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ロシュ、バイオ医薬品ジェネンテック買収の思惑

完全子会社化に至るまでには子会社の抵抗も

2008年7月29日(火)

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Kerry Capell (BusinessWeek誌、ロンドン支局シニアライター)
米国時間2008年7月21日更新 「Roche-Genentech: A Drug Powerhouse

 スイスの製薬大手ロシュ・ホールディング(RHHBY)の最高経営責任者(CEO)セヴリン・シュヴァン氏が、就任早々、世界でもトップクラスの成功を収めるバイオ医薬品企業との連携強化を図る戦略を打ち出した。18年間、株式の過半数を保有してきた米バイオ医薬品大手ジェネンテック(DNA)の未保有株を437億ドルで買い取る計画を発表したのである。

 シュヴァンCEOはBusinessWeekの電話取材に対し、「両社の協力関係を新たな段階に進める時機が来た。思いつきでジェネンテックを買収しようと言っているわけではない。今回の完全子会社化はイノベーションの強化が目的であり、コスト削減のためではない」と語った。

 ロシュとジェネンテックは巨大製薬会社とそれより規模の小さいバイオ医薬品会社の有効な提携関係のモデルと評されてきた。完全買収が実現すれば、その関係はより強固なものになる。分子診断という新しい分野をリードするロシュと、遺伝子治療の最先端を行くジェネンテックが1つになるのだ。

 この買収は、ロシュにとってこれまでで最大の取引でもある。高額の買収額を提示していることからも、ロシュが、これまでにない治療法と遺伝子診断を組み合わせることで、オーダーメイド医療の可能性が広がると考えていることが分かる。

 今回の買収提案からは、新薬を出し続けなければならない製薬会社のプレッシャーもうかがえる。

 ロシュが初めて株を取得した1990年当時のジェネンテックは、米サンフランシスコの小さなバイオ企業に過ぎず、研究中の有望な抗ガン剤をいくつか持っていたが、開発を続けるための資金が不足していた。

 現在、ロシュの豊富な資金力と臨床開発のノウハウのおかげで、ジェネンテックはガン治療薬の大ヒット医薬品をいくつも有するまでになっている。例えば、乳ガン、肺ガン、結腸・直腸ガンの治療薬「Avastin(アバスチン)」、乳ガン治療薬「Herceptin(ハーセプチン)」、非ホジキンリンパ腫と関節リウマチの治療薬「Rituxan(リツキサン)」などだ。

 ガン治療薬の分野で世界のトップ企業の一角を占めるジェネンテックは、2008年度の予想売上高が135億ドルと、米バイオ医薬品大手のアムジェン(AMGN)に次ぐ世界第2位のバイオ創薬企業に成長した。

大胆な戦略で、バイオ企業を完全な支配下に置く

 近年、ロシュは業績拡大をジェネンテックに頼ってきた。ロシュの2007年度の売上高440億ドルのうち3分の1近くをジェネンテックの医薬品が占めている。買収が成立すれば、世界で最も競争の激しい米医薬品市場での勢力を拡大し、米国内売上高が150億ドルを超える市場第7位の製薬会社が誕生することになる。

 ジェネンテック側の同意を得ないまま、未保有株の買収を仕掛けたのは大胆な戦略だ。この買収によって、ロシュは業界でも有数の成果を上げているバイオ企業を完全な支配下に置ける。その反面、ジェネンテックの成功の原動力となった自由で起業家精神にあふれる社風が失われるリスクを負うことにもなる。

 バイオテクノロジーや診断技術の分野で有望な企業の過半数株式を保有しつつも独立した経営を認めるというロシュの戦略は、バイオ企業と巨大製薬会社との連携を促進する最善の方法だとアナリストも評価している。

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