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ウォール街の凋落、いったいどこまで?

今も増え続ける銀行の損失額

2008年7月28日(月)

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David Henry (BusinessWeek誌、シニアライター)
Matthew Goldstein (BusinessWeek誌、シニアライター)
2008年7月28日発行号カバーストーリー 「How Bad Will It Get on Wall Street?

 世界的な信用市場の深刻な状況が最初に表面化してから1年、米証券大手ベアー・スターンズが破綻同然となってから4カ月という月日が流れたが、依然として暗い状況は続いている。

 米地銀インディマック・バンコープの破綻や米証券大手リーマン・ブラザーズ(LEH)の株価急落。さらに、住宅ローン大手の米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ、FNM)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック、FRE)への米財務省の支援策に対しても、市場の失望感が広がった。危機は去ったという楽観的な見方が間違っていることが、改めて鮮明になった。

 「昨年の夏、誰もが実態の深刻さを過小に評価していた」と、かつてウォール街でデリバティブ(金融派生商品)のトレーダーをしていた米サンディエゴ大学法科大学院のフランク・パートノイ教授は話す。

 まさにその通りだった。7月に入って立て続けに悪いニュースが生じたのは、多くの人が考えているよりも、信用収縮の打撃がずっと広範に及んでいる事実を示している。トレーダーや投資家、銀行家、エコノミストは、大恐慌以来最悪の現在の金融危機からウォール街が立ち直るまで、あと数年はかかる可能性があるとも考え始めた。さらに、危機の発生源はウォール街だったにせよ、その影響は銀行や一般企業、消費者にものしかかってくるとの認識が広がりつつある。

信用市場が回復に向かわないのはなぜか

 確実に言えることが1つある。今後の経済環境は、以前と比べて厳しいものになるということだ。銀行の規模は縮小し、行数も少なくなる。資金供給を受けるのに苦労する消費者や企業も出てくる。しかも、ウォール街での力関係の変化によって、良くも悪くも、監督当局に厳しく規制されないヘッジファンドやプライベートエクイティ(非公開株)投資会社が、資金供給で一層大きな役割を果たすようになるだろう。

 なぜ信用市場は回復に向かわないのか。答えはレバレッジ、つまり借り入れをてこにした資金運用の仕組みにある。銀行は顧客に資金供給する際だけでなく、自行の利益拡大にもレバレッジを活用している。レバレッジは強力だが危険な手段だ。うまくいけば時には夢のような膨大な利益をもたらし、失敗すると目も当てられない事態を招く。

 銀行はこうした資金の運用で商売をしている。利益を出している時は、レバレッジを増やし、より多くの資金を回転させて、さらに利益を上げられる。住宅ブームの頃は、住宅ローンの資金供給が拡大し、住宅価格を押し上げた。だがやがて、借り手は借金が手に負えなくなり、バブルがはじけた。すると、銀行は損失によって体力を奪われ、自らの借り入れを減らさざるを得なくなり、その影響が今も広がっている。

 影響はどこまで拡大するのだろうか。単純計算で言えば、銀行の自己資本が1ドル失われるごとに、政府の監督規制を受ける商業銀行は貸出債権を10ドルほど削減しなければならない。投資銀行の場合、圧縮しなければならないリスク債権は30ドルにも達する。

 今後の信用収縮の規模は、起点となる銀行の損失額によって変わってくる。損失額を正確に把握するのは難しく、今も増え続けている。最新の数字では、信用市場全体の損失額は4000億ドルとされる。だが、国際通貨基金(IMF)は、総額が1兆ドルまで膨らむ可能性もあるとしている。レバレッジ比率を10倍や15倍にして計算すると、数字はいよいよ厳しいものになる。

 米証券取引所ナスダック(NDAQ)のロバート・グレイフェルドCEO(最高経営責任者)は、「経営者の世代交代が進み、今回の辛酸を味わっていない世代が経営の舵取りを担うようになるまで、レバレッジ増加には慎重な状態が続くことになるだろう。厄介なのは、レバレッジを控えることが経済全体にどのように波及していくのかという問題だ」と語る。

損失を恐れる金融機関

 7月の途方もない事態を、底が見えてきた証拠と考えたくもなる。確かに、本記事の執筆時の7月16日の状況を見ると、米株式市場は、まもなく底を打って回復する可能性もあるように思える。だが、長引く不況の中で、最初に何度か訪れる底値の兆候に釣られて投資しても、大損をする場合が多い。この1年、低迷する金融市場が反転すると目論んで、多くのプロの投資家が手痛い目に遭ったのを見れば分かるだろう。

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