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北京市、五輪に向けて交通渋滞対策

新システム「フローティングシステム」に期待

2008年7月31日(木)

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Chi-Chu Tschang (BusinessWeek誌、北京支局記者)
米国時間2008年7月23日更新 「Beijing's Plan to Fight Olympic Traffic

 北京のタクシー運転手、ルゥ・グワンロンさん(55歳)が運転する韓国ヒュンダイ(現代自動車)の「エラントラ」の車内には、インパネの下部に黒いGPS(全地球測位システム)ボックスが搭載されている。このGPSを通じて、ルゥさんの1日約200キロに及ぶ市内走行データがすべて収集され、タクシー会社に送られている。

 「今どこにいるか、何をしているかが分かる仕組みになっている」とルゥさんは説明する。

 北京五輪開幕を目前に控え、政府はこうしたGPSシステムを使って北京市内の交通渋滞を解消しようとしている。2004年にタクシー車両をヒュンダイの「エラントラ」「ソナタ」と、独中合弁である一汽フォルクスワーゲン(VW)の「ジェッタ(中国名:捷達)」に一新し、車体に黄色のラインを施したのをきっかけに、全タクシー会社にGPSを装備するよう求めた。以来、市内を走る6万6000台のタクシーに備え付けたGPSシステムを利用して、市内の交通の流れを監視している。

 GPSなどの最新機器を使うまでもなく、北京市内の交通渋滞が大きな問題となっているのは明らかだ。五輪開催中の交通渋滞を緩和するため、北京市は7月20日、車のナンバープレートの偶数・奇数に分けて1日おきに市内の走行を禁止するなどの厳しい交通規制を開始した。さらには、先頃開通した地下鉄2路線を含めた公共交通機関の利用も呼びかけている(BusinessWeekチャンネルの記事を参照:2008年7月22日「北京五輪に泣く産業界」)。

走行時間の短縮化を図り、大気汚染を解消

 同時に北京市は、五輪を機にひそかにハイテクによる長期的な交通渋滞対策の推進を図っている。これは「フローティングカー・システム」と呼ばれるもの。“フローティングカー”とは市内を走り回るタクシーを指す。同システムはタクシーに備え付けたGPSで道路の混雑状況や天候などの交通データをリアルタイムで収集・分析し、目的地までの最短ルートを運転手にフィードバックするものだ。

 「フローティングカー・システムで交通情報を即時に提供できれば、渋滞や大気汚染の緩和、エネルギーの効率的利用につながる」と、同システムを担当する政府機関、北京市交通情報センター(BTIC)で主任(所長)を務める王剛(ワン・ガン)氏は期待を寄せる。

 BTICの試算によると、北京市の全車両の30%がリアルタイムで交通情報を受け取れる簡易型の車載カーナビゲーション(車載ナビ、PND)を装備した場合、目的地到達までの平均走行時間は16%短縮し(時間では35分)、CO2(二酸化炭素)排出量も2750トンと27%削減されるという。

 北京市では五輪に向けて、乗用車やタクシー、救急車合わせて1000台について、交通情報をリアルタイムで提供する即応型のPNDを搭載し、最速ルートが見られるようにする。交通担当当局は幹線道路や五輪施設周辺に電光掲示板を設置し、交通状況をリアルタイムで掲示する。また交通情報を即時にテキストメッセージで送信する実験を行っている。

交通監視カメラなどの従来技術をしのぐ独自システムを開発

 北京市当局者はこのフローティングカー・システムで、テクノロジー利用による都市部の渋滞解消で世界をリードしつつあると語る。長年、東京やロサンゼルス、ロンドンといった大都市では、高速道路沿いにCCTV(閉回路テレビジョン)カメラを設置したり、道路上にセンサー(ループコイル)を埋め込んだりして交通管制を行ってきた。だが北京市はそれの技術よりも上の、タクシーのGPSデータを用いた独自のシステムを開発した。交通状況をより正確に把握できるうえ、安価なコストで済むからだ。

 日本では、政府と企業が全国の道路網にセンサーを設置するために94億ドル(約1兆100億円)以上の費用を投じていると、日立製作所(HIT)の中国法人に出向中の水田博明氏は語る。日立も「eローダー」という独自のフローティングカー・システムを北京市で実験中だ。

 「日本で使われている交通情報システムはきわめて高価だ。フローティングカー・システムならその20分の1のコストで同様の成果が得られる」(水田氏)

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