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オリンピックは企業の能力を証明する場

北京五輪を利用するという企業戦略

2008年8月21日(木)

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Reena Jana (BusinessWeek誌、イノベーション担当エディター)
Frederik Balfour (BusinessWeek誌アジア特派員、香港)
Oriana Schwindt (BusinessWeek.comイノベーション・マネジング分野担当記者)
2008年8月18日発行号カバーストーリー 「Learning from the Olympics

 北京五輪でサッカー米国女子代表チームのディフェンダー、ヘザー・ミッツ選手を支えるのは、プレー用のウエアやチームメート、ファンだけではない。

 昨年、膝のじん帯を損傷したミッツ選手は、昨年9月のワールドカップを欠場したが、北京五輪では米国代表に復帰する。医師がそばに控え、膝に少しでも違和感を感じればすぐに検査してもらえる環境は、彼女にとって間違いなく心強いものだろう。

 医師が使うのは、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の医療技術部門、GEヘルスケア製の小型超音波(エコー)診断装置「LOGIQ i(ロジック・アイ)」。重量5キロそこそこのこの装置は、病院にある360キロ強の装置と全く変わらないほど鮮明に、どんなに小さなじん帯の損傷でも詳細に映し出す。

 これは、自社の最新技術をオリンピックで披露するGEの戦略の一環だ。GEは2006年トリノ冬季五輪でロジック・アイの前身の機種を投入。研究者らは大怪我が発生しやすく、注目の集まる環境で装置の試験運用をすることができ、選手やトレーナーからのフィードバックを装置の改善に生かすこともできた。

 トリノ五輪以降、スポーツ医療用のエコー診断装置の売り上げが75%上昇したことも、GEにとっては同じくらい重要なオリンピック効果だ。「オリンピックは貴重なマーケティングの機会だ」と、GEのオリンピック・スポンサーシップ事業の責任者であるピーター・フォス氏は語る。

東京五輪では、独アディダスの超軽量シューズが登場

 オリンピックは昔から、最先端のスポーツ用品が披露される場だった。1964年の東京五輪では、陸上十種競技のドイツ人金メダリスト、ウィリー・ホルドルフ選手が独アディダスの超軽量シューズを着用。2000年シドニー五輪では、陸上競技の地元オーストラリア代表キャシー・フリーマン選手が吸汗速乾素材を使用した米ナイキ(NKE)の軽量スーツを着用した。

 その伝統は北京五輪でも変わりない。バスケットボール米国代表チームのコービー・ブライアント選手とレブロン・ジェームズ選手は、強度が鋼鉄の5倍ある液晶ポリマー繊維を編み込んだナイキのバスケットシューズ「ハイパーダンク」を着用する。水泳米国代表のマイケル・フェルプス選手は、英スピードの流線型ゴーグルのおかげで、タイムを数千分の1秒縮められるかもしれない。オーストラリアの自転車トラック種目の代表チームは、1台2万5000ドルの、きわめて強靭な一体成型の炭素繊維フレームの自転車で好記録を出す可能性がある。

 オリンピックをイノベーション戦略に利用するのはスポーツ用品メーカーだけではない。建築、ハイテク、食品など様々な業界の企業が、選手や地元の五輪組織委員会などと協力し、開発を進めることで恩恵を得てきた。

 スコア記録に初めてコンピューターが導入された1960年の米カリフォルニア州スコーバレー冬季五輪では、米IBMがメインフレーム(大型汎用コンピューター)をガラス越しに展示し、法人客にアピールした。

 1964年のオーストリア・インスブルック冬季五輪では、米ゼロックスが当時の最新コピー機5台を提供し、1分間に7ページという驚異的なスピードで得点表をコピーした。

 スイスの時計メーカー、オメガは1932年からオリンピックの公式計時を担当している。同社は主力製品である時計とあまり関係のない分野でも、オリンピックで最新技術を披露してきた。1964年には、今ではスポーツ報道で当たり前の技術になっている、選手のタイムをテレビ画面に映し出すシステムを初公開。北京五輪では、選手のフライングを検知するモーションセンサーや、セーリング競技のボートの位置を把握するGPS(全地球測位システム)を導入した。

 オリンピックで研究開発の成果を発表することは、オメガ製品の精度に関する評判の向上に繋がると同社は主張する。「一流のスポーツ大会で計時を務めることで、当社ブランドの信頼性が高まる」と、オメガのスティーブン・ウルクハート社長は語る。

 仏中合弁のハイテク会社、ASK・同方(トンファン)は、北京五輪用に無線ICタグを開発した。工場から消費者の手に渡るまでの製品の生産・流通過程を追跡するために、世界中の小売業者が近く導入すると見られる、無線を使ったRFID識別技術を採り入れたものだ。

 北京五輪組織委員会(BOCOG)はチケットの偽造を防ぐため、様々な情報を記録できる小型ICタグを搭載したチケットの開発を同社に委託した。

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