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中国の携帯電話市場で躍進目覚ましい
“山寨機”とは?

パキスタンで大量の中国製“山寨機”が一斉に通信不能となる事件が発生

2008年8月1日(金)

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 最近中国では“山寨機”(さんさいき)と呼ばれる携帯電話が話題となっている。“山寨”とは盗賊や反政府勢力が政府の管理から免れるべく山中に築いて立てこもった砦を意味する。これをもじって政府管理から抜け出た、政府に認定されていない闇の携帯電話を“山寨機”と呼ぶ。

 “山寨機”は生産者が勝手に作ったブランド名を使い、既存ブランドの機能や型式を模倣しているばかりか、政府管理から逃避しているので、中国で増値税(VAT)と呼ばれる17%の消費税も支払わないし、研究開発費も不要、広告費や販売促進費も不要である。さらに、製造や代理店販売のコストも臨機応変に調整が可能であることから、最終販売価格が正規ブランド品の2分の1から3分の1の安値になることも珍しくない。

 その闇の携帯電話“山寨機”に関するニュースを、2008年7月8日付のパキスタンのメディアは次のように報じた。

 中国から輸入された携帯電話“山寨機”がパキスタンの中低所得者の間で流行している。これらの“山寨機”は過去1年でパキスタン市場に大量に流入したものであるが、有名ブランド名を冠した偽物から、好き勝手な雑多なブランド名有りで多種多様である。

 ところが、6月30日に数百人のユーザーの手元にある“山寨機”が突如正常に機能しなくなったのである。急に“山寨機”が使えなくなったユーザーたちは、“山寨機”そのものが壊れたのではないかと焦ってあれこれ操作してみたが、通信機能以外は正常である。

 そこで、パキスタン電信管理局(PTA)が携帯電話に対して何らかの規制を行ったのではないかとPTAに確認してみたが、そうした事実は無かった。

なぜ“山寨機”は通じなくなったのか

 ユーザーたちが次々と“山寨機”の販売代理店に押しかけたことから調査した結果、これら“山寨機”は同一のIMEI (International Mobile Equipment Identity=国際モバイル機器アイデンティティー)番号を使用していることが原因であると判明した。IMEI番号とは携帯電話の「身分証明書」であり、GSM方式の携帯電話は1台ごとに15桁のIMEI番号を持つことが国際基準となっている。

 中国の携帯電話専門家によれば、海外の携帯電話通信事業者の多くが、携帯電話の安全サービスとして、携帯電話が紛失や盗難に遭った際に、ユーザーからの要求に基づき、IMEI番号に対応する通信を停止する体制にあるという。もし多数の携帯電話が同一のIMEI番号を持っているとすると、あるユーザーが携帯電話を紛失した場合、その携帯電話のIMEI番号を通信業者へ連絡して通信サービスの停止を要求すると、同一のIMEI番号を持つ携帯電話の通信サービスはすべて停止され、携帯電話は本来の機能を喪失することになる。

 パキスタンでは、携帯電話の紛失・盗難の場合、直接にPTAのウェブサイトにIMEI番号を申請すれば、自動的に通信サービスが停止される体制が取られている。今回のケースでは、PTAがユーザーの要求に基づきIMEI番号135790246811220の中国製“山寨機”に対する通信サービスを停止したところ、同一のIMEI番号を持つ中国製“山寨機”のユーザー数百人に対する通信サービスが停止されたものであった。

 通信サービスを停止されたユーザーたちは怒り心頭に発し、携帯電話の販売店へ怒鳴り込んで通信サービスの再開を要求した。しかし、販売代理店は自分たちが通信サービスの停止解除を行うことはPTA管理規定に違反するとして、これを拒否したのである。

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「中国の携帯電話市場で躍進目覚ましい
“山寨機”とは?」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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