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2012年ロンドン五輪、北京から得た教訓

目指す大会は“楽しめる祭典”

2008年9月3日(水)

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Mark Scott (BusinessWeek誌、ロンドン支局記者)
米国時間2008年8月25日更新 「London Games 2012: Lessons from Beijing

 2008年北京五輪で豪華絢爛の限りを尽くした祭典を見せつけられたロンドン市民の多くは、2012年、次期夏季五輪の開催地ロンドンがどこまで期待に応えられるのかと、いささか心もとない気分になった。

 ロンドンのボリス・ジョンソン市長はそうした声を代弁して、「北京大会のまばゆいばかりの豪華さには感動し圧倒された」と語ったが、「しかし我々はひるんではいない」と続けた。

 勇ましい発言だ。だがジョンソン市長は、国際オリンピック委員会(IOC)のジャック・ロゲ会長が閉会式のスピーチで「本当に際立った大会」と称した北京五輪に匹敵するほどの大会を開催するのが容易ではないことは理解している。2012年開催に向けロンドン市が組んだ予算は170億ドル(約1兆8700億円)をわずかに超える程度。中国政府が北京大会につぎ込んだ440億ドル(約4兆8400億円)に比べると雲泥の差だ。

 中国は会場へ通じる道路建設のために付近一帯を一気に整備・再開発したり、市内の大気汚染を解消するため工場の操業停止や厳しい交通規制を行ったりといった緊急対策を講じたが、英国政府にはそのような強引な手法は許されない。実際、ロンドン東部地域の会場予定地の開発計画について納税者から既に激しい批判の声が上がっている。

 それだけに、ロンドンの大会関係者が、北京五輪の成功点といくつかの問題点を検証するのは有意義なことだ。例えば、北京大会の運営は滞りなく円滑に行われたものの、多くの競技で驚くほど観客が少なかった(BusinessWeekチャンネルの記事を参照:2008年8月22日「北京五輪、「完売」なのに空席が目立つワケ」)。ロンドン大会ではこのような事態を避けるため、地元市民に対し割安価格で多くのチケットを販売する意向を表明している。

お祭り騒ぎ好きの英国人

 ロンドン東部にある英グリニッジ大学で観光・都市再生学の上級講師を務めるジェームズ・ケンネル氏は、「確かに北京の大会運営は教訓にすべき点がある」と語る。ケンネル氏は、五輪開催準備に投じられる資金が、今後4年間で英国の国内総生産(GDP)に30億ドル(約3300億円)以上の経済効果をもたらすと試算している。

 ロンドン五輪関係者は、北京五輪とロンドン五輪の最大の違いは、大会全体の雰囲気や取り組みの姿勢だろうと語る。

 今回の北京五輪は、国際社会における中国の国際的地位や経済力の向上を、中国政府が内外に知らしめるための大会だった。だが厳重な警備態勢と過剰なまでに抗議活動を警戒する政府当局によって、多くの観客にとって大会は「楽しくない」ものになってしまった。お祭り騒ぎ好きな英国の関係者は、2012年はもっと大らかな雰囲気の五輪大会にしたいと考えている。

 「カネさえかければパーティーが楽しくなるというものではない」と、米監査法人デロイトトウシュトーマツで大規模イベントの資金計画コンサルティングチームを率いるティム・パー氏は言う。同氏はロンドン五輪組織委員会(LOCOG)が北京に派遣した視察団にも加わった。「素晴らしいスポーツの祭典にするとともに、いかにお祭りの雰囲気を作り上げるかが、ロンドン大会のテーマだ」。

必ずしも計画通りには事が進まないロンドン

 もちろん、これは計画や会場建設を予定通りに進めたうえでの話だ。残念ながら、過去ロンドンでは、数十億ドル規模のプロジェクトで何度も失敗を繰り返してきた。最近の例では、建て替えが行われたサッカーの殿堂である競技場「ウェンブリー・スタジアム」の完成は当初の計画から1年も遅れ、2億ドル(約220億円)もの超過予算を費やすことになった。

 同様に、1990年代末に総工費13億ドル(約1430億円)で建設されたかつての「ミレニアム・ドーム」も、世紀をまたいだほんの一時期、いくつかのイベントが行われた後は、何年も使われずに放置されていた。その後米国の富豪フィリップ・アンシュッツ氏が破格値でこのテント状の建物を購入。コンサートなどに使用する多目的ホール「O2アリーナ」としてリニューアルし、成功を収めている(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年7月20日「London's Millennium Dome Rises Again」)。

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