへと続く穴ぼこだらけの道路に沿って広がるバナナとトウモロコシ畑の中に、その工場は建っている。インドにあるシプラの工場とほとんどうり二つで、米国・ドイツ・イタリアなどの国々から集めた最新の製造・包装設備を備える。分厚い壁と断熱窓が戸外の熱気と埃を遮断し、エアロック(エアシャワー)を3回通らないと作業エリアには入れない。

 「この工場は最先端の製造基準に準拠している。それでも製造コストは欧米、あるいはインドと比べてもずっと低い。製造コストが安価で、なおかつTRIPS協定の特許保護規定の適用を免除されていることで、輸入薬の5%という低価格で販売できる」とキタカ氏は言う。

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