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北京の大気汚染はなぜ発生する?

工場の操業停止や交通規制がもたらす五輪への効果は

2008年8月8日(金)

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Tatyana Gershkovich (BusinessWeek誌インターン)
Catherine Arnst (BusinessWeek誌シニアライター、ニューヨーク)
米国時間2008年8月1日更新 「Beijing's Olympic Smog: How Bad Will It Be?

 オリンピック開幕を迎える北京では、依然として大気汚染の問題が大会の成功を脅かしている。参加選手の多くが、汚染された空気がもたらす影響に不安を抱いており、北京に滞在する時間を少なくしようとする選手もいる。

 米、英、仏、独をはじめ多くの国の選手団が、中国でトレーニングをするリスクを避け、日本で五輪前の調整を行っている(BusinessWeekチャンネルの記事を参照:2008年2月20日「北京五輪、日本で最終合宿が人気」)。

 オーストラリア・オリンピック委員会は、大気汚染による身体への悪影響を心配する選手の出場辞退を容認する方針を示した。エチオピアの陸上長距離選手で、男子マラソンの世界記録保持者ハイレ・ゲブレシラシエ選手は、喘息の持病があることから、大気汚染を理由にマラソンへの出場を取りやめた。

 中国政府も大気汚染問題への対応が必要なことは理解しており(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年7月28日「China's Emergency Plan for Olympics Pollution」)、五輪開催期間中は「青い空」が望めるようにすると約束した。

 そのために、北京市内と周辺地域の数多くの工場や石炭火力発電所の操業を停止させた。また、北京市民の大半を対象に、ナンバープレートの末尾番号によって奇数日または偶数日の走行を禁止する車両規制を実施し、違反者には14ドルの罰金を科している。さらに、排ガスを急増させる通勤ラッシュ緩和のため、企業に勤務時間の調整を求めた。

 こうした措置により、都市活動によって暖められた空気が熱を帯びた泡のように汚染物質を包み込む、いわゆる「ヒートアイランド現象」の影響は少なくなるはずだ。

 中国は160億ドルを投じて、工場の操業停止、公共交通機関の改善、1日330万台に上る北京市内の交通量の半減、2200万本の植樹といった大気汚染改善のための対策を取ってきた。それにもかかわらず、7月31日には北京の空はスモッグで灰色に覆われた。政府首脳陣は何が足りないのかと途方に暮れたことだろう。

近くにも遠くにもある汚染の原因

 気候の研究者は運次第だと言う。汚染削減の努力も、天気が味方してくれなければ効果はほとんど得られないかもしれない。政府がいくら北京市内で対策を講じても、南風が吹けば、何百キロも離れた場所から汚染物質が運ばれてきてしまうのだ。大気汚染の原因の多くは、北京の南東に位置する人口密度が高い工業地域にあるため、いくら北京市内の活動を制限しても、五輪前に汚染を大幅に改善するには不十分だと研究者らは指摘する。

 米ロードアイランド大学大気化学研究センターのケネス・A・ラーン名誉教授(海洋学)は、日々の大気汚染の度合いは、周期的に変化する天候が大きく左右すると説明する。寒冷前線はモンゴルからきれいな空気を運び、温暖前線は南から汚染された空気を運んでくる。ラーン名誉教授によれば、北京の大気汚染物質の約半分、ひどい日には70%近くが、周りの地域で発生したものだという。

 北京周辺の乾燥した気候も問題を悪化させている。雨が少ないため、空気が北京まで移動する間に汚染物質が蓄積されていくのだ。

 「中国当局はこうした地域的な要因についての理解が足りないのではないか。周期的な変化の重要性を考慮していない」と、ラーン名誉教授は指摘する。この天候の変化のパターンについては、北京の清華大学の研究者が3年間にわたり調査しているが、その成果は政府にきちんと伝わっていない。「政府が興味を示していない」と、同名誉教授は言う。

政府がより厳しい手段を取る可能性も

 五輪開催地で大気汚染が問題になったのは、北京が初めてではない。中国政府が汚染の改善のために立てた戦略は、1984年のロサンゼルス大会の場合と似ている。ロサンゼルス五輪の組織委員会は、市内の大気汚染の大きな原因となっていた製油所に操業休止を求めた。一方で、かつてない規模の交通渋滞を懸念するドライバーが、車の利用を控えた。

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牛島 信 弁護士