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インドのネットカフェ、消滅の危機

テロ対策で政府当局が規制を強化し、店数が激減

2008年7月25日(金)

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Nandini Lakshman (BusinessWeek誌、ムンバイ支局記者)
米国時間2008年7月15日更新 「A Crackdown on India's Cybercafes

 そのトラブルは、最悪のタイミングで起きた。インドのムンバイ郊外に住む高校生のウジワル・セーン君(16歳)は、5月に米国の大学に提出する願書の作成中、自宅のパソコンが壊れたのだ。

 提出期限が刻々と迫る中、焦ったセーン君は市内のインターネットカフェを目指して家を飛び出した。これまでセーン君は、パソコンが壊れるたびに、食料品店とハードウエアショップの間に軒を連ねるその10席ほどの狭いカフェに駆け込んできた。

 しかし、事もあろうに、頼りにしていたそのカフェが、パン屋に替わってしまっていたのだ。あわてた彼にさらに不運が重なった。近所のほかの3軒のネットカフェも同様に閉店していたのである。結局3キロほど歩いてようやく1軒の店を見つけたが、今度は入店を許されるまでに、カフェのオーナーから延々と質問を受けた。学生証を提示すると、やっとオーナーは入店を許可してくれたのだった。

 「ムンバイからネットカフェが消えるなんて想像もしていなかった。残ったカフェも入店は厳しくなるだろうね」と、セーン君はため息混じりに話す。

 そんな懸念を抱くのも理解できる。気軽に立ち寄れる近所のネットカフェへの規制が厳しくなり、インターネットの普及を妨げている。インド政府が規制強化を進める背景には、100世帯当たりわずか2台という国内の家庭用パソコンの普及率を増加させ、家庭にパソコンを浸透させたいとするインド政府の狙いがあると、業界団体のインド・ソフトウエア・サービス協会(NASSCOM)は指摘する。

 仏大手金融グループ、BNPパリバの調査によると、ブロードバンド回線の普及規模も、インドはわずか400万回線で、これに対して中国では四半期ごとに320万のペースで契約者が新規に増えているという。人口わずか8400万人のベトナムでさえ、ブロードバンド回線の新規契約者は、毎月12万人のペースで増えている(米調査会社IDC調べ)。

今やネットカフェの運営には免許が必要

 なぜ規制強化なのか。インド西部のマハーラシュトラ州、ゴア州、グジャラート州や、北部のハリアナ州などの州当局は、インターネットカフェへの規制を強化することで、「テロリストやハッカー、小児性愛者、ポルノサイトの利用者」を取り締まることができると考えていると、インドのネットカフェ事業者の団体、公衆インターネット接続サービス業協会(APIAP)のアシーシュ・サブー会長は語る。

 インドは長年にわたり、国内外のテロリストの標的にされてきた。5月にはインド西部ラジャスタン州ジャイプール市内で爆破事件があり60人が死亡、7月7日に、アフガニスタンの首都カブールにあるインド大使館を標的にしたテロでも60人が犠牲になっている。

 こうした度重なるテロの結果、ネットカフェのオーナーは、事業を続けるためにいくつもの免許を取得するよう求められ、カフェの利用者もオーナーから個人情報を根掘り葉掘り聞かれることになった。

 「それが犯罪行為を監視する唯一の方法だと思っている。ネットカフェが発生源になっている事件が多いというのが、我々当局の見方だ」と、ムンバイのあるインターネットカフェ登記担当官は語る。

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