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モトローラ、新CEOへの期待と課題

官僚的体質の携帯電話部門をどう立て直す?

2008年8月19日(火)

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Roger O. Crockett (BusinessWeek誌、シカゴ支局長代理)
Olga Kharif (BusinessWeek.comシニアライター、オレゴン州ポートランド)

米国時間2008年8月4日更新 「Motorola: The New CEO's Real Challenge

 米通信大手モトローラ(MOT)(本社イリノイ州シャンバーグ)の共同CEO(最高経営責任者)に就任したサンジェイ・ジャ氏に対するウォール街の反応は明快だった。

 8月4日、同社は携帯電話事業のCEOに米無線通信技術大手クアルコム(QCOM)のCOO(最高執行責任者)を務めていたジャ氏を任命したと発表。これを受け、同社の株価は11%急伸し、10ドル近くまで上昇したのだ。

 ジャ氏は業界での経験が豊富で、無線通信分野の投資家たちについても熟知している。ここに至るまで、モトローラは、不振の携帯電話部門を任せられる経営者を5カ月間も探していた。以前モトローラに勤めていた米アメリカン・テクノロジー・リサーチのアナリスト、マーク・マッケニー氏は、「ジャ氏はまさにモトローラが求めていた人物。同社の携帯電話部門を立て直せるのは、彼しかいない」と評価する。

 経験豊富なジャ氏だが、モトローラの企業文化という巨大な壁に立ち向かうことになる。携帯電話部門を回復させるには、動きが鈍く官僚的なモトローラの体質を刷新し、商品開発をずっと技術者任せにしてきた同社の体質を変え、消費者の好みを意識し、販売側の立場で考えられるようにしていかねばならない。これまで何人ものCEOが果たせなかった難題だ。

 ジャ氏は、ただちに携帯電話部門の指揮を執る。現CEOのグレッグ・ブラウン氏と共同でCEOを務め、2009年の第3四半期に予定されている携帯電話事業の分離・独立を目指す。

「私の仕事は、市場とのつながりを緊密に保ち続けること」

 モトローラの歴史は、マーケティングの失敗によって傷がついた。携帯電話がアナログからデジタルへと移行した1990年代半ば、モトローラの幹部や技術者はその重要性を見誤り、デジタル機種の導入に出遅れた。

 その結果、市場で優位だった地位を、急成長するフィンランドのノキア(NOK)に奪われることとなった。近年では、製品サイクルの加速に伴い、意思決定に時間のかかる同社の文化が、競合他社のように新製品を市場に素早く投入できない要因となっている。

 1993年に就任したゲイリー・トゥッカー氏以降、モトローラのCEOは、同社に起業家精神を注入しようとしてきた。昨年12月にCEOを退任したエドワード・ザンダー氏の時代には、新しい薄型携帯電話機の開発を急ぎ、大ヒット商品「Razr(レーザー)」が生まれた。

 だが、消費者の関心がハードウエアから、端末に新しい機能を盛り込むソフトウエアへ移っていくのについて行けなかった。さらに、インターネットの利用や音楽、映像などマルチメディアに対応した3G(第3世代)携帯電話への移行でも後れを取っている。

 ジャ氏には、社員に市場動向をきちんと把握させ、「新製品を素早く市場に出していく」という困難な仕事が待っていると、野村証券のアナリスト、リチャード・ウィンザー氏は言う。

 だが、技術畑を歩んできたジャ氏は、モトローラに根づく技術重視の文化を一新するのにためらいがあるようだ。BusinessWeekの取材に対し同氏は、「モトローラにとって、技術重視の文化はかけがえのない資産だと考えている」と語った。「難しいのは、その文化を市場の動向に合わせていくことだ。市場の動向とかけ離れてしまった時に問題が起こる。私の仕事は、市場とのつながりを緊密に保ち続けることだ」。今後、90日間かけて状況を把握し、それから最終的な判断を下すと言う。

クアルコムでは半導体チップ部門を飛躍させた

 困難な課題に取り組むジャ氏には、多額の報酬が用意されている。基本給だけでも120万ドルを下らない。また、モトローラの制限付き株式を370万株受け取れる。8月4日の株価で換算して約3500万ドルだ。さらに大量のストックオプションも付与される。

 ジャ氏が携帯電話部門のスピンオフ(分離・独立)を見直すことはないのか、考えてみよう。

 スピンオフが実行された場合、ジャ氏には株式およびストックオプション報奨により新会社の全株式の3%が与えられる。つまり、新会社の時価総額が10億ドルになれば、ジャ氏は3000万ドルの資産を手に入れることになる。時価総額が20億ドルに跳ね上がれば、6000万ドルだ。もし、2010年10月31日までにスピンオフが実行されなかった場合でも、モトローラはジャ氏に現金で3000万ドル支払うことになっている。

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