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(3)開幕式の日、北京市街は――旧正月が2回来た!?

  • 田原 真司

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2008年8月12日(火)

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 先週金曜の夜(2008年8月8日)、北京オリンピックの開幕式をテレビの衛星生中継でご覧になった読者も多いだろう。筆者は北京の自宅で、中国中央テレビ(CCTV)にチャンネルを合わせて見たが、2008人の奏者による一糸乱れぬ「光のカウントダウン」からクライマックスの「夜空を駆ける聖火ランナー」まで、まるで特撮映画を見ているような凝りに凝った演出だった。

 それもそのはず。開幕式の総指揮を務めたのは「紅いコーリャン」などで知られる中国を代表する映画監督、張藝謀(チャン・イーモウ)氏。オリンピック・スタジアムのグラウンドに、中国の歴史を絵巻物風に再現した演出も斬新だったが、筆者が度肝を抜かれたのは、スタジアムの南15kmほどにある永定門から天安門を経て会場まで26発の花火を打ち上げたシーンだ。

 テレビ中継では、南から北へ次々に上がる花火を、カメラが上空から追いかけながら撮影していた。おそらくヘリコプターだろうが、夜間飛行であり、やり直しのきかないぶっつけ本番である。少しでもタイミングが狂えば撮ることができない、計算され尽くした映像だった。おそらく張監督は、盛大な式典を世界中に印象づけるため、スタジアムの観衆以上にテレビの前の人々を意識していたのではないだろうか(追記:ご存じの通り、その後テレビ時中継のこのシーンはCGによる合成映像だったことが判明した。がっかりしつつ、オリンピックの本番でこれをやる中国のセンスはある意味すごい。自分はまだまだ甘いなぁと凹んだ)。

 そして、世界の国々の中で最も多くの人々がテレビ中継を見たのが、ほかならぬ中国である。現地の調査会社によれば、オリンピック開幕式の国内の視聴者数は8億4200万人に上り、聖火台に点火した時の視聴率は90%を超えたという。

 では、北京の老百姓(普通の庶民)たちは、テレビ中継をどんなふうに見ていたのだろうか。

8月8日は休日になっていた!

 オリンピック開幕まで3日に迫った8月5日、北京市政府はいきなり通達を出し、開幕式が行われる8月8日は市内の企業や行政機関を休日にしてしまった。日本ではちょっと考えられない通達だが、政府の朝令暮改には慣れっこの北京市民の多くは、オリンピックのおかげで三連休になったと嬉しそうだった。

「今日はどこへ行っても道路はガラガラ。仲間内でも、仕事を休んで家でテレビを見ているやつらが多いんだ。まるで旧正月が2回来たみたいだよ」

 8日午後、筆者がタクシーをつかまえると、ドライバーがそう話しかけてきた。中国語で「春節」と呼ばれる旧正月は、1年に1度、家族や親戚が集まって団欒する、中国人にとって一番大切な祭日である。それと同じように、三連休は家族や友人の家に集まり、皆でわいわい言いながらオリンピックを観戦するのだという。

 「あなたは休まないの?」とドライバーに聞くと、「子供の学費のため、お金を稼がなきゃならないからね。でも今夜は早めに切り上げて、テレビで開幕式を見るつもりさ。中国人にとって、待ちに待ったオリンピックだからね」と、笑顔で答えた。

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