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経済改革は教育改革から、教育改革は教員改革から

学力の底上げを機軸に経済成長を実現したフィンランドの教訓

  • 山崎 養世

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2008年8月7日(木)

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 日本経済が急速に不況の色を強める中で、内閣改造が行われました。内閣改造と同時に、政府も景気判断を下方修正するようです。でも、これまでも、好景気だという実感は薄かったと思います。地方経済は冷え込み、多くの若者が正社員になれない状況が続いてきました。

 どうすれば経済を元気にできるのか。大きな課題です。

 フィンランドのことを思い出しました。教育から経済を再生したからです。

経済危機に直面し、教育を政策の柱に

 昨秋、ノルウェーで行われた国際会議で、フィンランドの外務大臣や教育大臣を歴任された方に、じっくりとお話を伺う機会がありました。OECD(経済協力開発機構)が実施したPISA(学習到達度調査)という世界各国の子供の学力テストにおいて、フィンランドが科学的リテラシー部門でトップ、数学的リテラシー部門と読解力部門では2位を獲得。1人当たり国民所得でもフィンランドが世界で10位にまで躍進。

 一方、かつて学力世界一だった日本は、前述の各部門で6位、10位、15位にまで下がり、1人当たり国民所得も18位にまで後退したことが報道された頃でした。

 1990年代初め、世界中は不動産バブルの崩壊にひどく苦しんでいました。日本だけでなく米国や北欧でも、主な民間銀行の多くが破綻しました。フィンランドも大不況に見舞われました。

 危機に直面したフィンランドは、ユニークにして理にかなったやり方で、経済を再建しました。国民の力を高めることを政策の柱に据えたのです。

 小国フィンランドが、グローバリゼーションで激しくなる国際競争に打ち勝って豊かな経済を作るには、フィンランドの人材に国際競争力がなくてはいけない。それも、一部の人たちだけでなく、国民全体のレベルが向上しなくてはいけない。国民全体のレベルを底上げするのは教育である。そのために、教育を改善していく。こうした方針を打ち出し、具体的な教育改革に着手しました。

 もともと、フィンランドでは、先生は最も尊敬される職業なのだそうです。先生になるには大学院卒業の資格が必要であり、10倍もの難関の試験を突破した優秀な人だけが先生になれるそうです。社会全体にも、先生や学校に対する尊敬と信頼の気持ちが強くあり、地域でも学校を住民が応援するのは当たり前である、という伝統があるそうです。

 そうした素地がある上に、90年代の教育改革は行われました。

教育予算を増やし、現場の創意工夫を促進

 一言で言えば、金は増やすが口出しは減らす、という改革でした。大不況で財政も苦しい中で、教育予算を増やしました。しかし、もっと大切なのはお金と人の能力の使い方でした。

 国家や地方政府が教育内容に関与する度合いを減らし、その代わり、現場の先生の創意工夫を促したのです。それまでは分厚かった学習指導要領も薄くなり、その分、現場の先生が手作りで教材を作ることが求められました。

 生徒への教え方も、知識や記憶力を求めるよりも、自分で問題や課題を見つけ、その答えを見つける能力が重視されました。教室を出て街や野山で様々な発見をすることも活発に行われるようになりました。

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