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“独自の待遇”で定着率の高い人気企業

大卒新入社員が辞めない理想の就職先とは

2008年9月16日(火)

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Lindsey Gerdes (BusinessWeek誌エディター、ニューヨーク)
2008年9月15日発行号カバーストーリー 「The Best Places to Launch a Career

 大学新卒者が就職先を考える時、高額な報酬を得たいならホテル業界を選ぶのは得策ではないだろう。わずかな例外を除き、入社1年目に年収4万ドルを超えることはまずないし、ここ数年、業界の給与水準はほとんど上がっていない。

 米ホテル大手マリオット・インターナショナル(MAR)の採用担当者が米デラウェア大学を訪問した際も、同大学の学生クレア・ピニャターロさんに対して厚遇を提示したわけではない。実はその必要もなかったのだ。マリオット側はピニャターロさんにとって給与の額よりもはるかに魅力的な条件を既に提示していた。ホテルの経営に携わることのできるチャンスである。

優秀な新卒者を引き止めるため、企業は様々な策を打ち出している

 デラウェア大学のサービス業講座では、大学構内にあるマリオットのコートヤードホテルでの1学期間の実習が必須となっている。ピニャターロさんはその1期生として実習に参加し、販売促進用パンフレットの作成、週末宿泊プランの立案から各客室に設置する難解な法律用語だらけの宿泊約款のチェックまで、ホテル開業に関わるあらゆる業務を体験した。

 2005年に大学を卒業し、正社員としてマリオットに就職したピニャターロさんは、米ニュージャージー州ブリッジウォーターにあるマリオットのフルサービスホテルで3カ月間の管理者研修に入った。レストラン、宴会、フロント受付の各業務を短期間体験し、ここで再度、適性が試された。ピニャターロさんがウエディングプランナーを目指していることが分かると、マリオットは引き留め策として、再び魅力的な条件を提示した。ブリッジウォーターにあるホテルのイベントプランナー職へ配属したのだ。

 「バルミツバー(ユダヤ教の成人式)から結婚式まで、ありとあらゆる宴会や企業会合を担当した」と、今は法人営業部門に籍を置くピニャターロさんは振り返る。「マリオットにいてもウエディングプランナーの仕事は十分できます」。

 マリオットのように限られた予算の中で人材獲得競争を勝ち抜く必要のある企業は、優秀な新卒者を採用し会社に引き留めておくための手段として、ピニャターロさんの場合のようにやりがいのある機会を提供することが、給与の額に匹敵する効果を得る手段になる。

 経済状況の悪化で中間管理職の削減が進む一方、多くの企業は新規採用を続けており、毎年大量の新卒者を採用する企業もある。採用人数を減らしている企業であっても、優秀な学生を巡る争奪戦にはこれまで以上に熱心だ。

 年金や健康保険といった通常の福利厚生の充実はもちろんのこと、若い人材を引きつけ、引き留め、やる気を出させようと、多くの企業は様々な策を打ち出している。在宅勤務制度の採用、早期の昇進、数年先に支給される特別ボーナスなどだ。

 米人材コンサルティング会社RHRインターナショナルの職場環境コンサルタント、アダム・クリング氏は、「企業は独自の制度や待遇で毎月の給与額を補おうとしている」と説明する。言い換えれば、それだけ給与額は抑えられているということだ。

E&Yが「新卒者の理想の就職先」ランキング1位に躍進した理由

 こうした給与以外の待遇面の重要性を最もよく認識しているのが米大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)だ。この3年間、平均給与額は大きく上がってはいない。世界4大会計事務所、いわゆる“ビッグフォー”の一角を占めるE&Yには、毎年3000人以上の会計学専攻の引く手あまたの優秀な新卒者が入社している。行き届いた研修制度やメンター制度(先輩社員が若手社員を助言・指導する制度)、業績手当てに加え、経営幹部との面談が約束されていることも人気の理由だ。毎年、米国在住の全インターンには、米フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールドへの旅行で、E&Yの幹部と交流する機会が与えられる。

 採用担当の懸命な努力やわずか2年でほぼ全員に管理職への昇進が約束されていることに加え、こうした様々な制度を打ち出すことによって、E&Yは競合する米デロイトトウシュトーマツを退け、BusinessWeek誌が選ぶ第3回「新卒者の理想の就職先」ランキングの1位に輝いた。

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