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ロシアのグルジア侵攻

米国のエネルギー政策を覆した

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2008年9月9日(火)

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 カフカス地方で勃発したロシアとグルジアの武力衝突。ロシア軍はグルジアを屈服させ、この地域におけるロシアの覇権を再び誇示し、米国の威信を大きく傷つけた。

 だが、この地域の外交や戦争には、覇権争いや人命喪失だけでなく、石油やガスを巡る思惑が絡む。今回の紛争に勝ったロシアは、カスピ海周辺の350億バレルの石油と膨大な天然ガスの権益を巡る争いで優位に立った。敗者は恐らく米国と西側の石油会社だろう。欧米企業はいまだに比較的自由に活動できる数少ない地域の1つとして、カスピ海に莫大な投資をしてきたからだ。

ロシアを迂回する輸送網

 紛争の焦点は、旧ソ連諸国から世界市場にカスピ海産原油を輸送する広大なパイプライン網にある。

 米政府は英BP主導の国際投資連合と組み、グルジアを横断しトルコ沿岸部までをつなぐ石油・天然ガスのパイプライン建設を支援した。次に計画されているのは、グルジア国内を経由し、天然ガスをカスピ海東岸からオーストリアまで運ぶもう1つのパイプラインだ。これが完成すれば、現在エネルギーの3分の1をロシアに依存する西欧諸国にとって新たな供給源となる。

 しかし、グルジアが攻撃された今、「ロシアを迂回して中央アジアと欧州をつなぐ新しいパイプラインの可能性はほぼ消えた」と米証券会社エクゼキューションのアナリスト、クリス・ラッペル氏は言う。ロシアの影響を受けやすい国を経由するパイプラインの建設はリスクが高すぎるのだ。

 今回のグルジア紛争は15年間に及ぶ米国の経済外交努力に大打撃を与えた可能性がある。1990年代半ば、崩壊した旧ソ連の地図を眺めていた米クリントン政権高官は南部地域の特異な事実に気づいた。新たに誕生した国々は石油や天然ガス資源が豊富だが、それを顧客に届けるにはロシア経由で輸送しなければならないということだ。

 つまり、自前のパイプラインがなくては、カスピ海沿岸諸国はエネルギー産業を十分開発できないし、ロシアからの完全な政治的独立も勝ち取れない。また、独自のパイプラインなしでは、カザフスタンの巨大油田テンギス油田の半分を所有する米シェブロンなどの石油大手は輸出を制限されてしまう。このため当初は反対したBPとシェブロンも、米政府のパイプライン建設戦略を支持する側に回った。

 グルジアは西側へのすべてのパイプラインにとって重要な中継地点だ。元米国大使で、現在米フィラデルフィアのアイゼンハワー・フェローシップ財団理事長を務めるジョン・ウルフ氏は当時、この「東西エネルギー回廊」を創設する交渉の真っ只中にいた人物。同氏によると、アゼルバイジャンとグルジア、トルコの首脳らと顔を突き合わせ、カスピ海初のロシアを経由しない欧州向け輸出用パイプラインの建設に知恵を出し合ったという。

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